このドキュメントは、最初のインストールおよび構成プロセス中に使用したJava Runtime Environment(JRE)またはJava Development Kit(JDK)とは異なるJREもしくはJDKをSAS 9.3のプロダクトと実行できるようにするための設定手順について、記載しています。
SAS 9.3で使用するJREとJDKの最小限必要なバージョンは、次のページから参照できます。
注意
SAS 9.3は、高品質な印刷とさまざまなプラットフォームでフォントを表示するためTrueTypeフォントを使用します。 SAS 9.3のインストールと構成の際、必要なJava Runtime EnvironmentのためにTrueTypeフォントがインストールされます。 SAS 9.3をその他のJREを使用するように構成した場合、これらのTrueTypeフォントを新しいJREのためにコピーまたは移動する必要があります。
TrueTypeフォントを別のJREのために移動するには:
注意: この手順は、Windows実行環境では不要です。 Windowsにおいて、JREはシステムフォントの格納場所からフォントをロードします。
SAS Foundationは、Java Native Libraryを使用します。 このNative Libraryへのパスは、JREに含まれています。 SAS Foundationで使用されるライブラリパスは、SAS 9.3インストールディレクトリにある、sasenvファイルで定義されています。
UNIXでは、SASセッションのJAVA_HOME環境変数を使用する別のJREへのパスを含むように変更する必要があります。 SASセッション中に設定したJAVA_HOMEは、SASHOME/SASFoundation/9.3/binディレクトリにあるsasenvファイルに定義されています。
JAVA_HOME環境変数を変更して、使用する別のJREのネイティブライブラリを含むものを指定するようにします。 これにより、使用しているオペレーティングシステムのLIBPATHまたは、LD_LIBRARY_PATH変数がJAVA_HOMEから正確なパスを取得できるようになります。
Java 6の例
Java 7の例
Windowsでは、別のJREへのパスをSASシステムオプション(JREOPTIONS=)へ追加します。このオプションは、sasroot\nls\language\sasv9.cfgの構成ファイルにあります。 このSASオプションは、SASがJava仮想マシン(JVM:Java Virtual Machine)を起動する際に使用する、すべてのJavaオプションを含みます。 -Dsas.jre.libjvmプロパティは、JVMが使用するための共有ライブラリを特定します。 次の例は、Windows環境でのデフォルトのJREOPTIONS=属性(attribute) です。
注意: すべてのJREOPTIONS=パラメータは一行で設定する必要があります。 しかし、読みやすくするために、下記の例ではパラメータを複数行に改行して表示しています。ご注意ください。
別のJREを使用するようにSAS Foundationを変更するには、-Dsas.jre.libjvmプロパティ(上記の例で太字の部分)を次のように変更する必要があります。
Java 6の例
Java 7の例
多くのSASアプリケーションおよびリッチクライアントは、SAS Application Launcherによって起動されます。 デフォルトでは、SAS Application LauncherのJREの場所は、sassw.configファイルのJREHOME=変数で定義されます。このファイルは、たとえばC:\Program Files\SASHome\sassw.configのようなパスのディレクトリにあります。 SAS Javaアプリケーションの大部分は、このファイルを編集することでその他のJREを使用するように再構成することができます。 次の場所のファイルにあるJREHOME=変数を変更することで、実行することも可能です。
別のJREを使用するためにこのファイルを変更するには、JREHOME=変数を次のように変更します。
Java 6の例
Java 7の例
注意: 32-bitのJREが必要です。 64-bit版オペレーティングシステムを所持している場合、32-bit版のJavaアプリケーションは、C:\Program Files(x86)\Javaディレクトリにインストールされます。
Eclipse Rich Client Platformに基にしたSAS 9.3クライアントアプリケーションは、.ini ファイルを編集することでその他のJREを使用するように再構成することができます。 このファイルは、アプリケーションと同じディレクトリにあります。 たとえば、SAS® Data Integration Studio(distudio.exe)のJREをアップデートするには、distudio.exeと同じディレクトリにあるdistudio.iniファイルを編集します。 この.iniファイルで、-vm引数を使用する他のJREのパスに変更します。
JRE 6, Update 29 の例:
JRE 7, Update 15 の例:
注意:-vm パラメータとパスは別々の行で、-vmargsのエントリよりも前に記述する必要があります。 .ini ファイルの構造に関する詳細は、Eclipsepedia(Eclipse.ini)のWebページを参照してください。 Eclipse Runtimeオプションの詳細は、Eclipse runtime optionsWebページを参照してください。
SAS Remote Servicesは、JREまたはJDKのいずれかが必要です。 これらのサーバーは、次の例のように設定することで別のJREやJDKを使用するように再構成できます。
UNIXでは、SAS-configuration-directory/Levn/ にある、level_env.shスクリプトファイルには、JAVA_JRE_COMMAND= とJDK_HOMEの2つの変数が含まれています。 下記の例のように、これらの変数に使用するJREまたはJDKのパスを設定します。
Java 6の例
Java 7の例
Windowsでは、SAS-configuration-directory\Levn\にある、level_env.shスクリプトファイルには、JAVA_JRE_COMMAND= とJDK_HOMEの2つの変数が含まれています。 これらの変数の値を。使用する別のJREまたは、JDKのパスに変更してください。
Java 6の例
Java 7の例
SAS 9.3 Business Intelligence(BI)および、Enterprise BIソリューションは、WebアプリケーションサーバーとJava Development Kit(JDK)のインストールが必要です。 SASは、Java Development Kitを出荷しません。 最初のSASのインストールを開始する前に、必要なJDKのダウンロードとインストールを完了してください。 異なるJDKを使用するには、SASとWebアプリケーションサーバーを再構成する必要があります。 次のセクションでは、UNIX版とWindows版の両方の環境下で特定のWebアプリケーションサーバーでJDKのバージョンを変更する手順を記載します。
UNIX上のJBossは、必要なJDKの場所を2つのスクリプトファイルに保存します。
JAVA_HOMEとJDK_HOME変数を、必要なJDKのパスを含むように設定します。下記の例を参照してください。
SASServer1.sh スクリプトにて:
level_env.sh スクリプトにて:
SASはJBossアプリケーションサーバーをWindowsサービスとしてインストールするため、Tanuki SoftwareのJava Service Wrapperを使用します。 Tanuki Wrapperは、Java実行ファイルとJDKのtools.jarファイルの場所を特定するためにwrapper.confという構成ファイルを使用します。 JBossがサービスとして実行するように設定されている場合、別のJDKへのパスはこの例にあるように、JBoss-home-directory\server\SASServer1\wrapper.confに設定します。 tools.jarファイルは、C:\Program Files\Java\jdk-installed-version\libにあります。
JBossがサービスとして実行するように設定されていない場合、JBossの構成を編集する必要があります。 Windows上のJBossは、使用する別のJDKの場所を2つのバッチファイルに保存します。
JAVA_HOMEとJDK_HOME変数に使用する別のJDKのパスを(それぞれが対応するファイルで)設定します。次の例を参照してください。
UNIX上のWebLogicは、必要なJDKの場所を2つのスクリプトファイルに保存します。
上記のどちらのファイルにおいても、下記の例のようにJAVA_HOME変数に使用する別のJDKのパスを指定します。
Windows上のWebLogicは、必要なJDKの場所を2つのスクリプトファイルに保存します。
上記のどちらのファイルにおいても、JAVA_HOME変数に使用する別のJDKのパスを指定します。
注意:WebLogic Node Managerは、Windowsプラットフォーム上にサービスとして実行するようにインストールすることができます。 サービスは、WebLogicがインストール時に構成したJDKを使用するように構成されます。 他のJDKで実行するように構成したWebLogicがあり、WebLogic Node Managerをサービスとして実行している場合、次の手順を実行して構成の変更を伴うサービスを再インストールする必要があります。
このコマンドは、SAS-configuration-directory\Levn\Web\SASDomain\bin\comEnvSAS.cmdと、SAS-configuration-diretory\Levn\Web\SASDomain\bin\setDomainEnv.cmdに指定されているJDKを使用して、WebLogic Node Manager Serviceをインストールします。
WebSphere構成は、必要なJDKと共にインストールされます。