IBM WebSphere Application Server 5.1
IBM WebSphere Application ServerのインストールとSAS 9.1.3 SP2、SP3およびSP4を使ったWebアプリケーションの配置
このインストールおよび設定手順は、SAS WebアプリケーションとIBM WebSphere Application Server Version 5.1を使用したワーキングサーバー構成をサポートします。
このドキュメントでは、下記のタスクについて扱います:
WebSphere Application Serverのインストールと設定に関する、より詳細な情報が必要な場合は、 WebSphere Application Server Version 5.1.x Information Centerを参照します。 SAS Webアプリケーションに関する追加の手順は、このドキュメントの最後に場所が記載されています。
注意:いくつかAIXでの相違点についても書かれていますが、以下の手順は主としてWindowsの視点から書かれたものです。 AIXのインストールは、記載されていない他の手順についても異なっている場合があります。
サーバーとパッチの入手
サーバーとパッチを入手するには:
- 使用するマシンがハードウェアおよびソフトウェアの前提条件にあっているか確認します。 前提条件のリストを確認するには、 http://www-306.ibm.com/software/webservers/appserv/doc/latest/prereq.htmlを参照します。
- IBM WebSphere Application Server Version 5.1を入手するには、IBM社の担当者に連絡する必要があります。 電話番号を確認するには、IBM WebSphere Software pageを参照します。 このページの左側にある、「How To Buy」をクリックし、WebSphere Version 5.1を注文する電話をかけます。
- 必要なパッチをダウンロードする必要があります。 SAS 9.1.3 SP2、SP3およびSP4のためのサードパーティソフトウェアのリファレンスページを開きます。 インストールされているSAS Intelligence PlatformのバージョンのWebアプリケーションサーバーのリンクをクリックします。 使用しているプラットフォームのバージョンのためのサーブレットコンテナとJ2EEサーバーのリストが表示されます。
- 「必要なWebSphere 5.1 Fix」にある、WebSphere Application Server Version 5.1 Fix Pack 1をクリックします。
- 「5.1.1: WebSphere Application Server Version 5.1 Fix Pack」ページで、Windows - Baseをクリックし、ファイルをダウンロードします。
- SAS 9.1.3 SP2、SP3およびSP4のためのサードパーティソフトウェアのダウンロード ページに戻り、WebSphere Application Server Version 5.1.1 Cumulative Fix 2 packageをダウンロードします。 作成したフォルダにそれを保存します。
サーバーのインストール
サーバーをインストールするには:
- AIXのみ:SAS Marketing Automation Solutionをインストールする場合、埋め込みマーケティングコンポーネントをインストールする必要があります。 埋め込みメッセージングコンポーネントを正確に動作させるには、オペレーティング・システム・グループ(Operating system group)のmqmおよびmqbrkrs、WebSphere埋め込みメッセージングのために必要なユーザーIDを定義する必要があります。
- インストールプロセスを開始するため、Launchpadを実行します。
- AIXのみ:AIX Launchpadディレクトリは、/aixディレクトリ内にあります。 ./launchpad.shとターミナルに入力し、Launchpadアプリケーションを実行します。
- Installation Wizardが開始します。 [Next]をクリックします。
- ウィザードがシステムの前提条件を確認します。 必要条件に合致していれば、ウィザードはFullもしくはCustomインストールのどちらを実行するか選択を促します。 埋め込みメッセージングコンポーネントおよびサンプルアプリケーションをインストールする必要がある場合は、[Full]を選択します。 そうでなければ、[Custom]を選択し、必要のないコンポーネントは無効にします。 それから [Next]をクリックします。
- ストレージ・ロケーション(storage location)はデフォルトのままとし、[Next]をクリックします。
- ノード名(node name)とホスト名(hostname)の入力を促す画面が表示されます。 これらは、すでに入力されています。[Next]をクリックします。
- Windowsのみ: WebSphereとHTTPサーバーをサービスとしてインストールするかどうかを選択する画面が表示されます。 サービスとしてインストールするには、マシンにネットワークユーザーではなく、ローカルユーザーとしてログインする必要があります。 そして、そのユーザーは管理者である必要があります。 選択を確認し、[Next]をクリックします。
- インストールされる機能のリストが表示されます。 [Next]をクリックします。
-
Installation Wizardがソフトウェアのインストールを開始します。 インストールには、数分かかることがあります。 インストールが完了したら、様々なオプションを提供する画面が表示されます。
ポストインストールの実行
IBM WebSphere Application Serverのインストール後、上記のオプション画面から、下記の設定を行います。
- AIXのみ:AIX 5.1(maintenance level 2)上のAdministrative ConsoleとWebSM System Management Consoleとの間で、ポートの競合が起こる可能性があります。 AIX WebSM System Management Serverは、デフォルトでポート9090を使用しています。 Reconfigured Ports画面がInstallation Wizardに表示されます。 この画面では、WebSphere Serverがインストールされているマシン上の既存のWebSphere Application Serverで使用されているポートの一覧を表示します。 これは、競合が生じる可能性がある各ポートに対する代わりの設定を提示します。 提案された設定を容認し、インストールを続けることができます。 また、WebSphere ApplicationServerを停止して、次のコマンドを発効することで確認することも可能です。
netstat -an |grep 9090
WebSMサーバーおよびWebSphere Application Serverを共存させたいときは、WebSphere Application Server Administrative Consoleのポートを9090以外(例えば、9091)に変更します。 WAS virtualhosts.xmlファイルとserver.xmlファイルを更新する必要があります。これらのxmlファイルにある9090を他のポート番号に変更します。 これらのxmlファイルは、次の場所にあります:WAS_HOME\config\cells\aixident\virtualhosts.xmlおよび WAS_HOME\config\cells\aixident\nodes\aixident\servers\server1\server.xml
- [Start the server]をクリックします。 サーバーが正しくインストールできたら、しばらくして次のようなメッセージが表示されます:”Server server1 open for e-business; process id is 2264”
- [Verify Installation]をクリックします。 次の文に続いて、一連の確認メッセージが表示されます:
Installation Verification is Complete.
