マーテック専門家による2025年予測
SASのソートリーダーが予測:従来型AIの躍進、生成AIへの過剰な期待の収束、 キャンペーン管理のブーム再到来など
データとAIのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下 SAS)は、SASにおいてマーケティングを専門としているソートリーダーによるマーケティング・テクノロジー(MarTech)やカスタマー・インテリジェンスなどについて2025年の予測を発表しました。2024年、人工知能と生成AIに引き続き注目が集まっていますが、マーケティング担当者は来年どのような課題と機会に直面することになるのでしょうか?
トレンドと予測の詳細については、SASによる2025年の予測を参照ください。
マーケティング担当者は従来型AI(および生成AI)を積極的に採用
2025年、マーケティング担当者は生産性やコンテンツ生成にフォーカスした生成AIのシンプルな用途から、競争優位性や増収を推進するより高度なAI活用を積極的に進めていくことが予測されています。マーケティング担当者は、顧客のプライバシーを尊重しながら、パーソナライズされた体験や効果的なキャンペーンを提供するために、大規模言語モデル(LLM)にとどまらず、合成データやデジタルツインといった生成AIツール、ならびに機械学習など定評あるAI技術の採用を推進すると見込まれます。
― SAS、エグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高マーケティング責任者、ジェニファー・チェイス(Jennifer Chase)
責任あるマーケティングが加速
来年は、責任あるマーケティング手法の開発と使用が推進されることになるでしょう。従来型AIや生成AIをベースにしたマーテックソリューションをはじめとするソリューションを採用し、さらに多くの組織が適切な情報やタイムリーな提案、アジャイルなサポートを提供しつつ、顧客データを責任を持って取り扱えるようになります。責任あるマーケティングにより、顧客の信頼とロイヤリティが構築されます。ブランドを信頼し、ブランドと関わりを持つことに価値を見いだした場合、顧客は個人データをためらわずに共有してくれるようになり、高度にパーソナライズされたマーケティング活動が可能になります。
― SAS、マーテック担当バイスプレジデント、マイク・ブランチャード(Mike Blanchard)
(SASがHarvard Business Review Analytic Servicesに依頼して作成した最新のレポート「Optimizing the Use of Marketing Technology to Build Customer Trust(顧客の信頼構築のためのマーケティングテクノロジー活用の最適化)」で詳細をまとめています。ぜひダウンロードして参照ください)
生成AIへの過剰な期待の衰退
2024年は、生成AIへの過剰な期待が暴走する事態となりました。GartnerのAI調査主任によると、生成AIは報道の90%で取り上げられているものの、使用事例に占める比率は5%にすぎません。また、SASのグローバル調査によると、組織の90%が2025年にマーケティング用の生成AIへの投資を計画しているものの、CMOの90%が生成AIやその潜在的影響をいまだ十分に理解していないことが明らかになりました。2025年は、生成AIをめぐる関心と過剰な期待が下火になり、特にフロントエンドのCX用途に向けた従来型のAI技術にあらためて注目が集まることになりそうです。ますます多くの組織が、自然言語処理、テキスト分析、感情分析、音声テキスト変換AI、さらには古き良き予測分析を応用して、チャットボット、仮想アシスタント、自動のチケット発行やサポートなどの強化を図るようになると見込まれます。
― SASマーテック・ソリューション・マーケティング責任者、ジョナサン・モラン(Jon Moran)
キャンペーン管理のブーム再到来
作家のスティーブン・キングは、「遅かれ早かれ、古いものはすべてまた新しくなる」と記しています。つい最近まで、ブランドはキャンペーンの話題を避け、ジャーニーにフォーカスすることに躍起になっていました。マーケティング・キャンペーンがカスタマー・ジャーニーへと進化していく過程において、従来のキャンペーン管理のセグメンテーション機能とオーディエンス創出機能は完全に見過ごされていました。2025年に多くの組織がクラウド・データ戦略に移行するのに伴い、キャンペーン管理は再びブームになっていくことでしょう。しかし、購入者は注意が必要です。多くのベンダーが顧客セグメンテーション機能を約束してはいるものの、顧客のパーソナライゼーションを真に強化するためのセグメンテーション、拡張性、パフォーマンスを約束どおりに提供しているケースはありません。
― SAS、グローバル・カスタマー・インテリジェンス・プラクティス担当マーケット&グロース・ディレクター、ケイト パーカー(Kate Parker)
CDPに不可欠なコンポーザビリティ
