WEIGHTステートメントは、入力データセット内の各オブザベーションに重みを提供する数値変数を指定します。WEIGHTステートメントは、セルカウントデータを入力する場合に最もよく使用されます。詳細は、度数カウントの入力のセクションを参照してください。WEIGHTステートメントを使用する場合、FREQプロシジャは、1つのオブザベーションがn個のオブザベーションを表すものと仮定します。ここで、nはvariableに指定した値です。WEIGHTステートメントのvariable引数(WEIGHT変数)の値は、整数でなくてもかまいません。
WEIGHT変数が欠損値である場合、FREQプロシジャはそのオブザベーションを分析で使用しません。WEIGHT変数の値がゼロである場合、ZEROSオプションが指定されていない限り、FREQプロシジャはそのオブザベーションを無視します。ZEROSオプションを指定すると、重みがゼロのオブザベーションが分析に含められます。WEIGHTステートメントを指定しない場合、FREQプロシジャは、各オブザベーションに重み1を割り当てます。WEIGHT変数値の合計は、オブザベーションの総数に相当します。
WEIGHT変数の値が負数である場合、FREQプロシジャは、重み付きの値から計算した度数を表示しますが、パーセンテージや統計量は計算しません。TABLESステートメントのOUT=オプションを使って出力データセットを作成する場合、FREQプロシジャは、PERCENT
変数に欠損値を割り当てます。FREQプロシジャは、OUTEXPECTオプションやOUTPCTオプションが提供する変数にも欠損値を割り当てます。WEIGHT変数の値が負数である場合、OUTPUTステートメントを使うことでは出力データセットを作成できません。これは、負の重みが存在すると統計量が計算されないためです。
WEIGHTステートメントでは次のoptionを使用できます。
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ZEROS
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重みがゼロのオブザベーションを分析に含めます。デフォルトでは、FREQプロシジャは重みがゼロのオブザベーションを無視します。
ZEROSオプションを指定すると、度数表とクロス集計表に、重みがゼロのオブザベーションに対応する水準が表示されます。ZEROSオプションを指定しない場合、FREQプロシジャは、重みがゼロのオブザベーションを処理しないため、重みがゼロのオブザベーションのみを含む水準は表示されません。
ZEROSオプションを指定すると、FREQプロシジャは、一元表に対するカイ2乗適合度検定を計算する際に、重みがゼロの水準を含めます。
また、FREQプロシジャは、一元表に対する二項検定を計算する際にも、重みがゼロの水準を含めます。これにより、重みが正のオブザベーションを含んでいない水準が指定された場合でも、二項検定や二項推定量の計算が可能となります。
二元表の場合、ZEROSオプションを指定すると、重みが正のオブザベーションを含んでいない水準が存在する場合でも、カッパ統計量を計算できるようになります。詳細は、ゼロ行とゼロ列を含む表のセクションを参照してください。
ZEROSオプションを指定したとしても、二元表がゼロ行とゼロ列を含んでいる場合には、FREQプロシジャは、その表に対するCHISQやMEASURES統計量を計算しません。これは、そのような場合には、これらの統計量のほとんど未定義となるためです。
ZEROSオプションを指定すると、TABLESステートメントのSPARSEオプションが呼び出されます。この結果、度数カウントがゼロの表セルが、LIST出力やOUT=データセットに含められます。デフォルトでは、SPARSEオプションを省略すると、FREQプロシジャは、度数がゼロのセルをLIST出力やOUT=データセットには含めません。WEIGHTステートメントでZEROSオプションを指定した場合に、SPARSEオプションを無効にしたいならば、TABLESステートメントでNOSPARSEオプションを指定します。