ジャカルタの洪水の予測・予防に取り組むチームJaWaRAがSASハッカソンで優勝

スマートシティのゴールを目指し、SASパートナーの協力のもと二連覇を達成

アナリティクスのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下 SAS)は、テクノロジーカンファレンスSAS Explore において、SASハッカソン2023の総合優勝チームを発表しました。今年のハッカソンには140の組織から100チーム以上が参加し、インドネシアから参加したチームJaWaRAが優勝を勝ち取りました。

チームJaWaRA(Jakarta Water Resources Analytics)は、ジャカルタ州政府のデータ・サイエンティストとエンジニア、インドネシア国内のSASパートナーであるStarCore Analyticsのテクノロジーの専門家で構成されており、AI、機械学習、IoTアナリティクスの使用に向けた革新的なアプローチが評価されました。

AIとリアルタイムのIoT(Internet of Things)アナリティクスは、スマートシティにおいて増え続けるデータを活用し、より適切な意思決定、コミュニティの安全性の向上、活力ある経済へと導きます。気候変動が要因で、スマートシティは文字通りの「上げ潮」に直面しています。異常気象により、人命、財産、商活動を脅かす洪水が増加・激化しているのです。

インドネシアの首都であり、1,100万人が暮らすジャカルタはこの新しい現実を目の当たりにしています。この都市は昔から繰り返し洪水に見舞われてきましたが、ここ数十年は特に危機的な状況が続いています。

ジャカルタは13の主要河川が入りくんだ湿地帯に位置し、ジャワ海に隣接しています。国土の40%以上が海抜より低い位置にあり、地下水の採取により地盤沈下が起きています。こうした状況に、気候変動によるモンスーンの激化や潮位の上昇が加わり、脅威はきわめて深刻なものとなっています。

チームJaWaRAは、SASのAI、機械学習、ストリーミング・アナリティクスを用いて、雨量、水位、河川流量のリアルタイム・データを分析し、洪水の予測と予防の改善に取り組みました。JaWaRAが開発した早期警報システムは、市全域をカバーする大規模な洪水管理システムの一部です

StarCore Analyticsの共同創設者であるアミール・トーハ(Amir Toha)氏は、次のように述べています。「気候変動により、世界中の都市や地域で洪水のリスク、頻度、深刻さが増しています。このような脅威の激化に対応するために、ジャカルタをはじめ、多くの政府が洪水をより確実に予測、管理、予防するための対策を講じています。これらの取り組みは、人命を救い、財産を守り、商業を支えることにつながります。インドネシアをはじめとする国々において、AIとIoTアナリティクスは気候変動に効果的に対応するための重要なツールとなっています」

チームJaWaRA:SASハッカソンで総合優勝

SASハッカソンには、チャレンジ精神旺盛な数百人が参加し、1か月にわたってオールデジタルのハッキングに挑みます。AIとアナリティクスのリーダーであるSASが主催し、SASのパートナーであるIntelが後援した今年のコンテストでは、さまざまな業界からの参加チームが、テクノロジーを応用して実際のビジネスや人道問題の解決に取り組みました。

JaWaRAは、SASメンターの協力のもと、SASのクラウドネイティブな超並列AI・アナリティクス・プラットフォームであるSAS® Viya®SAS Analytics for IoTを採用しました。

SASのグローバル・ハッカソン・プログラム・リードであるエイナル・ハルヴォルセン(Einar Halvorsen)は、次のように述べています。「チームJaWaRAによる早期警戒システムは、創造性に富んだ人々がAIと高度な分析を利用して、重大な課題に取り組んでいるすばらしい例です。これこそがSASハッカソンです。データを優れた意思決定に変えることで、組織、コミュニティ、そして世界全体の人々の暮らしを改善することができます。チームJaWaRAの皆さん、おめでとうございます」

ハッカソンで2連覇を達成

ジャカルタの政府機関とStarCore Analyticsは有益な協力関係を築いています。ジャカルタ首都特別地域とStarCoreのデータ・サイエンティストからなるチームは、昨年のSASハッカソンでも総合優勝に輝きました。

このチームは、SAS Viyaと同プラットフォームのAIおよび機械学習の機能を利用して、6,400万社以上の中小零細企業(MSME)へのコロナ救済金の配布を最適化しました。これらのMSMEで働く人々はインドネシアの全労働者の97%を占め、地域と国の経済をけん引する原動力となっています。

チームは、テクノロジーを利用して、数兆インドネシア・ルピアの救済金が有効に使われるようにし、脆弱な地域にサービスを提供する企業と、コロナ禍後に回復する可能性が最も高い企業の両方を支援しました。

スマートシティとしてのジャカルタ

ジャカルタ州政府は、スマートシティに向けた広範な取り組みの一環として、SASハッカソンに参加しました。ジャカルタのリーダーたちは、効率的かつ効果的なサービスを国民に提供し、ジャカルタを社会的、経済的、環境的な圧力に負けない力強い都市に変革し、市民の関与度を高め、コミュニティのニーズに応えるために、AIやIoTアナリティクスといったテクノロジーを活用しています。

詳しくは、カスタマー・ストーリーの「Jakarta Smart City uses IoT analytics to better serve residents(ジャカルタ・スマートシティにおける住民サービス向上に向けたIoTアナリティクスの利用)」をご覧ください。

本発表は、SASのテクノロジーカンファレンスSAS Exploreで行われたものです。 SASの最新情報は、X/Twitterで@SASsoftwareNewsをフォローしてください。  

*2023年9月14日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリースの抄訳です。
本原稿はSAS本社プレスリリースの原稿を抄訳したものです。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。

SAS について

SASはデータとAIのリーディング・カンパニーです。SASの革新的なソフトウェアと業界特化型のソリューションが、世界中のお客様にデータを信頼できる意思決定に変換するパワーを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。
*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

  • SAS Institute Japan株式会社
    広報担当: 森屋
    TEL: 03-6434-3700
    E-mail: jpnpress@sas.com  

SAS AIとIoTアナリティクスを活用した早期警報システムは、ジャカルタの市全域をカバーする大規模な洪水管理システムの重要な部分です。