SAS Forum ユーザー会 学術総会 2006 発表論文一覧
<口頭発表> 

2006年度の学術総会にて、口頭発表された論文一覧(タイトル/発表者/概要)です。
タイムテーブルについてはこちらをご参照ください。

一部の論文については、こちらのページから補足資料をダウンロードできます。

なお、これらの論文を収載した論文集を販売しておりますので、詳しくは弊社マニュアル販売係までお問い合わせください。

複雑なデータ加工に関する特別セッション | ミクロ統計経済特別セッション
チュートリアル | 医薬品開発(システム系) | 医薬品開発(解析系)
調査・マーケティング | 経営・経済 | 教育


◆ 複雑なデータ加工に関する特別セッション

「解析しやすい医薬データにするためのSASによるデータ加工」
臨床試験や疫学調査などを始めとする臨床研究で得られる医薬データに対しては、SASプロシジャを適用できるようにデータを加工することが必要である。今回は、医薬データの加工をより効率的に行えるようにするためのプログラム例を作成することを試みた。データ加工上、考慮が必要となる変数名・変数定義については、標準化を進めているCDISCの考え方を導入することを試みた。

「セッションのねらい」
発表者:  持田製薬株式会社 医薬開発部 高田康行

本企画セッションの意図と概略の説明。

「医薬データの加工で苦労した点 −問題提起−」
発表者:  京都大学 大学院 医学研究科 疫学研究情報管理学講座 大庭幸治

本企画セッションにおける問題提起として、データ加工に苦労した例の提示。

「加工プログラム例1 − 繰り返しを利用したプログラム −」
発表者:  株式会社 ACRONET 開発本部 DM・統計解析部 林行和

マクロなどを利用し、処理を分割/繰り返しで実施した場合のプログラムの例示。

「加工プログラム例2 − まとめて行うプログラム −」
発表者:  持田製薬株式会社 医薬開発部 高田康行

まとめたデータを作成して、同様の処理を一度に行った場合のプログラムの例示。

「標準化を目指した医薬データの定義 − CDISC標準データモデルの理解をもとに −」
発表者:  中外臨床研究センター バイオメトリクス部 松丸一郎

医薬データの標準化を目指しているCDISCのデータモデルを踏まえたうえで、変数名・変数定義の考え方の提示。

◆ ミクロ統計経済特別セッション

「ミクロ統計経済特別セッション」

基調講演:再抽出匿名化標本データ利用上の問題点
青森公立大学 経営経済学部 松田芳郎

「統計調査のリサンプリング・データのユーザビリティに関する研究」
発表者:  財団法人 統計情報研究開発センター 研究開発本部長 古田裕繁

統計調査のミクロデータに秘匿措置を施したリサンプリング・データを用いたミクロ統計分析について、開示リスクの代理変数である再抽出率と、分析の有用性との間の逆相関関係を実証的に分析した。

「1982年から2002年における韓国所得分布の分析」  ※ Student Session
発表者:  東京国際大学 経済学部/韓国国家統計局 金慧蓮

韓国社会は、1997年の経済危機後、社会不安と所得格差の拡大の問題を抱えている。韓国の家計調査のミクロデータを分析することによって、所得分布の決定要因および不均衡に関わる要因をさぐる。

「バングラディッシュの婚姻形態による世帯所得と支出の分析」  ※ Student Session
発表者:  東京国際大学 経済学部/バングラディッシュ統計局 ディパンカー ロイ

家計所得は世帯単位で調査されるが、この「世帯」は核家族が主体の西欧概念であり、一夫多妻制のイスラム社会にはなじまない。この点を考慮してバングラディッシュの家計調査のミクロデータから所得分布を分析する。

「通勤時間に注目してみた共働き夫婦の通勤・家事・育児分担に関する分析」
発表者:  東京国際大学 経済学部 菅幹雄

社会生活基本調査のリサンプリング・データを用いて、通勤時間に注目してみて、共働き世帯における夫婦の分担が、世帯類型でどのように異なっているのかを比較し、夫婦の協力関係を明らかにした。

◆ チュートリアル

「ロジスティック回帰による推測(V.9 LOGISTICプロシジャの機能拡張)」
発表者:  東京理科大学 工学部 経営工学科 浜田知久馬

LOGISTICプロシジャのV9における機能拡張の概要を紹介し、ロジスティック回帰の推測原理、特に3種類の検定と既存の検定の関連の解説を中心としたチュ―トリアルを行う。

「変量効果を含むロジスティック回帰」
発表者: 中外臨床研究センター バイオメトリック部 高橋行雄

異なる対象集団に対して、世界的な規模で繰り返し実験が行われている臨床試験を事例に、LOGISTICおよびGENMODプロシジャのScaleオプションの使い方、NLMIXEDプロシジャを使ったロジスティック回帰の基礎と応用について示す。

◆ 医薬品開発(システム系)

