HISTOGRAMステートメントはヒストグラムを作成します。また、オプションで、推定したパラメトリックおよびノンパラメトリックの確率密度曲線を重ねて表示します。WEIGHTステートメントをHISTOGRAMステートメントと併用することはできません。HISTOGRAMステートメントは、PROC UNIVARIATEステートメントの後に任意の数だけ使用できます。HISTOGRAMステートメントの構成要素は次のとおりです。
表4.5は、ヒストグラムでパラメトリック法の密度推定を表示する1次オプションです。各1次オプションは、指定したHISTOGRAMステートメントに1回だけ指定できます。また、ヒストグラムに各1次オプションの分布族の複数の曲線を表示できます。
表4.5: パラメトリック法の当てはめた分布の1次オプション
オプション |
説明 |
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ベータ分布(しきい値パラメータ、尺度パラメータ、形状パラメータおよび)を当てはめ |
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指数分布(しきい値パラメータおよび尺度パラメータ)を当てはめ |
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ガンマ分布(しきい値パラメータ、尺度パラメータ、形状パラメータ)を当てはめ |
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Gumbel分布(位置パラメータおよび尺度パラメータ)を当てはめ |
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逆ガウス分布(位置パラメータ、および形状パラメータ)を当てはめ |
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対数正規分布(しきい値パラメータ、尺度パラメータ、形状パラメータ)を当てはめ |
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正規分布(平均および標準偏差)を当てはめ |
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一般化パレート分布(しきい値パラメータ、尺度パラメータ、形状パラメータ)を当てはめ |
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べき関数分布(しきい値パラメータ、尺度パラメータ、形状パラメータ)を当てはめ |
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レイリー分布(しきい値パラメータおよび尺度パラメータ)を当てはめ |
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Johnson 分布(しきい値パラメータ、尺度パラメータ、形状パラメータおよび)を当てはめ |
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Johnson 分布(しきい値パラメータ、尺度パラメータ、形状パラメータおよび)を当てはめ |
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Weibull分布(しきい値パラメータ、尺度パラメータ、形状パラメータc)を当てはめ |
表4.6に、当てはめたパラメトリック法の分布のパラメータの指定と当てはめた曲線の表示の制御を行う、2次オプションの一覧を示します。これらの2次オプションは、1次分布オプションの後にかっこで囲んで指定します。たとえば、正規分布曲線を当てはめるには、次のようにNORMALオプションを指定します。
proc univariate; histogram / normal(color=red mu=10 sigma=0.5); run;
COLOR= normal-optionでは曲線の色(赤)を指定し、MU= およびSIGMA= normal-optionsは曲線のパラメータおよびを指定しています。MU= / SIGMA= normal-optionsが指定されていない場合は、標本平均および標本標準偏差を使用して、およびがそれぞれ推定されます。
2次オプションの値のリストを指定すると、同じ分布族の複数の当てはめた曲線をヒストグラムに表示できます。オプションの値はリストの位置と一致します。分布パラメータ値のリストで値ESTを指定すると、パラメータの推定値を使用できます。
たとえば、次のコードは2つの正規分布曲線をヒストグラムに表示します。
proc univariate; histogram / normal(color=(red blue) mu=10 est sigma=0.5 est); run;
1番目の曲線は、およびの赤色の曲線です。2番目の曲線は、が標本平均に等しくが標本標準偏差に等しい、青色の曲線です。
HISTOGRAMステートメントで当てはめることができるパラメトリック法の分布族の詳細は、当てはめた連続分布の計算式のセクションを参照してください。
表4.6: パラメトリック法の分布の2次オプション
オプション |
説明 |
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すべての分布で使用されるオプション |
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密度曲線の色を指定 |
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密度曲線グループの目次エントリを指定 |
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密度曲線の下の領域を塗りつぶし |
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密度曲線の線の種類を指定 |
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ヒストグラム間隔の中間点のテーブルを出力 |
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曲線を要約するテーブルを抑制 |
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データから計算された分位点と曲線から推定された分位点の表が作成されるパーセントの一覧を表示 |
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密度曲線の幅を指定 |
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beta-options |
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ベータ曲線の1番目の形状パラメータを指定 |
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ベータ曲線の2番目の形状パラメータを指定 |
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ベータ曲線の尺度パラメータを指定 |
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ベータ曲線の下限しきい値パラメータを指定 |
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exponential-options |
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指数曲線の尺度パラメータを指定 |
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指数曲線のしきい値パラメータを指定 |
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gamma-options |
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ガンマ曲線の形状パラメータを指定 |
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連続推定値の変化を指定(その値でのNewton-Raphson近似が終了) |
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の初期値(Newton-Raphson近似が の場合)を指定 |
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Newton-Raphson近似がの場合の反復の最大数を指定 |
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ガンマ曲線の尺度パラメータを指定 |
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ガンマ曲線のしきい値パラメータを指定 |
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Gumbel-options |
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EDF適合度検定シミュレーションの標本数を指定 |
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EDF適合度検定シミュレーションのシード値を指定 |
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Gumbel曲線の位置パラメータを指定 |
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Gumbel曲線の尺度パラメータを指定 |
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iGauss-options |
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EDF適合度検定シミュレーションの標本数を指定 |
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EDF適合度検定シミュレーションのシード値を指定 |
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逆ガウス曲線の形状パラメータを指定 |
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逆ガウス曲線の位置パラメータを指定 |
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lognormal-options |
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対数正規曲線の形状パラメータを指定 |
