リスクとリスクの差

TABLESステートメントでRISKDIFFオプションを指定すると、表に関するリスク(二項比率)とリスクの差の推定値を計算できます。この分析は、行1と行2が2つのグループに対応し、列が2つの可能な特性または結果に対応しているような2つのグループの特性を比較する場合に適しています。たとえば、行変数が処置または投薬量で、列変数が反応である場合などが挙げられます。詳細は、Collett (1991)、Fleiss, Levin, and Paik (2003)、Stokes, Davis, and Koch (2000)を参照してください。

表の度数が次のように表されるとします。

 

列1

列2

合計

行1

行2

合計

行1と列2に関して、FREQは行1のリスク(比率)、行2のリスク、全体的なリスク、リスクの差の推定値を提供します。 リスクの差は、行1のリスクから行2のリスクを差し引いたものとして定義されます。リスクはこれらの行(行1、行2、または全体)の二項比率であり、それらの標準誤差および信頼限界の計算は、二項比率のセクションに示されている二項比率の計算方法に従います。

行1の列1リスクは、列1に分類される行1オブザベーションの比率であり、次の式で表されます。

     

これは、行変数の第1水準における列1の反応の条件付き確率を推定します。

行2の列1リスクは、列1に分類される行2オブザベーションの比率であり、次の式で表されます。

     

全体的な列1リスクは、列1に分類されるすべてのオブザベーションの比率であり、次の式で表されます。

     

列1のリスクの差は2つの行のリスクを比較するものであり、行1の列1リスクから行2の列1リスクを差し引いたものとして計算されます。

     

リスクとリスクの差は、列2に関しても同様に定義されます。

の列1リスクに関する標準誤差は次のように計算されます。

     

全体的な列1リスクの標準誤差は次のように計算されます。

     

2つの行が独立した二項標本を表している場合、列1のリスクの差に関する標準誤差は次のように計算されます。

     

標準誤差は、列2のリスクおよびリスクの差の場合にも同様に計算されます。

信頼区間

デフォルトでは、RISKDIFFオプションは、リスク(行1、行2、全体)およびリスクの差に関する標準Wald漸近信頼限界を計算します。RISKDIFFオプションは、リスクの差に関するその他のタイプの信頼限界や検定も提供します。詳細は、リスクの差の信頼限界およびリスクの差に関する検定の各セクションを参照してください。

各リスクは、それらの対応する行の二項比率に等しくなります。このセクションでは、RISKDIFFオプションにより計算されるリスクのWald信頼限界について説明します。BINOMIALオプションは、二項比率の枠組み内で、リスクに関するその他の信頼限界や系点も計算します。詳細は、二項分布の信頼限界および二項検定の各セクションを参照してください。

Wald漸近信頼限界は、二項分布に対する正規近似に基づきます。FREQプロシジャは、リスクとリスクの差に関するWald信頼限界を次のように計算します。

     

ここで、は推定値、は標準正規分布の番目のパーセント点、は推定値の漸近標準誤差です。信頼水準はALPHA=オプションの値により決定されます。これは、デフォルトでは0.05であり、95%の信頼限界を生成します。

CORRECT riskdiff-optionまたはRISKDIFFCオプションを指定すると、FREQプロシジャは、リスクおよびリスクの差に関するWald漸近信頼限界に連続補正を含めます。この連続補正の目的は、正規近似と、離散型分布である二項分布との間の差異を調整することにあります。詳細は、Fleiss, Levin, and Paik (2003)を参照してください。連続補正を含める場合、漸近信頼限界は次のように計算されます。

     

ここで、は連続補正です。行1リスクの場合、行2リスクの場合、全体的なリスクの場合、リスクの差の場合になります。列1および列2のリスクの場合、同じ連続補正を使用します。

また、FREQプロシジャは、列1のリスク、列2のリスク、全体的なリスクに関する正確な(Clopper-Pearson)信頼限界も計算します。これらの信頼限界は、二項分布に基づく等尾部検定を反転することにより構成されます。FREQプロシジャは、分布を使用してClopper-Pearson信頼限界を計算します。詳細は、正確な(Clopper-Pearson)信頼限界のセクションを参照してください。

