THIRD-PARTY SOFTWARE REFERENCE

その他のJava Runtime Environmentまたは、Java Development Kitを使用したSAS 9.3(TS1M0以降) の構成

このドキュメントは、最初のインストールおよび構成プロセス中に使用したJava Runtime Environment(JRE)またはJava Development Kit(JDK)とは異なるJREもしくはJDKをSAS 9.3のプロダクトと実行できるようにするための設定手順について、記載しています。

サポートしているJREとJDKのバージョン

SAS 9.3で使用するJREとJDKの最小限必要なバージョンは、次のページから参照できます。

注意

  • 32-bit版のJREがSAS® FoundationとSASデスクトップアプリケーションで必要です。
  • 64-bit版のJDKがSASミドル層アプリケーションで必要です。

    SAS® 9.3 Fontsのインストール

    SAS 9.3は、高品質な印刷とさまざまなプラットフォームでフォントを表示するためTrueTypeフォントを使用します。 SAS 9.3のインストールと構成の際、必要なJava Runtime EnvironmentのためにTrueTypeフォントがインストールされます。 SAS 9.3をその他のJREを使用するように構成した場合、これらのTrueTypeフォントを新しいJREのためにコピーまたは移動する必要があります。

    TrueTypeフォントを別のJREのために移動するには:

    1. SAS 9.3に構成されたオリジナルのJREの場所に移動します。 UNIXのデフォルトのJREの場所は、SASHOME/jre-installed-version/lib/fontsディレクトリの下です。 SASHOME は、SAS 9.3のインストールされたルートディレクトリです。
    2. JREのfontsディレクトリを開きます。 このディレクトリは、libディレクトリの下にあります。 UNIXでは、デフォルトの場所は、SASHOME/jre-installed-version/lib/fontsです。
    3. オリジナルのJREの fontsディレクトリから新しいJREの fontsディレクトリへ、すべてのSAS TrueTypeフォントをコピーまたは、移動します。 現在、fontsディレクトリでは、40以上のSAS TrueTypeフォントが利用可能です。 インストールされているSAS TrueTypeフォントには、同一のタイムスタンプがあります。

    注意: この手順は、Windows実行環境では不要です。 Windowsにおいて、JREはシステムフォントの格納場所からフォントをロードします。

    SAS® Foundationソフトウェア

    SAS Foundationは、Java Native Libraryを使用します。 このNative Libraryへのパスは、JREに含まれています。 SAS Foundationで使用されるライブラリパスは、SAS 9.3インストールディレクトリにある、sasenvファイルで定義されています。

    UNIX実行環境

    UNIXでは、SASセッションのJAVA_HOME環境変数を使用する別のJREへのパスを含むように変更する必要があります。 SASセッション中に設定したJAVA_HOMEは、SASHOME/SASFoundation/9.3/binディレクトリにあるsasenvファイルに定義されています。

    JAVA_HOME環境変数を変更して、使用する別のJREのネイティブライブラリを含むものを指定するようにします。 これにより、使用しているオペレーティングシステムのLIBPATHまたは、LD_LIBRARY_PATH変数がJAVA_HOMEから正確なパスを取得できるようになります。

    Java 6の例

    • SolarisおよびLinux:
      JAVA_HOME=/usr/local/sas/SASHome/jre1.6.0_31
      export JAVA_HOME
    • AIX:
      JAVA_HOME=/usr/local/SASHome/jrel.6_SR8_FP1+IZ77436

    Java 7の例

    • SolarisおよびLinux:
      JAVA_HOME=/usr/local/SASHome/jre-7u15
      export JAVA_HOME
    • AIX:
      JAVA_HOME=/usr/local/SASHome/jre7.0.0.60_R3

    Windows実行環境

    Windowsでは、別のJREへのパスをSASシステムオプション(JREOPTIONS=)へ追加します。このオプションは、sasroot\nls\language\sasv9.cfgの構成ファイルにあります。 このSASオプションは、SASがJava仮想マシン(JVM:Java Virtual Machine)を起動する際に使用する、すべてのJavaオプションを含みます。 -Dsas.jre.libjvmプロパティは、JVMが使用するための共有ライブラリを特定します。 次の例は、Windows環境でのデフォルトのJREOPTIONS=属性(attribute) です。

