SAS 9.2における JBoss、WebLogic ServerおよびWebSphere Application Serverのインストールの事前準備手順

このページには、SAS Deployment Wizardを実行するために必要な手順と、SAS 9.2で使用するJBoss、WebLogic Server、WebSphere Application Serverのインストール前に必要な手順を記載します。

オープンファイルディスクリプタのプロセスごとの制限を拡張する

SASは、UNIX環境で、オープンファイルディスクリプタ数のプロセスごとの制限を最低でも10240まで拡張することを推奨します。 これは、Java 5を実行する際、さまざまなWebアプリケーションのなかでクラスファイルを開くことを許可するために必要です。 システムリソース設定に変更を加える前に、「ulimit -Hn」を実行し、そのマシンにhard limitを設定します。 「ulimit」シェルコマンドは、特定のシステムのための現在の制限を表示します。 HP-UXのユーザーは、「/usr/sbin/kctune -q maxfiles」コマンドを使用して、システムのオープンファイルディスクリプタの制限を表示することも可能です。 ulimitコマンドがその制限が小さすぎるというメッセージを返したら、システム管理者に拡張を依頼してください。 制限を変更するには、root権限が必要です。

ファイルディスクリプタ数の制限を拡張する必要がある場合の例：

$> ulimit -Hn
1024

ファイルディスクリプタ数の制限を拡張する必要がない場合の例：

$> ulimit -Hn
unlimited

WebLogic Serverのユーザーのための注意事項：オープンファイルディスクリプタの値が「unlimited」の場合、一般的なWebLogicの構成スクリプトcommEnv.shは、値を1024に抑制します。 SAS Deployment WizardでWebLogic Serverドメインを設定することを許可した場合、SASの　ラッパースクリプト（wrapper script）commEnvSAS.sh は、commEnv.shを実行する前にulimitの値を10240に設定します。 スクリプトを実行する前にこの値を10240と設定するのは、この値がさらに制限されるのを防ぐためです。 ドメインを手動で構成した場合、「サンプルドメインのために生成されたSASラッパーを使用する」（例のように）、または、「<BEA_HOME>/weblogic92/common/bin/commEnv.shで自らこの値を変更する」のいずれかの方法を実行してください。

Linux環境でのulimitの設定

Linux環境でオープンファイルディスクリプタを拡張するには、 /etc/security/limits.confファイルを変更した後、マシンを再起動します。 構成ファイルを変更するには、root権限が必要です。

limits.confファイルに次のような文を追加します。

* - nofile 10240
詳細は、この FAQのエントリー（英語）を参照してください。

Sun Solaris環境でのulimitの設定

Sun Solaris環境で、オープンファイルディスクリプタを拡張するには、/etc/systemファイルで、rlim_fd_maxを設定します。 詳細は、この FAQのエントリー（英語）を参照してください。

IBM AIX環境でのulimitの設定

IBM AIX環境でオープンファイルディスクリプタを拡張するには、 /etc/security/limitsファイルを変更した後、マシンを再起動します。

limits.confファイルに次のような文を追加します。

default:
nofiles = 10240

HP-UX環境でのulimitの設定

調整可能なカーネルパラメータ「maxfiles_lim」は、HP-UXシステム上のプロセスごとにオープンできるファイルの最大数のハードリミットを設定するために使用されます。 HP-UXの「kctune」コマンドは、カーネルの調整可能パラメータの表示と変更に使用することができます。 SASは、カーネルパラメータmaxfiles_limの値を10240に変更するために kctune コマンドを使用することを推奨しています。

kctuneコマンドを使用してHP-UX環境でオープンできるファイル量の最大数の制限を拡張する例：

#kctune maxfiles_lim=10240

マルチキャストネットワークのためのIBM AIX 6.1のアップデート

SAS 9.2は、SAS Remote Servicesアプリケーションでマルチキャストネットワークを使用します。 IBM社は、AIX 6.1システムでマルチキャストネットワークを確実にサポートするには、アップデートが必要な場合があるとしています。 IBMサポートノートAPAR IZ35571を参照してください。 必要に応じて、IBM社のサポートWebサイトからこの問題に対応した適切なfix packを 適用してください。

この問題に関連して、Webアプリケーションサーバーのログに次のようなエントリが表示されることがあります。
****************************************************************
16:25:16,648 ERROR [SimpleCache] Required entry, '/sas/properties/environment', not found in the cache.
16:25:16,648 ERROR [SimpleCache] Possible causes include: the RemoteServices VM is not started or
16:25:16,648 ERROR [SimpleCache] there is a multicast address/port mismatch; using
16:25:16,648 ERROR [SimpleCache] address=239.nn.nn.nn and port=nnnn.
****************************************************************

注意： 上記のエラーメッセージは、SAS Remote ServicesアプリケーションとSAS Web Infrastructure Platform Applicationとの間の通信に失敗していることを示しています。 したがって、IBM AIX 6.1に関連したマルチキャストネットワークの問題によってのみ表示されるメッセージではありません。

64-bitプラットフォーム環境へのWebLogic Serverのインストール

SAS Deployment WizardでWebLogic Server上にSAS Webアプリケーションを自動的に設定して配置するには、WebLogic Serverとネイティブライブラリのインストールと実行が必要です。 SAS 9.2のBEA WebLogic Server 9.2サポートのページにある表を参照して、御社のサイトで使用しているプラットフォームの32-bitと64-bitどちらのモードをSASがサポートしているか、またサポートしているのはWebLogic Serverのどのバージョンかを決定してください。

64-bitモードをSASがサポートしているプラットフォームで、32-bitと64-bitモードを提供するためにシングルJava Development Kit バイナリを使用する場合、 -d64パラメータをつけて64-bitモードでWebLogic Serverをインストールしているか確認してください。
次の例を参照してください：

$> java -d64 server922_generic.jar

SASが64-bitモードをサポートしているプラットフォームに誤って32-bitモードのWebLogic Serverがインストールされた場合、SAS Deployment WizardはWebLogic Serverの構成に失敗します。 そして、エラーメッセージ「NodeManager failed to start」（NodeManagerの起動に失敗しました）が表示されます。 このような状態になってしまった場合は、WebLogic Serverを再インストールしてください。

64-bitマシンでは、WebLogicをダウンロードすると.exeと.jarのインストールファイルが提供されることがあります。この.jarファイルはWebLogicのインストールで使用されます。