その他のJava Runtime Environmentまたは、Java Development Kitを使用したSAS 9.2の構成

このドキュメントは、インストールおよび構成プロセス中に使用した、Java Runtime Environment(JRE)またはJava Development Kit(JDK)とは異なるJREもしくはJDKをSAS 9.2のプロダクトと実行できるように設定する場合に必要な手順について、記載しています。

SAS 9.2 Fontsのインストール

SAS 9.2は、高品質な印刷とさまざまなプラットフォームでフォントを表示するためTrueTypeフォントを使用します。 SAS 9.2のインストールと構成の際、必要なJava Runtime EnvironmentのためにTrueTypeフォントがインストールされます。 SAS 9.2をその他のJREを使用するように構成した場合、これらのTrueTypeフォントを新しいJREのためにインストールする必要があります。

次の手順に従ってSASがインストールしたTrueTypeフォントを移動してください。

  1. SAS 9.2に構成されたオリジナルのJREの場所に移動します。 下記の例では、Microsoft Windows環境にインストールした場合のデフォルトの場所を記載します。

    C:\Program Files\Java\jre1.5.0_12

    UNIX環境のインストール時のJREの標準のインストール場所は、$SASHOMEディレクトリの下です。 $SASHOMEディレクトリは、SAS 9.2のインストールが実行される場所のrootディレクトリです。

  2. JREのfontsディレクトリを開きます。 fontsディレクトリは、JREのlibディレクトリの下にあります。 下記の例では、Microsoft Windows環境にインストールした場合のデフォルトの場所を記載します。

    C:\Program Files\Java\jre1.5.0_12\lib\fonts

  3. オリジナルのJREの fontsディレクトリから新しいJREの fontsディレクトリへ、すべてのSAS TrueTypeフォントをコピーまたは、移動します。 この説明を書いている時点で、JREのfontsディレクトリには、40種類のSAS TrueTypeフォントがあります。 インストールされているSAS TrueTypeフォントには、同一のタイムスタンプがあります。

SAS Foundation

SAS Foundationは、Java Native Libraryを使用します。 このネイティブライブラリは、JREに含まれています。

UNIX

使用するその他のJREのネイティブライブラリの場所を含むように、UNIXマシン上のライブラリパスを変更する必要があります。 SAS Foundatioで使用されるライブラリパスは、SAS 9.2インストールディレクトリにある、sasenvファイルで定義されています。 環境変数JAVA_HOMEは、sasenvファイルで定義されます。

# in /usr/local/SAS_9.2_INSTALL/SASFoundation/9.2/bin/sasenv
JAVA_HOME=/data/SAS_9.2_INSTALL/jre1.5_SR5/jre
export JAVA_HOME

LIBPATH=$JAVA_HOME/bin:$JAVA_HOME/bin/j9vm:$SAS_INSTALL_ROOT/sasexe:$LIBPATH
export LIBPATH

JAVA_HOMEを変更して、使用する別のJREのネイティブライブラリを含むようにライブラリパスをアップデートしてください。

# in /usr/local/SAS_9.2_INSTALL/SASFoundation/9.2/bin/sasenv
JAVA_HOME=/data/SAS_9.2_INSTALL/jre1.5_SR6b/jre
export JAVA_HOME

Windows

SAS FoundationのJREの設定は、JREOPTIONSSASオプションによって、管理されています。 このSASオプションは、SASがJava仮想マシン(JVM:Java Virtual Machine)を起動する際に使用する、すべてのJavaオプションを含みます。 -Dsas.jre.libjvmプロパティは、JVMが使用するための共有ライブラリを特定します。 次の例は、Windows環境でのデフォルトのJREOPTIONS です。 この例は読みやすいように複数行に分けて表示していますが、SAS構成ファイルの中では、 JREOPTIONSは、1行で記述する必要があります。

-JREOPTIONS=(
  -Dsas.jre.libjvm=C:\Program Files\Java\jre1.5.0_12\bin\client\jvm.dll
  -Djava.security.policy=!SASROOT\core\sasmisc\sas.policy
  -Dsas.ext.config=!SASROOT\core\sasmisc\sas.java.ext.config
  -Dsas.app.class.path=C:\PROGRA~1\SAS\SASVER~1\9.2\eclipse\plugins\TKJAVA~1.000\tkjava.jar
  -DPFS_TEMPLATE=!SASROOT\core\sasmisc\qrpfstpt.xml
  -Djava.class.path=C:\PROGRA~1\SAS\SASVER~1\9.2\eclipse\plugins\SASLAU~1.000\SASLAU~1.JAR
  -Djava.system.class.loader=com.sas.app.AppClassLoader
  -Djava.security.auth.login.config=!SASROOT\core\sasmisc\sas.login.config
  -Dtkj.app.launch.config=!SASROOT\picklist )

