Fisherのz変換による相関係数の検定におけるp値

[OS] ALL
[リリース] SAS 9.1 以降
[キーワード] CORR, FISHER, z-transformation, bias

[質問]

SAS 9.1のCORRプロシジャを使用して、Fisherのz変換に基づく相関係数の検定を行なったところ、書籍に書いてある結果とp値が少し異なるようです。これはなぜでしょうか。

[回答]

CORRプロシジャでは、p値を計算するときに「バイアス」の補正が常に行なわれます。

帰無仮説をexp1としたもとでの検定では、確率変数

exp2

は平均が0、分散が1/(n-3)である正規分布に漸近的に従うという、より精密な結果を利用してp値を計算しています。
ここでnはオブザベーション数、またexp3は標本相関係数rに対して、exp4exp5に対してFisherのz変換を施した数値です。

exp6の項が前記のバイアスの修正項にあたり、多くの書籍ではこの項は省略されて計算しています。
そのため、特にnがそれほど大きくない場合には、p値の違いが大きくなる可能性があります。