    注意: すべてのJREOPTIONS=パラメータは一行で設定する必要があります。 しかし、読みやすくするために、下記の例ではパラメータを複数行に改行して表示しています。ご注意ください。

    -JREOPTIONS=(
      -Dsas.jre.libjvm=C:\PROGRA~2\Java\jre-installed-version\bin\client\jvm.dll
      -Djava.security.policy=!SASROOT\core\sasmisc\sas.policy
      -Dsas.ext.config=!SASROOT\core\sasmisc\sas.java.ext.config
      -Dsas.app.class.path=C:\PROGRA~1\SAS\SASVER~1\9.3\eclipse\plugins\TKJAVA~1.000\tkjava.jar
      -DPFS_TEMPLATE=!SASROOT\core\sasmisc\qrpfstpt.xml
      -Djava.class.path=C:\PROGRA~1\SAS\SASVER~1\9.3\eclipse\plugins\SASLAU~1.000\SASLAU~1.JAR
      -Djava.system.class.loader=com.sas.app.AppClassLoader
      -Djava.security.auth.login.config=!SASROOT\core\sasmisc\sas.login.config
      -Dtkj.app.launch.config=!SASROOT\picklist )

    別のJREを使用するようにSAS Foundationを変更するには、-Dsas.jre.libjvmプロパティ(上記の例で太字の部分)を次のように変更する必要があります。

    Java 6の例

    -Dsas.jre.libjvm=C:\PROGRA~2\Java\JRE16~1.0_3\bin\client\jvm.dll

    Java 7の例

    • Windows(64-bit版):
    • -Dsas.jre.libjvm=C:\PROGRA~2\Java\jre7\bin\client\jvm.dll
    • Windows(32-bit版):
    • -Dsas.jre.libjvm=C:\PROGRA~1\Java\jre7\bin\client\jvm.dll

    Standard SAS Application Launcherの再構成

    多くのSASアプリケーションおよびリッチクライアントは、SAS Application Launcherによって起動されます。 デフォルトでは、SAS Application LauncherのJREの場所は、sassw.configファイルのJREHOME=変数で定義されます。このファイルは、たとえばC:\Program Files\SASHome\sassw.configのようなパスのディレクトリにあります。 SAS Javaアプリケーションの大部分は、このファイルを編集することでその他のJREを使用するように再構成することができます。 次の場所のファイルにあるJREHOME=変数を変更することで、実行することも可能です。

    [properties]
    JREHOME=C:\Program Files\Java\jre-installed-version\bin\java
    SASHOME=C:\Program Files\SASHome
    DPLMTREGLOC=C:\Program Files\SASHome\deploymentreg
    VJRHOMVJRHOME=C:\Program Files\SASHome\SASVersionedJarRespository\9.3

    別のJREを使用するためにこのファイルを変更するには、JREHOME=変数を次のように変更します。

    Java 6の例

    JREHOME=C:\Program Files(x86)\Java\jre1.6.0_31\bin\java

    Java 7の例

    • Windows x64:
    • JREHOME=C:\Program Files(x86)\Java\jre1.7.0_15\bin\java
    • Windows(32-bit版):
    • JREHOME=C:\Program Files(x86)\Java\jre1.7.0_15\bin\java

    注意: 32-bitのJREが必要です。 64-bit版オペレーティングシステムを所持している場合、32-bit版のJavaアプリケーションは、C:\Program Files(x86)\Javaディレクトリにインストールされます。

    SAS Rich-Client Platform Applicationsの再構成

    Eclipse Rich Client Platformに基にしたSAS 9.3クライアントアプリケーションは、.ini ファイルを編集することでその他のJREを使用するように再構成することができます。 このファイルは、アプリケーションと同じディレクトリにあります。 たとえば、SAS® Data Integration Studio(distudio.exe)のJREをアップデートするには、distudio.exeと同じディレクトリにあるdistudio.iniファイルを編集します。 この.iniファイルで、-vm引数を使用する他のJREのパスに変更します。

