EXACTステートメント |
注: FREQプロシジャでは、すべての組み合わせを列挙していく方法ではなく、高速で効率の良いアルゴリズムを使用して、正確検定を行います。正確検定は、データセットが小さい場合、その分布が疎である場合、あるいは片寄った分布である場合に有用です。大きな問題の場合、正確な検定の計算には多くの時間とメモリが必要となります。そのような問題の場合、漸近検定の使用を検討してください。または、漸近検定がそのような大きな問題に妥当でないときは、正確なp値のモンテカルロ法による推定の使用を検討してください。モンテカルロ推定値を求めるには、EXACTステートメントでMC computation-optionを指定します。詳細は、計算リソースのセクションを参照してください。
statistic-optionsには、それに関しての正確な検定や信頼限界を提供する統計量を指定します。
1元表の場合、二項比率検定およびカイ2乗適合度検定に関する正確なp値が計算されます。正確な(Clopper-Pearson)信頼限界は、二項分布の割合に関する検定で使用できます。
2元表の場合、Pearsonのカイ2乗、尤度比カイ2乗、Mantel-Haenszelのカイ2乗、Fisherの正確検定、Jonckheere-Terpstra検定、Cochran-Armitageの傾向検定のような各検定に関する正確なp値が計算されます。また、正確なp値は、Pearson相関係数、Spearman相関係数、Kendallのtau-、Stuartのtau-、Somersの、Somersの、単純カッパ係数、重み付きカッパ係数のような統計量に関しても計算されます。
表の場合、FREQプロシジャは、McNemarの正確な検定と、オッズ比の正確な信頼限界を提供します。また、FREQプロシジャは、リスク(比率)の差および相対リスク(比率の割合)に関する正確な無条件の信頼限界も計算します。多層の表の場合、FREQプロシジャは、オッズ比の等質性に対するZelenの正確検定、共通オッズ比の正確な信頼限界、共通オッズ比の正確な正確な検定を提供します。
表3.6に、使用可能なstatistic-optionsと、計算される正確な統計量を示します。これらの統計量の詳細は、TABLESステートメントの説明および統計量の計算のセクションを参照してください。正確な計算についての詳細は、正確な統計量のセクションを参照してください。
表3.6に示されているオプション名のほとんどは、TABLESステートメントやOUTPUTステートメントにおける対応するオプション名と同じになります。TABLESステートメントのオプションであるCHISQ、MEASURES、AGREEと同じ名前のオプションを使用することで、複数の統計量のグループに関する正確検定を実施できます。たとえば、EXACTステートメントでCHISQオプションを指定すると、FREQプロシジャは、Pearsonカイ2乗検定、尤度比カイ2乗検定、およびMantel-Haenszelのカイ2乗検定に関する正確なp値を計算します。また、表3.6に示されている個々のstatistic-optionを指定することにより、対応する正確な統計量の計算を要求できます。
統計量オプション |
正確な統計量 |
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McNemarの検定(表の場合)、単純なカッパ検定、 |
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重み付きカッパ検定 |
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1元表の二項分布の割合に対する検定 |
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1元表に対するカイ2乗適合度検定、 |
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2元表に対するPearsonカイ2乗検定、最尤比カイ2乗検定、および |
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Mantel-Haenszelカイ2乗検定 |
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共通オッズ比、 |
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共通オッズ比検定に関する信頼限界(表の場合) |
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オッズ比の等質性に対するZelenの正確検定(表の場合) |
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Fisherの正確検定 |
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Jonckheere-Terpstraの検定 |
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単純カッパ係数に対する検定 |
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Kendallのtau-に対する検定 |
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尤度比カイ2乗検定 |
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McNemarの検定(表の場合) |
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Pearson係数およびSpearman係数に対する検定、 |
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オッズ比の信頼限界(表の場合) |
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Mantel-Haenszelカイ2乗検定 |
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オッズ比の信頼限界(の場合) |
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Pearsonカイ2乗検定 |
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Pearsonの相関係数に対する検定 |
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RELRISK |
相対リスクの信頼限界(表の場合) |
RISKDIFF |
比率の差に関する信頼限界(表の場合) |
Spearmanの相関係数に対する検定 |
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Somersの検定 |
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Somersの検定 |
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Stuartのtau-に対する検定 |
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Cochran-Armitageの傾向検定 |
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重み付きカッパ係数に対する検定 |