リスクの差の信頼限界

CL= riskdiff-optionを指定することで、リスクの差に関するその他の信頼限界を要求できます。使用できる信頼限界のタイプとしては、正確な条件なしの信頼限界、Farrington-Manning信頼限界、Hauck-Anderson信頼限界、Newcombeスコア信頼限界、Wald信頼限界があります。Newcombe信頼限界およびWald信頼限界の連続補正版が使用できます。デフォルトでは、Wald信頼限界は標本ベースの分散を使用します。または、検定ベースの分散を要求し、リスクの差の値としてヌルを指定できます。

CL= riskdiff-optionにより生成される信頼限界の信頼係数は%になります。ここで、はALPHA=オプションにより決定されます。デフォルトのALPHA=0.05は、95%の信頼限界を生成します。これは、同等性、非劣性、優越性の検定で提供される検定ベースの信頼限界とは異なります。それらの検定の信頼係数は%になります(Schuirmann 1999)。詳細は、リスクの差に関する検定のセクションを参照してください。

正確な信頼限界の計算方法については、リスクの差の正確な条件なしの信頼限界のセクションを参照してください。これらの信頼限界は、2つの個々の片側の正確検定(裾を使用する手法)の逆から求められます。デフォルトでは、検定は標準化されていないリスクの差に基づきます。RISKDIFF(METHOD=FMSCORE)オプションを指定すると、検定統計量としてFarrington-Manningスコアが使用されます。

FREQプロシジャは、セクション非劣性の検定内のサブセクションNewcombeスコア信頼限界に示されている方法でリスクの差に関するNewcombe信頼限界を計算します。ただし、CL= により生成されるNewcombe信頼限界は%の信頼係数を持ちます。

次のセクションでは、リスクの差に関するFarrington-Manning信頼限界、Hauck-Anderson信頼限界、Wald信頼限界の計算方法について説明します。

Farrington-Manning信頼限界 リスクの差に関するFarrington-Manning信頼限界は次のように計算されます。

     

ここで、, は標準正規分布の番名のパーセント点であり、標準誤差は次のようになります。

     

ここで、およびは、リスクの差がに等しいという帰無仮説の下でのおよびの最尤推定値です。

セクション非劣性の検定内のサブセクションFarrington-Manning検定に、およびの最尤推定値の計算方法が示されています。詳細は、Farrington and Manning (1990)を参照してください。

この計算では、リスクの差に関するヌル仮説値を使用します。これは、CL=FM(NULL=value) riskdiff=optionとして指定できます。デフォルトでは、FREQプロシジャはヌル値として0を使用します。これは、非劣性分析で生成されるFarrington-Manning信頼限界とは異なっており、その場合、リスクの差のヌル値は検定マージン(MARGIN= riskdiff-optionにより指定)に基づきます。

Hauck-Anderson信頼限界 リスクの差に関するHauck-Anderson信頼限界は次のように計算されます。

     

ここで、およびは標準正規分布の番目のパーセント点です。標準誤差は、標本比率から次のように計算されます。

     

Hauck-Anderson連続補正は次のように計算されます。

     

詳細は、Hauck and Anderson (1986)を参照してください。対応する非劣性の検定については、セクション非劣性の検定内のサブセクションHauck-Anderson検定を参照してください。

Wald信頼限界 リスクの差に関するWald信頼限界は次のように計算されます。

     

ここで、およびは標準正規分布の番目のパーセント点です。デフォルトでは、標準誤差は、標本比率から次のように計算されます。

     

CL=WALD(NULL=value) riskdiff-optionを指定すると、標準誤差は、リスクの差がに等しいという帰無仮説に基づきます(Dunnett and Gent 1977)。標準誤差は次のように計算されます。

     

説明

     

CORRECT riskdiff-optionを指定すると、Wald信頼限界に連続補正が含められます。

     

ここで、となります。

対応する非劣性の検定については、セクション非劣性の検定内のサブセクションWald検定を参照してください。

リスクの差に関する検定

riskdiff-optionsを指定すると、リスク(比率)の差異に関する検定を要求できます。要求できる検定としては、リスクの差に関する等価性、非劣性、優越性、同等性の検定があります。等価性の検定は、連続補正ありまたは連続補正なしの標準Wald漸近検定になります。非劣性の検定、優越性の検定、同等性の検定では、検定方式として、Wald検定(連続補正ありまたは連続補正なし)検定、Hauck-Anderson検定、Farrington-Manning検定、Newcombeスコア検定(連続補正ありまたは連続補正なし)が使用できます。検定方法を指定するには、riskdiff-optionとしてMETHOD=を使用します。デフォルトでは、FREQプロシジャはMETHOD=WALDを使用します。