「医学データ解析における64bit版SASの有効性の検討
   −Itaniumプラットフォーム(IA-64)を軸にして−」
  ※ Student Session
発表者: 東京大学大学院 医学系研究科 生物統計学 健康科学・看護学専攻 土居主尚
共同発表者: 東京大学大学院 医学系研究科 生物統計学 山口拓洋

医学研究における64bit版のSASの有効性を従来の32bit版のSASとの比較を通して示す。

「SAS - Microsoft Word間の自動化処理による出力の加工・整形」
発表者: アストラゼネカ株式会社 臨床統計・プログラミング部 田村洋介

Windows版SASをクライアントとして、アプリケーション間連携を行う場合、単純な場合であれば、DDE/OLEを利用することなく、XコマンドとVBSを組み合わせることで実現可能である。

「電子カルテとEDCシステムとの連携システムの開発と導入事例」
発表者: 静岡県立静岡がんセンター 臨床試験支援室 齋藤裕子
共同発表者: 静岡県立静岡がんセンター 朴成和

電子カルテとEDCシステムを連携させるシステムを開発した。開発にあたり特に考慮したことは汎用性とセキュリティであり、電子カルテへ保存する際にはHL7、電子CRFとして出力する際にはCDISC形式とした。

「SASによる統計解析を意識したEDC構築」
発表者: 株式会社ACRONET 開発本部 DM・統計解析部 小出起美雅
共同発表者: 株式会社ACRONET 開発本部 クライアントサポート部 冨田大祐
                     株式会社ACRONET 開発本部 臨床システム部 関根靖高
                     株式会社ACRONET 開発本部 DM・統計解析部 林行和、山口孝一

EDCシステムの構築時にSASによる統計解析を意識する事により効率的かつ正確なデータの変換を行うことができ、これにより試験全体の質の向上に寄与することができると考え、その具体例を紹介する。

「XMLを用いた統計解析結果出力標準化の試案」
発表者:  株式会社シーエーシー システムビジネスユニット 医薬第二センター 武安雅史
共同発表者: 株式会社シーエーシー システムビジネスユニット 医薬第二センター 三郎丸清

臨床解析業務での統計解析結果の出力プロセスでは、個々の出力形式に合わせたSASプログラム作成が余儀なくされる状況が多く標準化には限界がある。そこで、XMLを利用した出力プロセスの標準化を試みた。

◆ 医薬品開発(解析系)

「トリム平均を利用した統計解析  ブートストラップ法による線型モデルの適用」
発表者: イーピーエス株式会社 統計解析部 堺伸也
共同発表者:  三共株式会社 臨床解析部 小山暢之
                      イーピーエス株式会社 統計解析部 井上貴博、幸坂美樹、松山千恵、山田剛久

トリム平均を利用した統計解析手法の一つとして、トリム平均に対応した線型モデルの解をブートストラップ法で推定するマクロの作成を行った。

「nestedケース・コントロールデザインにおける擬似尤度によるパラメータ推定」
発表者: 東京大学大学院 医学系研究科 疫学・予防保健学/日本臨床腫瘍研究グループ データセンター 口羽文
共同発表者: 東京大学大学院 医学系研究科 疫学・予防保健学/国立がんセンター がん予防・検診研究センター/日本臨床腫瘍研究グループ データセンター 吉村健一

観察研究でしばしば用いられるnestedケース・コントロールデザインに対してより効率に優れる擬似尤度に基づくハザード比推定量を得るためのマクロを新たに作成した結果を報告する。

「NLMIXEDプロシジャによるbreakpoint指数分布のあてはめ」   ※ Student Session
発表者: 東京理科大学 大学院 工学研究科 浅野淳一
共同発表者: 東京理科大学 工学部 経営工学科 浜田知久馬

治療後に治癒や長期生存者が存在するデータに即した生存時間分布としてbreakpoint指数分布を提案する。そしてパラメータを推定するプログラムをNLMIXEDプロシジャにより作成し、実例に適用した。

「生存時間データにおける予測力の指標 〜 時間依存性ROC曲線法 〜」  ※ Student Session
発表者: 東京大学大学院 医学系研究科 疫学・生物統計学 徳田洋介
共同発表者: 東京大学大学院 医学系研究科 疫学・生物統計学 伊藤陽一

生存時間解析における予測力の指標として新たに提案されている時間依存性ROC曲線法の解析プログラムと実データにおける解析結果を報告する。

「POWERプロシジャを用いた生存時間解析における症例数設定方法の統計学的一考察」
発表者: 興和株式会社 医薬事業部 臨床解析部 統計解析課 中西豊支
共同発表者: 興和株式会社 医薬事業部 臨床解析部 統計解析課 五所正彦、菅波秀規