    JRE 6, Update 29 の例:

    -vm
    C:\Program Files(x86)\jre1.6.0_31\bin\java

    JRE 7, Update 15 の例:

    -vm
    C:\Program Files(x86)\Java\jre1.7.0_15\bin\java

    注意:-vm パラメータとパスは別々の行で、-vmargsのエントリよりも前に記述する必要があります。 .ini ファイルの構造に関する詳細は、Eclipsepedia(Eclipse.ini)のWebページを参照してください。 Eclipse Runtimeオプションの詳細は、Eclipse runtime optionsWebページを参照してください。

    SAS 9.3 Remote Servicesの再構成

    SAS Remote Servicesは、JREまたはJDKのいずれかが必要です。 これらのサーバーは、次の例のように設定することで別のJREやJDKを使用するように再構成できます。

    UNIX実行環境

    UNIXでは、SAS-configuration-directory/Levn/ にある、level_env.shスクリプトファイルには、JAVA_JRE_COMMAND= とJDK_HOMEの2つの変数が含まれています。 下記の例のように、これらの変数に使用するJREまたはJDKのパスを設定します。

    Java 6の例

    • SolarisおよびLinux:
      JAVA_JRE_COMMAND=/usr/local/sas/SASHome/jre1.6.031/bin/java

      JDK_HOME=/usr/local/java/jdk1.6.0_31_x64
    • AIX:
      JAVA_JRE_COMMAND=/usr/local/SASHome/jre1.6_SR8_FP1+1Z77436/bin/java

      JDK_HOME=/usr/java6_64

    Java 7の例

    • SolarisおよびLinux:
      JAVA_JRE_COMMAND=/usr/local/SASHome/jre-7u15/bin/java

      JDK_HOME=/usr/local/java/jdk1.7.0_15_x64
    • AIX:
      JAVA_JRE_COMMAND=/usr/local/SASHome/jre7.0.0.60_R3/bin/java

      JDK_HOME=/usr/java7_64

    Windows実行環境

    Windowsでは、SAS-configuration-directory\Levn\にある、level_env.shスクリプトファイルには、JAVA_JRE_COMMAND= とJDK_HOMEの2つの変数が含まれています。 これらの変数の値を。使用する別のJREまたは、JDKのパスに変更してください。

    Java 6の例

    JAVA_JRE_COMMAND=C:\Program Files(x86)\Java\jdk1.6.0_31\jre\bin\java

    JDK_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_31

    Java 7の例

    set JAVA_JRE_COMMAND=C:\Program Files(x86)\Java\jrel.7.0_15\bin\java

    set JDK_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.7.0_15

    Java Development KitsおよびJava Application Servers

    SAS 9.3 Business Intelligence(BI)および、Enterprise BIソリューションは、WebアプリケーションサーバーとJava Development Kit(JDK)のインストールが必要です。 SASは、Java Development Kitを出荷しません。 最初のSASのインストールを開始する前に、必要なJDKのダウンロードとインストールを完了してください。 異なるJDKを使用するには、SASとWebアプリケーションサーバーを再構成する必要があります。 次のセクションでは、UNIX版とWindows版の両方の環境下で特定のWebアプリケーションサーバーでJDKのバージョンを変更する手順を記載します。

    UNIX環境でのJBoss Application Server

    UNIX上のJBossは、必要なJDKの場所を2つのスクリプトファイルに保存します。

    • JBoss-home-directory/bin/SASServer1.sh: このパスのJBoss-home-directory は、JBossインストールのrootレベルディレクトリを指定します。
    • SAS-configuration-directory/level_env.sh: このパスのSAS-configuration-directory は、SAS構成のrootレベルディレクトリです。

