FREQプロシジャ

概要: FREQプロシジャ

FREQプロシジャは、一元からn元の度数表および分割表(クロス集計表)を作成します。二元表では、連関性に対する検定や統計量を求めることができます。 n元表の場合、層別分析が実行されます。層別分析では、層内の統計値に加えて、層で調整した後の全体に対する総計量も計算されます。

一元度数表の場合、FREQプロシジャは、等しい比率かまたは指定された帰無仮説の比率の適合度検定を計算します。 一元表の場合、FREQプロシジャは、二項比率の信頼限界や検定(非劣性の検定や同等性の検定を含む)も提供します。

分割表の場合、FREQプロシジャは2つの分類変数間の関係を調べるために、各種の統計量を計算します。 一部の変数ペアに関しては、それらの変数間の連関性の存在や強度を調べることもできます。 連関性が存在するかどうかを特定するには、カイ2乗検定を計算します。連関性の強度を推定する場合、FREQプロシジャは、連関性の統計量を計算します。連関性の統計量は、連関性が存在しない場合はゼロに近づき、完全な連関性が存在する場合には最大値(または最小値)に近づく傾向があります。分割表の統計量には次のものがあります。

  • カイ2乗検定と統計量

  • 連関性の統計量

  • $2 \times 2$表のリスク(二項比率)とリスク差

  • $2 \times 2$表のオッズ比と相対リスク

  • 傾向検定

  • 一致の検定と統計量

  • Cochran-Mantel-Haenszel統計量

FREQプロシジャは、漸近標準誤差、信頼区間、および連関性の統計量や一致の統計量の検定を計算します。多くの検定統計量や統計量に関しては、正確なp値と信頼区間を計算できます。FREQプロシジャは、n元表の層間および層内の統計量を計算することにより、任意の層化変数に対する調整を行うような分析も実施します。これらの統計量には、Cochran-Mantel-Haenszel統計量や一致の統計量が含まれます。

二元表の分析で使用する連関性の統計量を選択する場合、研究デザイン(すなわち行変数および列変数が独立であるか否か)、変数の測定尺度(名義、順序、区分)、各統計量が検出する連関性の種類、統計量の有効な解釈に必要となる仮説を考慮する必要があります。自分が使用するデータに適した統計量を選択する場合は十分に注意する必要があります。

検定統計量の選択や解釈を行う場合にも、同様の注意が必要となります。たとえば、Mantel-Haenszelカイ2乗統計量は、両変数が順序尺度であることを必要とし、線形連関性を検出するよう設計されています。一方、Pearsonカイ2乗統計量は、すべての変数に適用することで任意の種類の連関性を検出できますが、線形連関性の検出には力不足です。これは、自由度が大きい場合(ただし$2 \times 2$表は除く)には、その能力が分散されるためです。

適切な統計分析の選択に関する詳細は、Agresti (2007) およびStokes, Davis, and Koch (2012)を参照してください。

度数カウントを生成するSASプロシジャはいくつか存在しますが、一元からn元の表のカイ2乗検定と、分割表の連関性および一致の統計量を計算できるのはFREQプロシジャのみです。度数カウントを生成するそれ以外のプロシジャとしては、TABULATEプロシジャやUNIVARIATEプロシジャが挙げられます。標本調査データの分割表と連関性の検定を生成したい場合、SURVEYFREQプロシジャを使用します。詳細については、SAS/STAT 13.2 User's GuideChapter 14: Introduction to Survey Sampling and Analysis Proceduresを参照してください。カテゴリ別データにモデルを当てはめたい場合、CATMOD、GENMOD、GLIMMIX、LOGISTIC、PROBIT、SURVEYLOGISTICの各プロシジャのいずれかを使用します。詳細については、SAS/STAT 13.2 User's GuideChapter 8: Introduction to Survey Sampling and Analysis Proceduresを参照してください。

FREQプロシジャはODS (Output Delivery System)を使用します。ODSとは、SASプロシジャからの出力の表示や制御を可能にするSASのサブシステムです。ODSを使うと、FREQプロシジャからの任意の出力をSASデータセットへと変換できます。詳細は、ODSテーブル名のセクションを参照してください。

FREQプロシジャは、ODS Graphicsを使用して、同プロシジャ出力の一部としてグラフを作成します。ODS Graphicsの詳細は、SAS/STAT 13.2 User's GuideChapter 21: Statistical Graphics Using ODSを参照してください。FREQプロシジャで利用できる統計グラフに関する詳細は、TABLESステートメントのPLOTS=オプションの説明、およびODS Graphicsのセクションを参照してください。