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- 化学品製造業A社:需給予測・PSI管理の課題を解決
導入したシステムでは外部環境を含めて高精度にデータ活用をすることができず、
正確な分析や予測にいたらない…
点在するデータを活用し、需給予測・PSI管理の課題を解決するソリューションとは?
化学品製造業A社 生産管理部
背景
合成樹脂材料の開発・製造に定評のあるA社。近年の世界情勢の激しい変化を受け、社内における需給予測やPSI管理の精度向上が切実な課題となっていた。数年前に導入した管理システムは十分に活用できていなかったことから、生産管理部ではシステムの変更も含め、この状況を打破するための道筋を探ることにした。
課題
使いこなせない管理システム。徐々に経営計画に悪影響が…
A社では数年前、すでに需給予測・PSI管理システムの必要性を感じて導入を済ませていました。しかし、現状は生産管理部のメンバーがそれを十分に使いこなせているとはいえない状況でした。
当時の状況を、生産管理部の責任者であるS氏は次のように振り返ります。
「導入したシステムは、製造・販売数などの可視化されたデータを分析するだけに留まっており、需給の変化に応じたモデルの見直しやモデルの精度をモニタリングすることができませんでした。正直なところ、精度の高い予測を行うために役立てるところまで活用できていないのが実情でした」
近年は新型ウイルス、災害、紛争などで販売や生産に対する外部環境が目まぐるしく変わります。事実、部品や原材料の高騰、物流への影響から仕入れ遅延なども多く出ていました。そういった変化に現在のメンバーやシステムでは分析モデルをスピーディーに変化させることができていなかったのです。
システムを活用できない要因は、生産管理部以外にもありました。営業部門から通知される販売計画が一方通行で、実際の販売量との乖離やムラがありすぎたため、生産管理部ではとても管理しきれなかったのです。
そのため、在庫を管理する物流部門に対して正確な販売・生産計画を通知できず、不良在庫となった材料が工場のあちこちに保管されている状態でした。
「正直なところ、営業と物流部門の食い違う要望に応えながらコストや納期にコミットするのが難しい状況でした」(S氏)
こうした状況から、導入したシステムでは精度の高い需給予測・PSI管理までたどり着かず、経営計画に影響することが懸念されはじめました。そこで、もっとメンバーが活用しやすそうな、新たなシステム導入の検討を開始します。
しかし、改めて情報収集を行うものの、一体どのようなシステムが自社の課題にマッチしているのか、自分たちで判断することは困難でした。最適なシステムを導入するためには専門的なコンサルティングを受けることが必要であり、最適な相談相手を見つけること自体も簡単にはいきません。
S氏は課題を解決する術にたどり着けず、頭を抱えるしかありませんでした。
課題のポイント
- 導入した需給予測・PSI管理システムでは、外的環境や需給の変化に即時対応したモデルを構築できなかった
- 販売計画と実際の販売量にムラがあり、管理しきれていなかった
- 在庫管理も不十分であり、不良在庫が多数出ている状態だった
解決のポイント
- SASのシステムは、需給や外的環境の変化にスピーディーに対応することができた
- SASでは顧客の業務を理解したうえで、最適なツールを提供・運用支援してくれる
- 先進的な企業はすでに、SASを活用した需要予測やPSI管理のPDCAなどを実施していた
解決
先進的な企業が活用しているソリューションで、自社課題を解決
情報取集を行っていたS氏は、ある企業がSASのトータルソリューションを活用し、需要予測やPSI管理の全体最適化に成功したという話を耳にしました。そこでさっそくSASに問い合わせをし、詳しい話を聞くことにします。
SASでは不確実性が高まる社会の中でも、現実に即したデータの分析・活用が可能となるさまざまなソフトウェアやソリューションを、1つのプラットフォームで提供していました。
「話を聞いてみたところ、PDCAを回すための製品群が充実しており、状況の可視化やデータ分析はもちろんのこと、予測とその予測のモニタリング、その誤差が生じたときの改善まで、トータルで支援してもらえることがわかりました。近年は外的環境によって仕入れ状況にも影響が出ているため、精度の高い予測モデルが必要でしたが、SASのシステムは変化にも柔軟に対応することができるようでした」(S氏)
また、SASでは各顧客の業務内容や社内状況を十分に理解したうえで、これまで多くのプロジェクトで蓄積してきたナレッジを元に、最適なツールの提案から、メンバーが使いこなせるようになるためのアドバイスや運用支援をしてくれることがわかりました。
「さらに、先進的な企業がこのソリューションを導入し、メンバーがうまく活用して需要予測やPSI管理を行っている事例を聞きました。私たちも同じように改善したいと思いましたね」(S氏)
生産管理部はさっそく上層部に承認を得て、まずはSASのコンサルティングを受けるところからスタートすることにしました。そして自社に合ったソリューションの提案を受け、導入をサポートしてもらうことになったのです。
一部でシステムの稼働をはじめてみたところ、PSI管理の精度が格段に向上したことが確認されました。次のステップとしてA社全体のPSI管理に範囲を広げることが決定し、SASの支援のもと現在もプロジェクトが進行しています。