データセットMigraine
には、偏頭痛治療の臨床試験の仮説データが含まれています。この試験では、男女両方からなる複数の被験者が、新薬かプラシーボのいずれかによる処置を受けます。処置に対する被験者の反応は、'Better'または'Same'のいずれかでコード化されます。これらのデータはセルカウントとして記録され、処置と反応の組み合わせごとの被験者数が変数Count
に記録されます。
data Migraine; input Gender $ Treatment $ Response $ Count @@; datalines; female Active Better 16 female Active Same 11 female Placebo Better 5 female Placebo Same 20 male Active Better 12 male Active Same 16 male Placebo Better 7 male Placebo Same 19 ;
次のPROC FREQステートメントは、Gender
により層化された多元クロス表を作成します。この表は、Treatment
が行でResponse
が列になります。TABLESステートメントのRELRISKオプションは、行がTreatment
で列がResponse
の二元表のオッズ比と相対リスクを要求します。PLOTS=オプションは、Gender
の各水準および全体の相対リスクとその信頼限界を示す相対リスクプロットを要求します。CMHオプションは、この多元クロス表のCochran-Mantel-Haenszel統計量を要求します。この層化された表の場合、CMHオプションは、共通相対リスクの推定値と、オッズ比の等質性のBreslow-Day検定も提供します。NOPRINTオプションが指定されているため、クロス集計表は表示されません。
ods graphics on; proc freq data=Migraine; tables Gender*Treatment*Response / relrisk plots(only)=relriskplot(stats) cmh noprint; weight Count; title 'Clinical Trial for Treatment of Migraine Headaches'; run; ods graphics off;
出力3.7.1から出力3.7.4に、分析結果を示します。相対リスクプロット(図3.7.1)には、Gender
の2つの水準の相対リスクと信頼限界、および全体的な(共通)相対リスクが示されています。出力3.7.2にCMH統計量を示します。層化された表の場合、3つのCMH統計量により同じ仮説の検定が行われます。有意なp値(0.004)は、性別の補正を行った後に、処置と応答間に連関性が残ることを示しています。
CMHオプションは、出力3.7.3に示すような全体的な相対リスクの表も作成します。これは前向き研究であるため、相対リスクの推定値により新薬の効果が評価されます。"Cohort (Col1 Risk)"の値は、最初の列に対応する推定値(改善のリスク)となります。新薬により偏頭痛が改善される確率は、プラシーボにより偏頭痛が改善される確率よりも2倍以上高くなります。
Breslow-Day検定での大きなp値(0.2218)は、オッズ比に関して有意な性差が存在しないことを示しています(出力3.7.4を参照)。
出力3.7.3: CMHオプション:共通相対リスク
Common Odds Ratio and Relative Risks | ||||
---|---|---|---|---|
Statistic | Method | Value | 95% Confidence Limits | |
Odds Ratio | Mantel-Haenszel | 3.3132 | 1.4456 | 7.5934 |
Logit | 3.2941 | 1.4182 | 7.6515 | |
Relative Risk (Column 1) | Mantel-Haenszel | 2.1636 | 1.2336 | 3.7948 |
Logit | 2.1059 | 1.1951 | 3.7108 | |
Relative Risk (Column 2) | Mantel-Haenszel | 0.6420 | 0.4705 | 0.8761 |
Logit | 0.6613 | 0.4852 | 0.9013 |