生存時間解析においてPOWERプロシジャとnQueryは異なる症例数を与える。本発表では両者の違いについて検討を行う。

◆ 調査・マーケティング

「行政施策評価へのコンジョイント分析適用の可能性と課題」  ※ Student Session
発表者: 兵庫県立大学大学院 応用情報科学研究科 修士課程2年 田中洋平
共同発表者: 兵庫県立大学 有馬昌宏、川向肇、加藤雅宣、黒田佳代

住民参加のまちづくりには地域住民の行政サービスに対する選好構造を把握することが必要となる。本研究では、質問紙法での住民意識調査によるデータ収集とJMPを活用したコンジョイント分析の可能性を検証した。

「JMPによるコンジョイント分析と住民意識調査への応用
  −JSLスクリプトを利用したコンジョイント分析の実装化−」
発表者: 兵庫県立大学 有馬昌宏
共同発表者: 兵庫県立大学 天津重信、川向肇

約2万の一般住民サンプルを対象にした行政サービスに関する意識調査データを用いたコンジョイント分析の適用事例を紹介するとともに、JMPスクリプトのみを用いたコンジョイント分析の実装法を紹介する。

「製薬企業の営業力分析   − SFE (Sales Force Effectiveness) のアプローチによる −」
発表者: ITBPO株式会社 主席研究員 武藤猛

製薬企業においては、製品開発力と並んで、営業力の強化が重要である。マクロおよびミクロな視点から、営業力の構造分析を行った。この結果は、売上を伸ばすために最も有効な施策を選定する上で有用である。

「消費者の製品関与と考慮集合」
発表者:  株式会社インターナショナル・クリエイティブ・マーケティング プロダクショングループ 松沢利繁
共同発表者: 株式会社日本アルトマーク 統計解析部 河崎一益

消費者の関与度の違いがどのように消費者の購買行動に影響を与えるのかを探るために、関与度の違いによって考慮集合がどのように異なるのかを解明する事を目的として研究を行った。

「FACTOR、CALISプロシジャによる『ひったくり発生マップ』が防犯行動に与える影響の分析」
発表者: 千葉県市川市 道路交通部道路管理課 大場亨

Webで公開されている犯罪発生地図の効果を探るため、アンケート調査を実施した。構造方程式モデリング及び共分散構造分析により、犯罪発生地図の防犯行動への心理的影響度合を定量的に明らかにした。

「学力低下に関する全国大学教員アンケートの分析 − JMPを用いた教員所属専攻別の分析」
発表者: 高知大学 医学部 岩堀淳一郎

教員の選択肢回答を数値化し、所属別に平均したものをもとに、どのような専攻で学力低下が深刻と思われているか調べた。必要な高校教科、必要な資質、具備資質、必要なスキルについて専攻のクラスター分析を行った。

「歌舞伎公演演目の多変量解析   − 「安宅の関」は「またかの関」? −」
発表者: 財団法人 統計情報研究開発センター 坂部裕美子

主要な劇場における戦後歌舞伎公演の演目を、多変量解析の手法を用いて分類、集計する。いくつかの著名な演目については、その上演傾向を統計学的に分析してみる。

◆ 経営・経済

LOHAS市場の拡大は日本経済の牽引役となるか?
   〜 ジョイントセグメンテーションを用いたLOHAS因子の探索法と
        NLPプロシージャを用いたパラメータ推定法の提案 〜
発表者: 一橋大学 経済研究所 坂巻英一
共同発表者: GMOリサーチ株式会社 代表取締役社長 細川慎一

近年自分自身の健康を重視しつつも、持続可能な社会の実現を心がけるLOHASという生活スタイルが注目されており、GMOリサーチ(株)のご協力のもと収集されたデータから、LOHAS層の実態を探る。

「リテール金融工学の発展」
発表者: 三菱東京UFJ銀行 中小企業部 小野潔

リテール金融工学は、マイニング技術により分類したリテール顧客や中小企業を、金融工学の観点(信用リスク、顧客層の移動遷移、生存時間等)から分析を試みる。本稿は現状までの成果と課題を報告する。

◆ 教育

「テュートリアル教育(情報科学演習)における学習行動の類似性に関する定量分析」
発表者: 島根大学 医学部 医療情報学講座 安田晃
共同発表者:  島根大学 医学部 医療情報学講座 平野章二、阿部秀尚、津本周作
                      島根大学 医学部付属病院 医療情報部 中國秀章、花田英輔

学生の学習態度の潜在性を、自記させた評価シートから多次元尺度構成法、クラスタ分析によって定量的に分析した。各年度とも身近な成果を得る傾向が強く、大局的な学習行動は行われにくいことがわかった。

「SASを使った数値計算・統計処理教育プログラム」
発表者: 京都情報大学院大学 作花一志
共同発表者: 京都情報大学院大学 南野公彦

数値計算・統計解析・多変量解析の数学的基礎を学ぶためのSASプロシージャを用いた教材とSASの天文学への応用例を紹介・報告する。
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