Q-Qプロットおよび確率プロットは次の特性があることにより、指定した理論分布が一連の測定にどの程度当てはまるか診断するときに役立ちます。
理論分布とデータ分布の分位点が一致している場合、プロットされる点は線上またはその近くにプロットされます。
理論分布とデータ分布の位置や尺度のみが異なる場合、プロット上の点は線上またはその近くにプロットされます。傾きaと切片bによって、理論分布の尺度および位置パラメータを視覚的に推定できます。
Q-Qプロットのx軸は線形の尺度なので、位置パラメータと尺度パラメータをグラフィカルに推定できるため、Q-Qプロットは確率プロットより使いやすく便利です。一方、確率プロットはパーセント点や確率を推定する場合に便利です。
Q-Qプロットの点のパターンが線形でない場合があることには、多くの理由があります。Chambers et al. (1983)とFowlkes (1987)は、一般的に検出される線形性からの乖離の解釈についての説明を表4.32のように要約しています。
場合によっては、線形パターンよりも非線形パターンが明瞭な場合があります。ただし、Chambers et al. (1983)は、線形性からの乖離が確率変動によって生じる場合もあることを指摘しています。
表4.32: Q-Qプロットの診断
点のパターンの説明 |
考えられる解釈 |
---|---|
一部を除くすべての点が線上に存在 |
データの外れ値 |
パターンの左端が線より下、パターンの右端が線より上 |
両端の裾が長いデータ分布 |
パターンの左端が線より上、パターンの右端が線より下 |
両端の裾が短いデータ分布 |
左から右へ傾きが増える曲線状のパターン |
右に片寄ったデータ分布 |
左から右へ傾きが減る曲線状のパターン |
左に片寄ったデータ分布 |
段と蹴り上げのパターン(平坦および間隙) |
丸められたデータまたは離散したデータ |
パターンが線形である場合、Q-Qプロットを使用して形状パラメータ、位置パラメータおよび尺度パラメータを推定したり、パーセント点を推定したりできます。 例4.26から例4.34を参照してください。