- [Administrative Console]をクリックします。 ユーザーIDの入力を促されます。adminと入力することを推奨します。 WebSphere Administrative Consoleブラウザ・ウィンドウが表示されます。
- 左側のウィンドウには、アイテムリストが表示されます。 [Servers]を展開します。
- [Application Servers]をクリックします。 右側のウィンドウにサーバーが表示されます。
- [Logout]をクリックし、Administrative Consoleを終了します。
- コマンドプロンプトを開き、WebSphereをインストールしたディレクトリのbinディレクトリへ移動します。(Windowsの場合、C:\Program Files\WebSphere\AppServer\bin。AIXの場合、/usr/WebSphere/AppServer/bin)
- backupConfigと入力します。 このコマンドはサーバーを停止し、WebSphereのインストールのバックアップを取ります。 これで、先ほどダウンロードしたパッチを適用する準備ができました。
必要なパッチの適用
- もし実行中であれば、WebSphere Application Serverを停止します。 AIXマシンで、/usr/WebSpere/AppServer/bin/stopServer.sh <name of server>と入力します。
- まず、使用しているシステム環境のJAVA_HOMEの値を一時的に、WebSphere Application ServerとともにダウンロードしたJDKを指すように変更します。 これを実行するには、コマンドプロンプトを開いて、次のように入力します:C:\Program Files\WebSphere\AppServer\bin. それから [setup CmdLine]をクリックします。
- AIXのみ:JAVA_HOMEの値を次のコマンドをAIXプロンプトで入力して設定します:
. ./usr/WebSphere/AppServer/bin/setupCmdLine.sh.
コマンドの前のピリオドとスペースに注意してください。
- updatesという名前の新しいフォルダ(例えば、Windowsの場合C:\Program Files\WebSphere\AppServer\updates\、AIXの場合./usr/WebSphere/updates)を作成し、そこにパッチを格納します。
- 両方のzipもしくはtarファイルの中身をupdatesフォルダに解凍します。 (注意:解凍中、1つのzipもしくはtarファイルの中身が部分的にもう一方の内容と重複しているというメッセージが表示されることがあります。 使用している解凍プログラム(unzipもしくはuntar)が更新された日付を表示した場合は、いずれの場合も最新のファイルを選択します。)
- Windowsの場合、UpdateWizard.batファイルをupdatesフォルダの中から探し、ダブルクリックをしてUpdate Installerを実行します。 AIXの場合、./updateWizard.shをターミナルで入力します。
- 使用する言語を選択し、[OK]をクリックします。
- [Next]をクリックします。
- IBM WebSphere Application Server v5.1.0を次のパネルから選択し、[Next]をクリックします。
- [Install Fix Packs]ラジオボタンを選択し、[Next]をクリックします。
- Fix Packsディレクトリの場所はデフォルトのままとし、[Next]をクリックします。
- はじめに記載されているFix Packを選択し、[Next]をクリックします。
- [Next] をクリックし、Fix Packがインストールされている間、しばらく待ちます。.