等価性の検定

EQUAL riskdiff-optionを指定すると、FREQプロシジャは等価性の検定、すなわちリスクの差がゼロに等しいという帰無仮説の下での検定を計算します。列1(または列2)のリスクの差の場合、この検定は帰無仮説および対立仮説で表されます。ここで、は列1(または列2)のリスクの差を表します。FREQプロシジャは、等価性に関するWald漸近検定を計算します。検定統計量は次のように計算されます。

     

デフォルトでは、標準誤差は、標本比率から次のように計算されます。

     

VAR=NULL riskdiff-optionを指定すると、行1と行2のリスクが等しいという帰無仮説に基づいて標準誤差が次のように計算されます。

     

ここで、は全体的な列1リスクの推定値です。

CORRECT riskdiff-optionまたはRISKDIFFCオプションを指定すると、FREQプロシジャは、漸近検定統計量に連続補正を含めます。である場合、連続補正は、検定統計量の分子のから差し引かれます。連続補正値はになります。

FREQプロシジャは、この検定の片側および両側の値を計算します。検定統計量がゼロより大きい場合、FREQプロシジャは、右側のp値を表示します。これは、帰無仮説の下でより大きい値が発生する確率を表します。片側のp値は次のように計算されます。

     

ここで、は標準正規分布を持ちます。両側のp値はのように計算されます。

非劣性の検定

NONINF riskdiff-optionを指定すると、FREQプロシジャはリスクの差、すなわち2つの比率間の差に関する検定を行います。非劣性の検定の帰無仮説は、次のようになります。

     

対立仮説は次のようになります。

     

ここで、は非劣性マージンです。帰無仮説の拒否は、行1のリスクが行2のリスクに対して劣性でないことを示します。詳細は、Chow, Shao, and Wang (2003)を参照してください。

の値を指定するには、MARGIN= riskdiff-optionを使用します。デフォルトではです。検定方法を指定するには、METHOD= riskdiff-optionを使用します。リスクの差に関する非劣性分析では、検定方式として、Wald検定(連続補正ありまたは連続補正なし)検定、Hauck-Anderson検定、Farrington-Manning検定、Newcombeスコア検定(連続補正ありまたは連続補正なし)が使用できます。Wald、Hauck-Anderson、Farrington-Manningの各方法は、検定および対応する信頼限界を提供します。Newcombeスコアは、信頼限界のみを提供します。METHOD=を省略すると、FREQプロシジャはデフォルトでWald検定を使用します。

検定ベースの信頼限界の信頼係数は、%になります(Schuirmann 1999)。ALPHA=を省略すると、これらはデフォルトで%の信頼限界になります。この信頼限界を非劣性の限界–と比較できます。

次のセクションでは、リスクの差の非劣性に関する各種の分析方式について説明します。

Wald検定 METHOD=WALD riskdiff-optionを指定すると、FREQプロシジャはリスクの差の非劣性に関する漸近Wald検定を実施します。これはデフォルトの分析方式でもあります。Wald検定統計量は次のように計算されます。

     

ここで、()はリスクの差の推定値であり、は非劣性のマージンです。

デフォルトでは、Wald検定の標準誤差は、標本比率から次のように計算されます。

     

VAR=NULL riskdiff-option指定すると、標準誤差は、リスクの差が–に等しいという帰無仮説に基づきます(Dunnett and Gent 1977)。標準誤差は次のように計算されます。

     

説明

     

CORRECT riskdiff-optionまたはRISKDIFFCオプションを指定すると、連続補正が漸近検定統計量に含められます。連続補正は、検定統計量の分子が正数である場合、同分子から差し引かれます。それ以外の場合、連続補正は同分子に追加されます。連続補正値はになります。

