UNIVARIATEプロシジャ

 

例4.27 対数正規分布の当てはめを表示するヒストグラムの作成

この例は例4.26のデータセットAircraftを使用して、対数正規分布の当てはめをヒストグラムに表示する方法を示しています。対数正規分布が分布モデルとして適切かどうかを判定するには、適合度検定を実行するほかにグラフの当てはめを検討する必要があります。次のステートメントは対数正規分布を当てはめ、ヒストグラムに密度曲線を表示します。

title 'Distribution of Position Deviations';
ods graphics off;
ods select Lognormal.ParameterEstimates Lognormal.GoodnessOfFit MyPlot;
proc univariate data=Aircraft;
   var Deviation;
   histogram / lognormal(w=3 theta=est)
               vaxis = axis1
               name  = 'MyPlot';
   inset n mean (5.3) std='Std Dev' (5.3) skewness (5.3) /
         pos = ne  header = 'Summary Statistics';
   axis1 label=(a=90 r=0);
run;

ODS SELECTステートメントは出力を"ParameterEstimates"テーブルと"GoodnessOfFit"テーブルに制限します。ODSテーブル名のセクションを参照してください。LOGNORMAL 1次オプションにより、出力4.27.1のヒストグラムに当てはめた曲線を重ねて表示しています。W=オプションは曲線の幅を指定しています。INSETステートメントは、平均、標準偏差および歪度がプロットの右上端のインセットに表示されるよう指定しています。しきい値パラメータのデフォルト値は0です。しきい値が0ではない場合は、THETA=オプションでを指定できます。変数Deviationにはデフォルトのしきい値より小さい値が含まれます。このため、オプションTHETA= ESTが使用されています。

出力4.27.1 グラフデバイスで作成した正規確率プロット
グラフデバイスで作成した正規確率プロット

出力4.27.2は、対数正規分布に対する3つのEDF適合度検定(Anderson-Darling、Cramér-von MisesおよびKolmogorov-Smirnov検定)を示しています。3つの検定の帰無仮説は、標本データが対数正規分布であることです。

出力4.27.2 当てはめた対数正規分布の要約
Distribution of Position Deviations

The UNIVARIATE Procedure
Fitted Lognormal Distribution for Deviation (Position Deviation)

Parameters for Lognormal Distribution
Parameter Symbol Estimate
Threshold Theta -0.00834
Scale Zeta -6.14382
Shape Sigma 0.882225
Mean   -0.00517
Std Dev   0.003438

Goodness-of-Fit Tests for Lognormal Distribution
Test Statistic p Value
Kolmogorov-Smirnov D 0.09419634 Pr > D >0.500
Cramer-von Mises W-Sq 0.02919815 Pr > W-Sq >0.500
Anderson-Darling A-Sq 0.21606642 Pr > A-Sq >0.500

3つの検定すべてで値が0.5より大きいため、帰無仮説は棄却されます。2パラメータ対数正規分布(尺度パラメータおよび形状パラメータ)が位置偏差の分布モデルに適しているという結論が、検定で支持されます。適合度の解釈の詳細は、適合度検定のセクションを参照してください。

この例のサンプルプログラムuniex16.sasは、Base SASソフトウェアのSASサンプルライブラリに含まれています。