次の2つのEXACTステートメントのstatistic-optionsではoptionsを指定できます。
表の相対リスクに関する正確な無条件の信頼限界を要求します。FREQプロシジャは、2つの独立した片側正確検定を反転させることにより、信頼限界を計算します(Santner and Snell 1980)。デフォルトでは、この計算は、標準化されていないリスクの差を検定統計量として使用します。RELRISK(METHOD=FMSCORE)オプションを指定すると、FREQプロシジャはFarrington-Manningスコア統計量を使用します(Chan and Zhang 1999)。詳細は、相対リスクの差の正確な条件なしの信頼限界のセクションを参照してください。
信頼水準を設定するには、TABLESステートメントのALPHA=オプションを使用します。デフォルトのALPHA=0.5は、95%の信頼限界を生成します。
RELRISK statistic-optionの後に続けて、次のようなオプションをかっこで囲んで指定できます。
それに関する相対リスクを計算する表の列を指定します。デフォルト値はCOLUMN=1であり、列1の相対リスクに関する正確な信頼限界が計算されます。COLUMN=BOTHを指定すると、FREQプロシジャは、列1と列2の相対リスクに関する正確な信頼限界を計算します。
は、Farrington-Manningスコア統計量に基づく、正確な条件なしの信頼限界を要求します(Chan and Zhang 1999)。詳細は、相対リスクの差の正確な条件なしの信頼限界のセクションを参照してください。METHOD=FMSCOREを省略した場合、デフォルトではFREQプロシジャは、標準化されていない相対リスクを使用して正確な信頼限界を計算します。
表のリスクの差に関する正確な無条件の信頼限界を要求します。FREQプロシジャは、2つの独立した片側正確検定を反転させることにより、信頼限界を計算します(Santner and Snell 1980)。デフォルトでは、この計算は、標準化されていないリスクの差を検定統計量として使用します。RISKDIFF(METHOD=FMSCORE)オプションを指定すると、FREQプロシジャはFarrington-Manningスコア統計量を使用します(Chan and Zhang 1999)。詳細は、リスクの差の正確な条件なしの信頼限界のセクションを参照してください。
信頼水準を設定するには、TABLESステートメントのALPHA=オプションを使用します。デフォルトのALPHA=0.5は、95%の信頼限界を生成します。
RISKDIFF statistic-optionの後に続けて、次のようなオプションをかっこで囲んで指定できます。
それに関するリスクの差を計算する表の列を指定します。デフォルト値はCOLUMN=BOTHであり、列1および列2のリスクの差に関する正確な信頼限界が計算されます。
は、Farrington-Manningスコア統計量に基づく、正確な条件なしの信頼限界を要求します(Chan and Zhang 1999)。詳細は、リスクの差の正確な条件なしの信頼限界のセクションを参照してください。METHOD=FMSCOREを省略した場合、デフォルトではFREQプロシジャは、標準化されていないリスクの差を使用して正確な信頼限界を計算します。
TABLESステートメントを1つだけ指定する場合、TABLESステートメントとEXACTステートメントの両方で同じオプションを指定する必要はありません。この場合、EXACTステートメントでstatistic-optionを指定すると、FREQプロシジャは対応するTABLESステートメントのオプションを自動的に呼び出します。ただし、複数のTABLESステートメントを使用して正確な計算を行いたい場合、必要な統計量を要求するにはTABLESステートメントでオプションを指定する必要があります。この場合、FREQプロシジャは、EXACTステートメントで指定されたすべての統計量に関しても正確な計算を行います。
TABLESステートメントのグループオプションCHISQには、EXACTステートメントのstatistic-optionsであるLRCHI、MHCHI、PCHIのそれぞれに対応する検定が含まれています。TABLESステートメントのMEASURESオプションには、EXACTステートメントのstatistic-optionsであるKENTB、OR、PCORR、SCORR、SMDCR、SMDRC、STUTCのそれぞれに対応する統計量が含まれています。TABLESステートメントのAGREEオプションは、EXACTステートメントのstatistic-optionsであるKAPPA、MCNEM、WTKAPのそれぞれに対応する分析を実施します。TABLESステートメントのCMHオプションは、EXACTステートメントのstatistic-optionsであるCOMORおよびEQOR (ZELEN)のそれぞれに対応する分析を実施します。
computation-optionsには、正確な統計量を計算するためのオプションを指定します。EXACTステートメントでは、スラッシュ(/)に続いて次のようなcomputation-optionsを指定できます。
p値のMonte Carlo推定値に関する信頼限界の水準を指定します。の値は0~1の間であり、デフォルトリは0.01です。信頼水準がである場合、信頼限界は%になります。デフォルトのALPHA=.01は、Monte Carlo推定値に関して99%の信頼限界を生成します。
ALPHA=オプションは、MCオプションを呼び出します。
正確なp値を計算する場合にFREQプロシジャが使用可能な最大クロック時間(秒)を指定します。指定の時間内に計算が完了しない場合、計算は途中で終了します。MARGIN=の値は正の数でなければなりません。MAXTIME=オプションは、正確なp値のMonte Carlo推定、および正確なp値の直接計算で有効となります。詳細は、計算リソースのセクションを参照してください。
正確なp値の値の直接計算ではなく、正確なp値のMonte Carlo推定を要求します。Monte Carlo推定値は、正確な計算をするためにはかなりの量の時間とメモリが必要となるが、かと言って漸近近似では十分でないような、大きな問題の場合に役立ちます。詳細はMonte Carlo推定のセクションを参照してください。
MCオプションは、すべてのEXACT statistic-optionsで使用できます。ただし、BINOMIALオプションと、表または表にのみ適用可能なCOMOR、EQOR、MCNEM、OR、RELRISK、RISKDIFFの各オプションは除きます。FREQプロシジャは、これらの統計量に関しては、正確検定か信頼限界のみを計算します。
モンテカルロシミュレーションのサンプル数を指定します。nの値は正の整数でなければならず、デフォルト値は10,000になります。nの値が大きいほど、正確なp値の推定値の精度が高くなります。nの値が大きいほど、より多くの標本が生成されるため、計算時間は増加します。
N=オプションはMCオプションを呼び出します。
POINTオプションは、すべてのEXACTステートメントのstatistic-optionsで使用できます。ただし、OR、RELRISK、RISKDIFFの各オプションは除きます。これらのオプションは正確な信頼限界を計算します。POINTオプションは、MCオプションといっしょには使用できません。
モンテカルシミュレーションで用いる乱数の、乱数系列のシード値(初期値)を指定します。SEED=オプションの値は整数でなければなりません。SEED=オプションを省略するか、またはSEED=の値をゼロまたはマイナスに指定した場合、FREQプロシジャは、コンピュータのクロックの時刻を使用してシード値を取得します。
SEED=オプションはMCオプションを呼び出します。