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対数正規曲線のしきい値パラメータを指定 |
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対数正規曲線の尺度パラメータを指定 |
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normal-options |
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正規曲線の平均値を指定 |
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正規曲線の標準偏差を指定 |
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Pareto-options |
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EDF適合度検定シミュレーションの標本数を指定 |
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EDF適合度検定シミュレーションのシード値を指定 |
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一般化パレート曲線の形状パラメータを指定 |
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一般化パレート曲線の尺度パラメータを指定 |
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一般化パレート曲線のしきい値パラメータを指定 |
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power-options |
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べき関数曲線の形状パラメータを指定 |
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べき関数曲線の尺度パラメータを指定 |
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べき関数曲線のしきい値パラメータを指定 |
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Rayleigh-options |
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EDF適合度検定シミュレーションの標本数を指定 |
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EDF適合度検定シミュレーションのシード値を指定 |
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レイリー曲線の尺度パラメータを指定 |
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レイリー曲線のしきい値パラメータを指定 |
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Johnson -options |
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Johnson 曲線の1番目の形状パラメータ を指定 |
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パーセント方式のz値を指定 |
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パラメータ推定の方法を指定 |
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パーセント方式のトレランスを指定 |
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Johnson 曲線の2番目の形状パラメータ を指定 |
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Johnson 曲線の尺度パラメータ を指定 |
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Johnson 曲線の下限しきい値パラメータ を指定 |
|
Johnson -options |
|
Johnson 曲線の1番目の形状パラメータ を指定 |
|
パーセント方式のz値を指定 |
|
パラメータ推定の方法を指定 |
|
パーセント方式のトレランスを指定 |
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Johnson 曲線の2番目の形状パラメータ を指定 |
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MLE最適化でのパラメータ開始値のサンプリング範囲を指定 |
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MLE最適化の反復の制限を指定 |
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MLE最適化に使用される開始点の最大数を指定 |
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MLE最適化の反復履歴を印刷 |
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MLE最適化のシード値を指定 |
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MLE最適化の最適のトレランスを指定 |
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Johnson 曲線の尺度パラメータ を指定 |
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Johnson 曲線の下限しきい値パラメータ を指定 |
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Weibull-options |
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Weibull曲線の形状パラメータcを指定 |
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反復履歴とオプティマイザの詳細に関するテーブルを要求 |
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Newton-Raphson近似がの場合の反復の最大数を指定 |
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Weibull曲線の尺度パラメータを指定 |
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Weibull曲線のしきい値パラメータを指定 |
核密度推定を計算するには、option KERNEL(kernel-options)を使用します。次の2次オプションをKERNELオプションの後にかっこで囲んで指定し、KERNELオプションで要求した密度推定の機能を制御します。
表4.8に、ヒストグラムの拡張オプションの要約を示します。
表4.8: 一般グラフオプション
オプション |
説明 |
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一般グラフオプション |
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ヒストグラムのバーの上にラベルを作成 |
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当てはめた曲線を考慮せずに垂直軸のスケールを指定 |
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ヒストグラム間隔の端点の一覧を表示 |
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グリッドを作成 |
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釣り鐘型ヒストグラムを作成 |
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水平軸に垂直な参照線を指定 |
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HREF=で指定した参照線のラベルを指定 |
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HREF=で指定した参照線のラベルの垂直位置を指定 |
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ヒストグラム間隔の中間点を指定 |
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ヒストグラム間隔の端点の数を指定 |
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ヒストグラム間隔の中間点の数を指定 |
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ヒストグラムのバーを抑制 |
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水平軸のラベルを抑制 |
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プロットを抑制 |
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垂直軸のラベルを抑制 |
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垂直軸の目盛りおよび目盛りラベルを抑制 |
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間隔に右の端点を包含 |
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要約統計量の値に参照線を指定 |
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STATREF=で指定した参照線のラベルを指定 |
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STATREFLABELS=ラベルに統計値を表示するための置き換え文字を指定 |