    JAVA_HOMEとJDK_HOME変数を、必要なJDKのパスを含むように設定します。下記の例を参照してください。

    SASServer1.sh スクリプトにて

    JAVA_HOME=/data/jdk1.6.0_31

    level_env.sh スクリプトにて

    JDK_HOME=/data/jdk1.6.0_31

    Windows環境でのJBoss Application Server

    SASはJBossアプリケーションサーバーをWindowsサービスとしてインストールするため、Tanuki SoftwareのJava Service Wrapperを使用します。 Tanuki Wrapperは、Java実行ファイルとJDKのtools.jarファイルの場所を特定するためにwrapper.confという構成ファイルを使用します。 JBossがサービスとして実行するように設定されている場合、別のJDKへのパスはこの例にあるように、JBoss-home-directory\server\SASServer1\wrapper.confに設定します。 tools.jarファイルは、C:\Program Files\Java\jdk-installed-version\libにあります。

    REM in C:\jboss-5.1.0.GA\server\SASServer1\wrapper.conf
              wrapper.java.command=C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_31
              \bin\java

    REM also set the location of tools.jar
       wrapper.java.classpath.2=C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_31
       \lib\tools.jar

    JBossがサービスとして実行するように設定されていない場合、JBossの構成を編集する必要があります。 Windows上のJBossは、使用する別のJDKの場所を2つのバッチファイルに保存します。

    • JBoss-home-directory\bin\SASServer1.bat: このパスのJBoss-home-directory は、JBossのrootレベルディレクトリを指定します。
    • SAS-configuration-directory\level_env.bat: このパスのSAS-configuration-directory は、SAS構成のrootレベルディレクトリです。

    JAVA_HOMEとJDK_HOME変数に使用する別のJDKのパスを(それぞれが対応するファイルで)設定します。次の例を参照してください。

       REM Located in file C:\jboss-5.1.0.GA\bin\SASServer1.bat
    SET JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_31

       REM in file C:\SAS\Config\Lev1\level_env.bat
    SET JDK_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_31

    UNIX環境でのOracle WebLogic

    UNIX上のWebLogicは、必要なJDKの場所を2つのスクリプトファイルに保存します。

    • SAS-configuration-directory/Levn/Web/SASDomain/bin/setDomainEnv.sh
    • SAS-configuration-directory/Levn/Web/SASDomain/bin/commEnvSAS.sh

    上記のどちらのファイルにおいても、下記の例のようにJAVA_HOME変数に使用する別のJDKのパスを指定します。

    JAVA_HOME=/data/jdk1.6.0_31

    Windows環境でのOracle WebLogic

    Windows上のWebLogicは、必要なJDKの場所を2つのスクリプトファイルに保存します。

    • SAS-configuration-directory/Levn/Web/SASDomain/bin/setDomainEnv.cmd
    • SAS-configuration-directory/Levn/Web/SASDomain/bin/commEnvSAS.cmd

    上記のどちらのファイルにおいても、JAVA_HOME変数に使用する別のJDKのパスを指定します。

    SET JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_31

    注意:WebLogic Node Managerは、Windowsプラットフォーム上にサービスとして実行するようにインストールすることができます。 サービスは、WebLogicがインストール時に構成したJDKを使用するように構成されます。 他のJDKで実行するように構成したWebLogicがあり、WebLogic Node Managerをサービスとして実行している場合、次の手順を実行して構成の変更を伴うサービスを再インストールする必要があります。

    1. Oracle WebLogic Node Manger Serviceを停止します。
    2. 次のコマンドをWindowsプロンプトで実行して、サービスをアンインストールします。

      SAS-configuration-directory\Levn\Web\SASDomain\bin\uninstallNodeMgrSvc.cmd
    3. それから、次のコマンドファイルを実行します。

      SAS-configuration-directory\Levn\Web\SASDomain\bin\installNodeMgrSvc.cmd

      このコマンドは、SAS-configuration-directory\Levn\Web\SASDomain\bin\comEnvSAS.cmdと、SAS-configuration-diretory\Levn\Web\SASDomain\bin\setDomainEnv.cmdに指定されているJDKを使用して、WebLogic Node Manager Serviceをインストールします。

    IBM WebSphere

    WebSphere構成は、必要なJDKと共にインストールされます。