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- 電気事業B社:データ分析管理における複数の複雑な課題を解決する手段と段取りがわからず、硬直状態…
複数の部門を横断する形でデータの統合管理と活用を行いたいが、ここで難題が…
ツールや手法にこだわらない?課題解決を見事に進められたソリューションとは
電気事業B社
背景
昨今、データが新たな価値を生むといわれている。B社ではオペレーション、カスタマーサービス、発電・送配電部門など、各部門でさまざまな分析ツールを活用しているが、自らの持つ膨大で多種多様なデータを統合管理および活用しきれていないことに課題を感じていた。
※本事例は想定事例ですが、似たようなお悩みの方々へのご参考として掲載しています
課題
データ分析管理における複数の複雑な課題を解決する手段と段取りがわからず、硬直状態……
現状の課題解決のためには、データの統合管理が必要不可欠かつ、利用しているツールの見直しが必要だと考えたB社上層部。早速、社内を横断した複数部門からメンバーを選抜し、プロジェクトチームを立ち上げることにしました。各部門の持つデータを統合管理することで、さらなる活用につなげようとしたのです。
プロジェクトチームの責任者であったK氏は、当時の課題についてこう振り返ります。
「まずはデータを活用し、電力需要予測精度を向上することが第一でした。送配電の法的分離により、小売・発電・送配電それぞれで需給調整機能を高度化することも必須でした。需給調整のインバランスは、そのまま会社の損失に直結してしまうためです」
B社には他にも、2つのねらいがありました。1つは、顧客の電力使用状況や属性に応じたサービスを強化すること。もう1つは、構造物の劣化予測にデータを活用することです。
「特に高度成長期に大量に施設された送配電設備が、本格的に経年対策を要する時期を迎えつつありました。安定供給の観点から、計画的に設備を更新する必要があったのです」(K氏)
これらの課題をすべて解消するためには、業務系の機能と分析システムの機能をきちんと考慮したうえで、システムを連携していく必要がありました。
しかし課題が多岐にわたるため、プロジェクトチームは何から手を付けるべきか判断がつかず、こうしている間にも時間は刻々と過ぎていきました。
課題のポイント
- データを活用することで電力需要予測精度を高めたい
- 顧客の電力使用状況や属性に応じたサービスを強化したい
- データ活用により構造物、送配電設備の劣化予測を行いたい
解決のポイント
- SM(スマートメーター)データと需要家プロファイルを組み合わせた需給予測と需給シミュレーションが可能
- SMデータから顧客理解を深め、サービス提供・エンゲージメント強化にも活用できる
- 点検記録・IoTデータ活用による構造物劣化予測、飛来物による電柱被害の予測も可能
解決
堅牢性が求められる業務システムと、柔軟性が必要な分析システムの連携に成功!
K氏は課題解決のため、世界の先進企業の事例を収集していきました。その中で、データの統合管理・活用に注力し、シェアを拡大しているイタリアのENELという企業に着目します。そのENEL社においてはSASのソリューションを活用しているという情報を入手したため、早速SASに問い合わせることにしました。
SASの担当者は複数回のヒアリングを通じて課題を整理し、自社の持つソフトウェアとコンサルティングを組み合わせたソリューションを提案してくれました。それはツールや手法にこだわらず、統合的な課題の解決を目指すことができるアプローチでした。
「その中には、私たちがもともと課題だと思っていたポイント以外の切り口からの提案も含まれていたため、実現に向けた可能性を十分に感じることができました」(K氏)
このアプローチ法を導入することによって、SMデータと需要家プロファイルの組み合わせで、時間軸/エリア軸/需要家種別(業種)粒度での需給予測、需給シミュレーションが可能でした。またSMデータからの顧客理解を高め、サービス提供およびエンゲージメント強化に活用することもできそうです。さらに、点検記録・IoTデータ活用による構造物劣化予測もできることがわかりました。
「早速、この提案を上層部にも相談してみたところ、電力業界における多数の導入実績があることも後押しとなって、SASのコンサルティングを受けることにしました」(K氏)
コンサルティングを受けた結果をもとにし、B社内では一つ一つのプロジェクトが着実に稼働していきました。その結果、堅牢性が求められる業務システムと柔軟性が求められる分析システムを連携し、あらゆるソースのデータを統合管理、分析、可視化することができるようになったのです。
結果的に、B社はSASをパートナーとすることでデータを分析・活用する仕組みづくりを実現し、精度の高い戦略を立案する環境が整いました。
今後もサポートを受けながら、さらなるデータ活用を推進していく予定です。