FREQプロシジャで二項比率、二項比率の信頼限界、および二項検定を計算する例を次に示します。この例では、例3.1で示した眼の色と髪の色のデータを使用します。デフォルトでは、FREQプロシジャは、一元表の最初の水準におけるオブザベーションの比率として二項比率を計算します。異なる水準を指定するには、LEVEL= binomial-optionを使用します。
次のPROC FREQステートメントは、眼の色がbrownである子供の比率(例3.1のデータセットを使用)を計算し、母集団比率が50%に等しいという帰無仮説の下で検定を行います。また、次のステートメントでは、髪の色がfairである子供の比率の同等性も計算します。
最初のTABLESステートメントは、変数Eyes
の一元度数表を要求します。BINOMIALオプションは、二項比率、二項比率の信頼限界、二項検定を要求します。FREQプロシジャは、この表に示される最初の水準であるEyes
= 'brown'となる比率を計算します。AC、WILSON、EXACT binomial-optionsは、信頼限界の種類として、それぞれAgresti-Coull、Wilson (スコア)、正確(Clopper-Pearson)を要求します。デフォルトでは、FREQプロシジャは、二項比率のWald信頼限界および正確な(Clopper-Pearson)信頼限界を提供します。また、BINOMIALオプションは、比率が0.5に等しいという帰無仮説の下での漸近Wald検定を実施します。異なる検定比率を指定するには、P= binomial-optionを使用します。ALPHA=0.1オプションは、%%を指定します。これにより、90%の信頼限界が生成されます。
2番目のTABLESステートメントは、変数Hair
の一元度数表を要求します。BINOMIALオプションは、最初の水準であるHair
= 'fair'となる比率を要求します。EQUIV binomial-optionは、二項比率の同等性の検定を要求します。P=.28オプションは、帰無仮説の比率として0.28を指定します。MARGIN=.1オプションは、同等性の検定のマージンとして0.1を指定します。
proc freq data=Color order=freq; tables Eyes / binomial(ac wilson exact) alpha=.1; tables Hair / binomial(equiv p=.28 margin=.1); weight Count; title 'Hair and Eye Color of European Children'; run;
出力3.4.1に眼の色の結果を、出力3.4.2に髪の色の結果をそれぞれ示します。
出力3.4.1の度数表には、変数Eyes
の値が、度数カウントの多い順に表示されています。FREQプロシジャは、この度数表に示される最初の水準であるEyes
= 'brown'となる子供の比率を計算します。出力3.4.1に、二項比率の信頼限界と検定統計量を示します。この信頼限界は、90%の信頼限界となります。ALPHA=オプションを省略すると、FREQプロシジャはデフォルトで95%の信頼限界を計算します。Zの値がゼロより小さいため、FREQプロシジャは左側のp値(0.0019)を計算します。小さいp値は、眼の色がbrownである子供の比率の真の値が50%未満であるという対立仮説を支持します。
出力3.4.2に、2番目のTABLESステートメントが作成する同等性の検定の結果を示します。帰無仮説の比率は0.28であり、同等性のマージンは–0.1および0.1です。これにより、同等性の限界は0.18および0.38になります。FREQプロシジャは、同等性の2つの片側検定(TOST)を実施します。小さいp値は、帰無仮説を棄却し、比率がヌル値と等しいという対立仮説を支持します。