SAS FoundationがJava 5 update 15を使用するように変更するには、はじめのオプションを次のように変更します。

-Dsas.jre.libjvm=C:\Program Files\Java\jre1.5.0_15\bin\client\jvm.dll

Windows環境で、この構成ファイルは!SASROOT\nls\LANG\SASV9.CFGにあります。

Standard SAS Application Launcherの再構成

多くのSASアプリケーションおよびリッチクライアントは、SAS Application Launcherによって起動されます。 これらのアプリケーションは、プロダクトディレクトリの product.ini ファイルで設定されています。 SAS 9.2では、トップレベルの構成ファイルsassw.configが導入されました。 このファイルは、たとえばC:\Program Files\SAS\sassw.configにあります。 デフォルトで、JREの場所はこのファイルのJREHOMEプロパティとして指定されています。 SAS Javaアプリケーションの大部分は、このファイルを編集することでその他のJREを使用するように再構成することができます。 次のWindows環境の例を参照してください:

[properties]
JREHOME=C:\Program Files\Java\jre1.5.0_12\bin\java.exe
SASHOME=C:\Program Files\SAS
DPLMTREGLOC=C:\Program Files\SAS\deploymentreg
VJRHOME=C:\Program Files\SAS\SASVersionedJarRespository\9.2

Java 5 update 15の値に変更するには、はじめのオプションを次のように変更します。

JREHOME=C:\Program Files\Java\jre1.5.0_15\bin\java.exe

SAS Rich Client Platform Applicationsの再構成

Eclipse Rich Client Platformに基にしたSAS 9.2クライアントアプリケーションは、INIファイルを編集することで その他のJREを使用するように再構成することができます。 INIファイルは、アプリケーションと同じディレクトリにあります。 たとえば、SAS Data Integration Studio(distudio.exe)を更新する場合、同じディレクトリにある distudio.iniファイルを編集します。 -vm引数を使用するその他のJREのパスに変更します。 次の例を参照してください:

-vm
C:\jdk1.6.0_03\bin\java.exe

注意-vm文字列とパスは別々の行で、-vmargsのエントリよりも前に記述する必要があります。 INIファイルの構造に関する詳細は、(Eclipse.ini)のWebページを参照してください。 Eclipse Runtimeオプションの詳細は、Eclipse runtime optionsWebページを参照してください。

SAS Remote Servicesの再構成

SAS Remote ServicesなどのSAS 9.2サーバーは、JREまたはJDKが必要です。 これらのサーバーは、その他のJREまたはJDKを使用するように再構成することができます。

UNIX

ファイル$SAS_CONFIG/Lev1/level_env.shには、その他のJREまたはJDKを使用するために編集可能な2つの変数が含まれています:

# in /opt/SAS/Config/Lev1/level_env.sh
JAVA_JRE_COMMAND=/usr/local/java/jre1.5.0_15/bin/java

# also check the JDK_HOME variable
JDK_HOME=/usr/local/java/jdk1.5.0_15_x64

Windows

Windows環境では、ファイル$SAS_CONFIG\Lev1\level_env.batには、その他のJREまたはJDKを使用するために編集可能な2つの変数が含まれています:

REM in C:\SAS\Config\Lev1\level_env.bat
JAVA_JRE_COMMAND=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15\jre\bin\java

REM also check the JDK_HOME variable
JDK_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15

Java Development KitsおよびJava Application Servers

SAS 9.2 Business Intelligence(BI)および、Enterprise BIは、JavaアプリケーションサーバーとJava Development Kit(JDK)のインストールが必要です。 SASは、Java Development Kitを出荷しません。 SASをインストールする前に必要なJDKをお客様自らダウンロードし、インストールしていただく必要があります。 JDKのインストールの後、SASとアプリケーションサーバーは、提供されたJDKを使用するように構成されます。 SAS 9.2で必要なJava Development Kitのバージョンの変更が必要になることがあります。 Javaアプリケーション別に手順が用意されています。

JBoss(UNIX環境)

