- ホーム
- インサイト
- case-studies
- オープンなAIを活用し、抜き取り検査に替わる品質管理方法の刷新を実現!
製造過程で不良が出たら大量廃棄のリスクが!抜き取り検査の頻度と品質保持の両天秤…
オープンなAIを活用し、抜き取り検査に替わる品質管理方法の刷新を実現!
化学メーカー Z社 生産技術部
背景
高い性能と品質が要求される高機能フィルムを製造するZ社。需要増と品質維持の要求に対応し続けるためには、製造工程の生産性を飛躍的に向上させる必要があった。しかし、現行のフィルム製造工程には以前からの課題があり、生産性向上にはその解決が必須だった。
課題
生産性の向上を求めて各種センサーを製造工程に導入し、膨大なデータは収集できたが…
フィルム製造工程では、ロールで送られる基材シートに連続的に機能薄膜を塗布しています。このラインでは品質を保持するため、一定間隔でフィルムから切片を切り取り、引張試験などの抜き取り検査を行っていました。
ただし、抜き取り検査で不良が見つかると、対象となるロットの製品はすべて回収し廃棄しなければなりません。製品ロスや環境負荷などの面でも問題となっており、Z社では工程上の大きな課題と捉えた結果、製造工程の見直しを図ることになったのです。
見直しにあたって生産技術部のS氏は、抜き取り検査の頻度を減らし、最終的にゼロにするという構想を持っていました。そこで、製造工程の中にリアルタイムで膜厚や膜応力などを測定できるセンサーを多数設置して、データの収集を開始します。その結果、膨大な量のセンサーからのデータと、装置から製造パラメータのログが集まりました。
S氏は当時を振り返り、頭を悩ませていたと語ります。
「このデータの中に、抜き取り検査の替わりとなる品質管理方法が埋もれているはずだと考えました。しかし、これらをどのように活用すればよいのか、分かっている者はいませんでした…」(S氏)
課題のポイント
- フィルムの品質維持のため一定間隔で切片を切り取り、抜き取り検査を行っていた
- 検査で不良が見つかった場合、対象ロットは回収・廃棄され大きな生産ロスが出ていた
- 製造ラインに各種センサーを設置してデータを収集したが、それを活用する方法が分からなかった