例3.10 CochranのQ検定
2値応答を同じ条件で何回も測定するか、または異なる条件下で測定する場合、Cochranのを使うと、肯定応答の周辺確率が回数や条件を通じて不変であるかどうかを検定できます。3つ以上の応答カテゴリが存在する場合、CATMODプロシジャを使用して反復測定モデルを当てはめることができます。
データセットDrugsには、慢性疾患を治療するための3種類の薬に関する実験データ(Agresti 2002)が含まれています。この実験では、46名の被験者に3種類の薬A、B、Cを投与します。各薬に対する反応は、favorable ('F')かunfavorable ('U')のいずれかになります。
proc format;
value $ResponseFmt 'F'='Favorable'
'U'='Unfavorable';
run;
data drugs;
input Drug_A $ Drug_B $ Drug_C $ Count @@;
datalines;
F F F 6 U F F 2
F F U 16 U F U 4
F U F 2 U U F 6
F U U 4 U U U 6
;
次のステートメントは、各薬への反応に関する一元度数表を作成します。AGREEオプションは、Cochranのと、三元表に対するその他の一致性統計量を生成します。これらのステートメントが生成する出力を出力3.10.1~出力3.10.5に示します。
proc freq data=Drugs;
tables Drug_A Drug_B Drug_C / nocum;
tables Drug_A*Drug_B*Drug_C / agree noprint;
format Drug_A Drug_B Drug_C $ResponseFmt.;
weight Count;
title 'Study of Three Drug Treatments for a Chronic Disease';
run;
出力3.10.1の一元度数表は、各薬に対する周辺応答を提供します。薬AおよびBに関しては、被験者の61%がFavorableな応答を報告しましたが、薬Cに関してFavorableな応答を報告したのは被験者の35%でした。出力3.10.2と出力3.10.3には、それぞれ薬Aの'Favorable'レベルと'Unfavorable'レベルに関する一致性の統計量が示されています。McNemarの検定は、薬Aに対する応答がFavorableである場合、薬Aと薬C間に強い不一致があることを示しています。
出力3.10.2 薬AにFavorableと応答したケースに関する一致性統計量
-0.0328 |
0.1167 |
-0.2615 |
0.1960 |
出力3.10.3 薬AにUnfavorableと応答したケースに関する一致性統計量
-0.1538 |
0.2230 |
-0.5909 |
0.2832 |
出力3.10.4には、全体のカッパ係数が示されています。カッパ係数の値が小さい場合、薬Bへの応答と薬Cへの応答の間には一致がないことを示します。
Cochranのは統計的に有意である(出力3.10.5で=0.0144となっている)ため、肯定応答の確率は3種類の薬で同じであるという仮説は拒否されます。
出力3.10.4 全体の一致性統計量
-0.0588 |
0.1034 |
-0.2615 |
0.1439 |
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