UNIX上のJBossは、必要なJDKを2つの場所に保存します。 一つ目の場所は、$JBOSS_HOME/bin/SASServer1.shスクリプトで、2つ目の場所は$SAS_CONFIG/level_env.shスクリプトです。 $JBOSS_HOMEは、JBossインストールのrootレベルディレクトリで、$SAS_CONFIGは、SAS構成のrootレベルディレクトリです。 対応するファイルの次の変数はを使用するJDKの場所を含むように変更する必要があります。

# in file /opt/jboss-4.2.0.GA/bin/SASServer1.sh
JAVA_HOME=/data/jdk1.5.0_12
# in file /opt/SAS/Config/Lev1/level_env.sh
JDK_HOME=/data/jdk1.5.0_12

JBoss(Windows環境)

SASはJBossアプリケーションサーバーをWindowsプラットフォームにサービスとしてインストールするため、Tanuki Wrapperを使用します。 Tanuki Wrapperは、Java実行ファイルとJDKのtools.jarファイルの場所を特定するためにwrapper.confという構成ファイルを使用します。 JBossがサービスとして実行するように設定されている場合、$JBOSS_HOME\server\SASServer1\wrapper.confを編集します。 次の例を参照してください:

REM in C:\jboss-4.2.0.GA\server\SASServer1\wrapper.conf
wrapper.java.command=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15\bin\java

REM also set the location of tools.jar
wrapper.java.classpath.2=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15\lib\tools.jar

JBossがサービスとして実行するように設定されていない場合、JBossの構成を編集します。 UNIX上のJBossは、必要なJDKを2つの場所に保存します。 1つ目のファイルは$JBOSS_HOME\bin\SASServer1.bat、2つ目のファイルは$JBOSS_HOME\bin\SASServer1.batです。 $SAS_CONFIGは、SASの構成ディレクトリです。 対応するファイルの次の変数はを使用するJDKの場所を含むように変更する必要があります。

REM in file C:\jboss-4.2.0.GA\bin\SASServer1.bat
SET JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15
REM in file C:\SAS\Config\Lev1\level_env.bat
SET JDK_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15

WebLogic(UNIX環境)

UNIX上のWebLogicは、必要なJDKを2つのファイルに保存します。 1つ目のファイルは、$SAS_CONFIG/Lev1/Web/SASDomain/bin/setDomainEnv.shです。 2つ目のファイルは、$SAS_CONFIG/Lev1/Web/SASDomain/bin/commEnvSAS.shです。 JAVA_HOME変数は、使用するJDKの場所が含まれるように変更する必要があります。

# in file /opt/SAS/Config/Lev1/Web/SASDomain/bin/setDomainEnv.sh
JAVA_HOME=/data/jdk1.5.0_12

# in file /opt/SAS/Config/Lev1/Web/SASDomain/bin/commEnvSAS.sh
JAVA_HOME=/data/jdk1.5.0_12

WebLogic(Windows環境)

Windows上のWebLogicは、必要なJDKを2つのファイルに保存します。 1つ目のファイルは、$SAS_CONFIG\Lev1\Web\SASDomain\bin\setDomainEnv.cmdです。 2つ目のファイルは、$SAS_CONFIG\Lev1\Web\SASDomain\bin\commEnvSAS.cmdです。 JAVA_HOME変数は、使用するJDKの場所が含まれるように変更する必要があります。

REM in file C:\SAS\Config\Lev1\Web\SASDomain\bin\setDomainEnv.cmd
SET JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15

REM in file C:\SAS\Config\Lev1\Web\SASDomain\bin\commEnvSAS.cmd
SET JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15

WebLogic Node Managerは、Windowsプラットフォーム上にサービスとして実行するようにインストールすることができます。 サービスは、WebLogicがインストール時に構成されたJDKを使用するように構成されます。 その他のJDKで実行するように構成したWebLogicがあり、WebLogic Node Managerがサービスとして実行している場合、 次の手順を実行して構成の変更を伴うサービスを再インストールする必要があります。

  1. BEA WebLogic Node Manger Serviceを停止します。
  2. BEA WebLogic Node Manager Serviceをアンインストールするため、$SAS_CONFIG\Lev1\Web\SASDomain\binnstallNodeMgrSvc.cmdを実行します。
  3. $SAS_CONFIG\Lev1\Web\SASDomain\bin\installNodeMgrSvc.cmdを実行します。 このコマンドは、commEnvSAS.cmdsetDomainEnv.cmdで指定されているJDKを使用して、 BEA WebLogic Node Managerサービスをインストールします。

WebSphere

WebSphere構成は、必要なJDKと共にインストールされます。