Wald非劣性検定のp値はであり、ここでは標準正規分布に従います。

Hauck-Anderson検定 ETHOD=HA riskdiff-optionを指定すると、FREQプロシジャは非劣性に関するHauck-Anderson検定を行います。Hauck-Anderson検定統計量は次のように計算されます。

     

ここで、であり、標準誤差は標本比率から次のように計算されます。

     

Hauck-Anderson連続補正は次のように計算されます。

     

Hauck-Anderson非劣性検定のp値はであり、ここでは標準正規分布に従います。詳細は、Hauck and Anderson (1986)とSchuirmann (1999)を参照してください。

Farrington-Manning検定 ETHOD=FM riskdiff-optionを指定すると、FREQプロシジャはリスクの差の非劣性に関するFarrington-Manning検定を実施します。Farrington-Manning検定統計量は次のように計算されます。

     

ここでおよび

     

ここでおよびは、リスクの差が–に等しいという帰無仮説の下でのおよびの最尤推定値です。Farrington-Manning非劣性検定のp値はであり、ここでは標準正規分布に従います。

Farrington and Manning (1990)によれば、最尤方程式の解は次のようになります。

     

説明

     
     
     
     
     
     
     
     

Newcombeスコア信頼限界 METHOD=NEWCOMBE riskdiff-optionを指定すると、FREQプロシジャは、リスクの差に関するNewcombeハイブリッドスコア(Wilson)信頼限界を計算します。この信頼限界の信頼係数は%になります(Schuirmann 1999)。ALPHA=を省略すると、これらはデフォルトで%の信頼限界になります。この信頼限界を非劣性の限界–と比較できます。

リスクの差に関するNewcombeスコア信頼限界は、2つの個別比率のそれぞれに関するWilsonスコア信頼限界から構成されます。個別比率の信頼限界は、比率差に関するWald信頼限界の標準誤差項目として使用されます。詳細は、Newcombe (1998)およびBarker et al(2001)を参照してください。

およびに関するWilson信頼限界は次の根になります。

     

ここで、です。信頼限界は次のように計算されます。

     

詳細は、Wilson(スコア)信頼限界のセクションを参照してください。

に関する下側および上側のWilsonスコア信頼限界をおよびで表し、に関する下側および上側のWilsonスコア信頼限界をおよびで表します。比率の差()に関するNewcombeスコア信頼限界は次のように計算されます。

     
     

CORRECT riskdiff-optionを指定すると、FREQプロシジャは、連続補正済みのNewcombeスコア信頼限界を計算します。連続補正を含めることにより、個別比率に関するWilsonスコア信頼限界は次の根として計算されます。

     

続いて、個別比率に関する連続補正済みの信頼限界を使用して、比率差の信頼限界およびが計算されます。

優越性の検定

SUP riskdiff-optionを指定すると、FREQプロシジャは、リスクの差に関する優越性の検定を実施します。帰無仮説は次のようになります。

     

対立仮説は次のようになります。

     

ここで、は優越性のマージンです。帰無仮説の拒否は、行1の比率が行2の比率に対して優越していることを示します。の値を指定するには、MARGIN= riskdiff-optionを使用します。デフォルトでは、になります。

優越性分析は非劣勢分析と同じですが、帰無仮説で正のマージン値を使用するところが違います。優越性の計算は非劣性の検定のセクションに示されている方法に従いますが、–の代わりにを使用します。詳細は、Chow, Shao, and Wang (2003)を参照してください。

同等性の検定

EQUIV riskdiff-optionを指定すると、FREQプロシジャはリスクの差、すなわち2つの比率間の差に関する同等性の検定を実施します。 同等性の検定の帰無仮説は次のようになります。

     

対立仮説は次のようになります。

     

ここで、は下側マージン、は上側マージンです。帰無仮説の拒否は、2つの二項比率が等しいことを示します。詳細は、Chow, Shao, and Wang (2003)を参照してください。