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垂直軸にラベルを指定 |
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垂直軸に垂直な参照線を指定 |
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VREF=で指定した参照線のラベルを指定 |
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VREF=で指定した参照線のラベルの水平位置を指定 |
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垂直軸のスケールを指定 |
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従来的なグラフ出力のオプション |
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ANNOTATEのデータセットを指定 |
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バーの幅を指定 |
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軸の色を指定 |
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ヒストグラムのバーの外側の線の色を指定 |
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曲線の下の領域を塗りつぶす色を指定 |
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枠の色を指定 |
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グリッド線の色を指定する |
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HREF=で指定した参照線の色を指定 |
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ヒストグラムのバーの背後に参照線を描画 |
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STATREF=で指定した参照線の色を指定 |
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テキストの色を指定 |
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VREF=で指定した参照線の色を指定 |
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グラフカタログ内のプロットに対する説明を指定 |
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テキストのソフトウェアフォントを指定 |
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ヒストグラムのバーの前に参照線を描画 |
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水平軸のAXISステートメントを指定 |
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枠外の領域で使用されるテキストの高さを指定 |
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水平軸の小目盛りの数を指定 |
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水平軸にオフセットを指定 |
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枠領域内のテキストに対してソフトウェアフォントを指定 |
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枠領域内のテキストの高さを指定 |
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ヒストグラムのバーの間の間隔を指定 |
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グリッド線の種類を指定 |
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HREF=で指定した参照線の種類を指定 |
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STATREF=で指定した参照線の種類を指定 |
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VREF=で指定した参照線の種類を指定 |
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グラフカタログ内のプロットに対して名前を指定 |
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プロット領域の周囲の枠の表示を抑制 |
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曲線の下の領域に対する塗りつぶしパターンを指定 |
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垂直軸のラベルの文字列を縦書きに |
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垂直軸のAXISステートメントまたは値を指定 |
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垂直軸の小目盛りの数を指定 |
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垂直軸の上端のオフセット長を指定 |
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軸と枠の線の太さを指定 |
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バーの外側の線の太さを指定 |
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グリッド線の太さを指定 |
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ODS Graphics出力のオプション |
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ヒストグラムに表示するフットノートを指定 |
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ヒストグラムに表示するセカンダリフットノートを指定 |
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ヒストグラムに表示するタイトルを指定 |
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ヒストグラムに表示するセカンダリタイトルを指定 |
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異なるクラス水準のヒストグラムを重ね合わせる |
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比較プロットのオプション |
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ANNOTATE=データセットで要求された注釈をキーセルに対してのみ適用 |
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行ラベルの枠を塗りつぶす色を指定 |
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列ラベルの枠を塗りつぶす色を指定 |
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度数のバーの割合の色を指定 |
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比較ヒストグラムの行ラベルの色を指定 |
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比較ヒストグラムの列ラベルの色を指定 |
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タイルの間隔を指定 |
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表示されるビンの最大数を指定 |
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キーセルのデータの平均から指定した標準偏差値をプライスマイナスした範囲内のビンが表示されるようにビン数を限定 |
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比較ヒストグラムの列数を指定 |
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比較ヒストグラムの行数を指定 |
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その他のオプション |
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ヒストグラムグループの目次エントリを指定 |
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ヒストグラム間隔のテーブルを作成 |
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HISTOGRAMステートメントで作成されるテーブルの目次エントリを抑制 |
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ヒストグラム間隔に関する情報を含むデータセットを作成 |
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核密度推定を含むデータセットを作成 |
HISTOGRAMステートメントのオプションの詳細は次のとおりです。†マークが付けられたオプションは、従来的なグラフを作成する場合にのみ適用できます。すべてのプロットステートメントに共通するオプションの詳細は、共通オプションのリファレンスセクションを参照してください。