- インストールの完了後、[Run Wizard Again]を選択し、2番目のFix Packをインストールします。
- 2番目のインストールの完了後、[Finish]をクリックします。
- WebSphere Application Serverを再起動します。
- AIXのみ:/usr/WebSphere/AppServer/bin/startServer.sh<<name of server>を入力し、サーバーを再起動します。
注意:Fix Packがインストールされない場合、もしくは、インストールが部分的な場合、以下のことを実行する必要があります。
- JAVA_HOMEの値が先ほど説明したとおりに設定されているか確認します。
- 使用しているマシン上で実行されている全てのWebSphere関連のJavaプロセスを停止させたか確認します。
- Fix Packの再インストールを試みる前に、WAS_HOMEates\java_tmp\ディレクトリを必ず削除してください。
SAS Webアプリケーションの配置
WebSphere Application Serverとともに使うSAS Webアプリケーションを配置する前に、SASインテリジェンスプラットフォームがインストールされ、設定されている必要があります。
『SAS Intelligence Platform: Planning and Administration Guide』(英語)を参照してください。 アプリケーション毎にそれぞれ配置手順があります。 以下は、SASアプリケーションで共通のいくつかの手順です。
- WebSphereのJAAS設定ファイル(デフォルトでは、wsjaas.conf)をSAS Web Infrastructure Kitアプリケーションで使用する認証情報を含むように更新します。 この手順を実行するには、login.configファイル(C:\Program Files\SAS\SASWebReportStudio\9.1\live\のようなフォルダにあります)の内容をコピーして、wsjaas.conf(C:\Program Files\WebSphere\AppServer\properties\のようなディレクトリにあります)に追加します。
- Webアプリケーションのアーカイブファイルのためのステージングディレクトリを作成します。(例えば、C:\apps\WebSphere\webapps)
- 適切なWARファイルをSAS構成ディレクトリ(例えば、C:\SAS\EntBIServer\Lev1\web\webapps)から、今作成したステージングディレクトリにコピーします。 例えば、SAS Web Report Studioの場合、SASWebReportStudio.warをコピーします。
- 次のいくつかの手順は、全てのアプリケーションのためのJava 2 Securityの設定を含みます。 もし開始していない場合は、WebSphere Application Serverを開始します。 ブラウザで、WebSphere Administrative Console(http://localhost:9090/admin)を開きます。
- Consoleの左側で、[Security]-> [Global Security]を選択します。
- [Enforce Java 2 Security]チェックボックスを選択します。 [OK]をクリックします。
- Message(s)ボックスのSaveリンクを選択します。 Save to Master Configurationダイアログにある[Save]ボタンを選択し、保存します。
- Consoleの左側で、[Applications]>[Install New Application]を選択します。
- はじめの画面では、Browseボタンを使用してwebappsディレクトリにナビゲートし、適切なWebアプリケーションを選択して、Local path (または、ネットワーク配置のためのServer path ) を設定します。
- Webアプリケーションの名前(ファイル名から.war拡張子を除いたもの)にContext Rootを設定し、[Next]を選択します。
- 通常、次の画面以降はデフォルトの値のまま進み、最後の画面ではWebアプリケーションを配置するために [Finish]を選択します。
- Installing画面では、 [Save to Master Configuration]を選択します。 Save画面では、元の設定への変更を保存するため[Save]を選択します。
- 配置しているアプリケーションによっては、アプリケーションの構成ファイルにあるデフォルトの設定を複数変更する必要があります。 特定のアプリケーションの設定を表示するには、Consoleの右側に表示される[Deployed Applications]リストにあるそのアプリケーションの名前をダブルクリックします。 通常、WebSphereの配下に配置されたSASアプリケーション毎に次の設定を適用します。
それぞれのアプリケーションサーバー毎に
- Application class loader policyをMultipleに設定します。
- Application class loading modeをParent Lastに設定します。
それぞれのEnterprise Application毎に
- WAR class loader policyをApplicationに設定します。
- Class loader modeをParent Lastに設定します。
特定のアプリケーションに関するガイドとして、下記の 追加情報を参照してください。
- was.policy(WAS_HOME\config\cells\<host>\applications\<filename>.ear\deployments\<filename>\META-INF\フォルダにあります)を更新します。 Policyファイルは、Webアプリケーションに付与されたアクセス権を制御します。 2つのポリシーファイルフラグメントが、構成ディレクトリの\Lev1\web\Deploymentsフォルダにあります。 使用している管理ガイドラインに基づき、適切なフラグメントをwas.policyファイルの終わりに追加します。
- sas.allpermissions.websphere.policy は、Webアプリケーションがセキュリティの制限なしに実行することを許可します。 このファイルは、初めのインストールのときに使用します。
- sas.websphere.policy はより制限されたセキュリティ設定を定義します。 このファイルはプロダクション環境で使用してください。
- WebSphere Application Serverを一旦停止し、再起動します。
追加情報
SASアプリケーションの配置に関する追加情報は、それらのアプリケーションに付属するドキュメントを参照します。 それらのドキュメントのうちのいくつかを、典型的な格納場所とともに、以下の通り記載します。
- Installation Instructions: SAS Web Infrastructure Kit (C:\Program Files\SAS\Web\Portal2.0.1\wik_readme.html) - 追加設定と、配置オプションに関する注意書きを含みます。
- SAS Web Report Studio Deployment Notes (C:\Program Files\SAS\SASWebReportStudio\9.1\deployment.html) - 追加設定と配置オプションに関する注意を含みます。
- SAS Web Report Viewer Deployment Notes (C:\Program Files\SAS\SASWebReportViewer\9.1\deployment.html) - 追加設定と配置オプションに関する注意を含みます。