マージン値およびを指定するには、MARGIN= riskdiff-optionを使用します。MARGIN=を指定しない場合、FREQプロシジャはデフォルトの下限マージンおよび上限マージンとして、それぞれ–0.2および0.2を使用します。単一のマージン値を指定すると、FREQプロシジャはデフォルトの下限マージンおよび上限マージンとして、それぞれおよびを使用します。検定方法を指定するには、riskdiff-optionとしてMETHOD=を使用します。リスクの差に関する同等性分析では、検定方式として、Wald検定(連続補正ありまたは連続補正なし)検定、Hauck-Anderson検定、Farrington-Manning検定、Newcombeスコア検定(連続補正ありまたは連続補正なし)が使用できます。Wald、Hauck-Anderson、Farrington-Manningの各方法は、検定および対応する信頼限界を提供します。Newcombeスコアは、信頼限界のみを提供します。METHOD=を省略すると、FREQプロシジャはデフォルトでWald検定を使用します。

FREQプロシジャは、同等性の分析で、2つの片側検定(TOST)を計算します (Schuirmann 1987)。TOSTアプローチには、下側マージンに関する右側検定と、上側マージンに関する左側検定が含まれます。全体的なp値は、下限および上限の検定における2つのp値のうちの大きい方になります。

リスクの差に関するWald、Hauck-Anderson、Farrington-Manning、Newcombeの各検定についての詳細は、非劣性の検定のセクションを参照してください。 下側マージンの同等性検定統計量は、非劣性検定統計量と同じ形式を持ちますが、前者は-の代わりに下側マージン値を使用します。上側マージンの同等性検定統計量は、非劣性検定統計量と同じ形式を持ちますが、前者は-の代わりに上側マージン値を使用します。

リスクの差に関する検定ベースの信頼限界は、ユーザが選択した同等性の検定方式に従って計算されます。METHOD=WALDと共にVAR=NULLまたはMETHOD=FMを指定すると、下側および上側マージン検定に関する標準誤差が別々に計算されます。この場合、検定ベースの信頼限界は、これらの標準誤差の最大値を使用して計算されます。この信頼限界の信頼係数は%になります(Schuirmann 1999)。ALPHA=を省略すると、これらはデフォルトで%の信頼限界になります。信頼限界を同等性の限界と比較できます。

リスクの差の正確な条件なしの信頼限界

EXACTステートメントでRISKDIFFオプションを指定すると、FREQプロシジャは、リスクの差に関する正確な条件なしの信頼限界を計算します。FREQプロシジャは、2つの独立した片側検定(裾を用いる手法)を反転させることにより、信頼限界を計算します。ここで、各検定のサイズは最大でであり、信頼係数は最低でもになります。正確な条件付き方式(セクション正確な統計量を参照)は、撹乱パラメータが存在するため、リスクの差には適用できません(Agresti 1992)。条件なしのアプローチでは、すべての可能な値に関してp値を最大化することで、撹乱パラメータを廃止しています(Santner and Snell 1980)。

デフォルトでは、FREQプロシジャは、信頼限界の計算における検定統計量として、標準化されていないリスクの差を使用します。RISKDIFF(METHOD=FMSCORE)オプションを指定すると、同プロシジャはFarrington-Manningスコア統計量を使用します(Chan and Zhang 1999)。スコア統計量は生のリスクの差よりも離散的でない統計量であるため、より保守的でない信頼限界を生成します(Agresti and Min 2001)。リスクの差に関する正確な信頼限界の計算方法については、Santner et al(2007)を参照してください。

FREQは次の信頼限界を計算します。リスクの差は、行1と行2のリスク(比率)間の差として定義されます。ここでおよび表の行合計を表します。この表に関する結合確率関数は、表のセル度数、リスクの差、撹乱パラメータを使って次のように表されます。

     

リスクの差に関する%の信頼限界は次のように計算されます。

     
     

説明

     
     

集合には、行合計がおよびであるすべての表が含まれており、における表に関する検定統計量の値を表します。を計算する場合、()である表の確率が合計に含まれます。ここで、は観測された表の検定統計量の値です。が固定値の場合、は、のすべての可能な値に関する最大値となるように取得されます。

デフォルトでは、FREQプロシジャは、標準化されていないリスクの差を検定統計量として使用します。RISKDIFF(METHOD=FMSCORE)オプションを指定すると、同プロシジャはリスクの差に関するFarrington-Manningスコア統計量を検定統計量として使用します。リスクの差の計算に関する詳細は、セクション非劣性の検定内のサブセクションFarrington-Manning検定を参照してください。詳細は、Farrington and Manning (1990)およびMiettinen and Nurminen (1985)を参照してください。