2025年、カスタマー・データ・プラットフォーム(CDP)の最新のトレンドであるコンポーザビリティにより、CDP市場が根底から変わることになるでしょう。コンポーザビリティとは、データをわざわざCDPデータベースに移動しなくても、クラウド・データ・ウェアハウスなど、データが格納されている場所でそれらにアクセスして使用できるというものです。機能面では、コンポーザビリティによって、データ・アクティベーションなどのCDPの非基礎的機能が分離され、マーケティング担当者は必要な機能のみを使用できるようになります。リサーチ及びアドバイザリー企業であるForresterによると、コンポーザブル・データ・ウェアハウスはシングル・カスタマー・ビューの最大の差別化要因ということです。一方でGartnerは、クラウド・データ・ウェアハウスとのデータ共有は破壊的な変化をもたらすであろうと述べています。
― SAS、カスタマー・インテリジェンス、プリンシパル・プロダクト・マーケティング・マネージャー、リサ・ロフティス(Lisa Loftis)
共創の台頭
多くの組織が顧客と協力して機能や製品を開発してきましたが、AIと生成AIによりこれが新たなレベルに引き上げられようとしています。来年は、あらゆる業界において、さらに多くのブランドが製品のアイデアやプロトタイプを顧客と共有し、AI搭載の画像ジェネレーターなどのツールを利用してそれらをさらに発展させるよう相手に依頼するようになることでしょう。これらのコンセプトのすべてが実際に商品化されるわけではありませんが、あらゆる提案とフィードバックが、顧客の要望やニーズ、そしてブランドに対する見方についての貴重なインサイトをマーケティング担当者にもたらします。これらのインサイトは、キャンペーンの改善、効果的なコミュニケーション、そして何より、より良い製品とサービスにつながります。
― SAS、カスタマー・インテリジェンス担当プリンシパル・ビジネス・アドバイザー、マイク・ターナー(Mike Turner)
生成AIを活用した顧客サービスを取り入れない場合、遅れを取ることに
2025年には、サポート担当者の業務を補強するチャットボットやセルフサービス・チャネルを通じて、生成AIを活用したカスタマー・サービスの提供を開始する組織が増えると見込まれます。その結果、顧客が主導権を握るようになり、延々と順番を待たなくても、ほとんどの質問に対して回答を得たい際に回答を得られるようになります。またブランド側では、多額の費用をかけなくても、顧客が期待する優れたサービスを提供できるようになります。
― SAS、通信業界担当グローバル・マーケティング・リード、マリ・ニルソン・ビョークマン(Mari Nilsson Björkman)
マーケティング担当者は「ゼロコピーデータ」の過剰宣伝の問題を克服
2025年、マーケティング担当者は、データの重複を避けるためにCDP分野のシステムでよく使用されているゼロコピーデータの扱いに慎重になることでしょう。ゼロコピーデータはクラウドベースのデータに直接アクセスすることを約束するものであり、データを別のマーケティング・クラウドに移動/コピーする必要がなくなります。ただし、マーテックの場合、企業が引き続き特定の種類のデータを保存する必要があるケースがほとんどです。ネイティブ・データ・ウェアハウス戦略と、急拡大を続けるCDP市場の境界線が曖昧になり、ゼロコピーデータによって混乱が生じます。ゼロコピーデータは理論上は有望なように見えますが、実際にどれだけデータの重複が最小化され、リアルタイムのインサイトが提供されるのかを見極めることが重要です。よく言われるように、結果が変わってくる場合があります。
― SAS、カスタマー・インテリジェンス・プロダクト・マーケティング・マネージャー、ジェニファー・ピアソン(Jennifer Pearson)
SAS®マーテック・ソリューションの活用事例についてはこちらを参照ください。
*2024年10月24日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリースの抄訳です。本プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。
SAS について
SASはデータとAIのリーディング・カンパニーです。SASの革新的なソフトウェアと業界特化型のソリューションが、世界中のお客様にデータを信頼できる意思決定に変換するパワーを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。
*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。
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- SAS Institute Japan株式会社
広報担当: 森屋
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2025年、マーケターとMarTechはどうなるのでしょうか?SASのエキスパートが予測を語ります。