Voetbalmedia社、1,400万人のサッカー選手および愛好家との絆を深めるためにSASのMarTechを活用
モバイルおよびWebプラットフォームにおけるユーザーの活動率と維持率が向上
2,000万
パーソナライズされたメールの年間送信数
Voetbalmedia社がこの事例で活用した製品: SAS® Customer Intelligence 360
SAS® Customer Intelligence 360、オランダのフットボール・プラットフォームにおける「唯一無二のオファーと体験を通じてユーザーのリーチ率と参加率を改善する取り組み」に貢献
サッカーは世界で最も人気のあるスポーツの一つだが、オランダでは特にそうであり、数千のアマチュア・サッカークラブが一年中活動している。これらのリーグをサポートするために100万以上の人々が利用しているのが Voetbal.nl だ〔訳注:Voetbalはオランダ語でフットボールのこと。発音もほぼ同じ〕。
Voetbalmedia社が運営する Voetbal.nl は、オランダのアマチュア・フットボーラー向けのプラットフォームであり、ユーザー数は1,400万人以上に及ぶ。利用しているのは選手、監督/コーチ、レフェリー、運営管理者、若いアスリートの保護者などだ。ユーザーは個人の統計情報、チームの統計情報、地元チームの順位を閲覧できるほか、ビデオをアップロードしたり、他の地元のフットボーラーと交流したりすることもできる。
王立オランダサッカー協会(KNVB)の子会社であるVoetbalmedia社は、voetbal.nl のWebサイト、アプリ、Eメール・プログラム、さらには “マーケティング・テクノロジー(MarTech)を利用したすべてのキャンペーン” を維持管理している。Voetbalmedia社では、ユーザーのリーチ率と参加率を改善するべく、よりパーナライズされたアプローチを採用したいと考えていた。
「我々はクラブの代表者、選手、広告主を含めた当プラットフォームのユーザーに対し、結果や順位だけではなく、彼らが知りたいことすべてについて、より的確な方法でサービスを提供したいと考えています」と、Voetbalmedia社のディレクター、フェリックス・ファン・デル・コーイ(Felix van der Kooi)氏は言う。
幅広く多様なユーザーがいることから、Voetbalmedia社は “唯一無二のターゲット化されたメッセージング” を提供することに苦戦していた。トレーナーの情報ニーズがマネージャーのそれと異なるのは言うまでもない。また、ユーザーが複数のカテゴリーに当てはまるケースも多々ある。例えば、成人リーグの選手である人物が、自身の子供が所属するユース年代チームのコーチとしても活動しているかもしれない。そのため、Voetbalmedia社では、一人ひとりの唯一無二のニーズをより的確に満たせるように役割ベースの情報を提供したいと考えていた。
Voetbalmedia社は、会員データやWeb行動など、すべてのユーザーデータを一元的に把握できる機能を搭載した「顧客データ・プラットフォームとMarTechを兼ね備えたソリューション」を探し始めた。そして最終的に選択したのはSAS Customer Intelligence 360だった。このソリューションの助けがあれば、マーケティング・チームは詳細レベルまで踏み込んでデータを活用し、複数のチャネルにまたがって適切にカスタマイズされたコンテンツや対話型メッセージを作成できるようになる。
我々はクラブの代表者、選手、広告主を含めた当プラットフォームのユーザーに対し、結果や順位だけではなく、彼らが知りたいことすべてについて、より的確な方法でサービスを提供したいと考えています。 Felix van der Kooi Director Voetbalmedia
プライバシー・ガイドラインに準拠したターゲット・マーケティング
SAS Customer Intelligence 360を導入する前のVoetbalmedia社では、データ選択のためにSASソフトウェアを使い、ニュースレターの作成・送信のために別のEメール・マーケティング用ソフトウェアを使っていた。残念ながら、このプロセスは運用面の非効率性とデータ・プライバシー面の懸念の両方を生み出していた。
「データのアップロードとダウンロードを絶えず実行していると、エラー発生の可能性が高まります」と、ファン・デル・コーイ氏は説明する。この問題はGDPR(一般データ保護規則)の導入に伴い、さらに切迫したものとなった。なぜなら、顧客データがさまざまなシステムに散在している状況でプライバシーを保証することは難しいからだ。「それを行うのはほとんど不可能ですし、それ以上に、データの散在は全く望ましくありません」と、彼は続ける。
総合的なMarTechスイートであるSAS Customer Intelligence 360を導入したことで、同社はオールインワン・ソリューションを手に入れた。「統合環境で作業することで、我々はすべてのことを、プライバシー・バイ・デザインのガイドラインに従いながら、以前よりも遥かに強固かつシンプルにセットアップすることができます」と、ファン・デル・コーイ氏は言う。
それに加え、使いやすさも圧倒的に改善された。以前のVoetbalmedia社では、「マーケティングのターゲット・グループの作成」のような技術的作業の多くをアウトソーシングしていた。今では、それらのタスクをSAS Customer Intelligence 360の中で素早くこなすことができている。
ユーザー向けにパーソナライズされたレコメンデーション
Eメールのバーソナライズを実践してみると、Voetbalmedia社とVoetbal.nlユーザーの双方にとってのメリットがすぐに現れた。同社はニュースレターに関するオプトインを360,000件ほど受け取っているが、SASを活用する前は対象者層ごとに別々のニュースレターを送信していた。現在のVoetbalmedia社では、個別調整された情報を含む一種類のウィークリーメールを、すべての受信者に一斉送信するだけで済むようになっている。例えば、レフェリーと運転手を兼務しているユーザーは、これらの特定の役割向けに調整されたすべての情報を含む一通のメールだけを受信する。
Webサイトとアプリの利用時間を増大させるべく、Voetbalmedia社は、個々のユーザーがこのプラットフォームをどのように利用しているかを測定し、プロアクティブ(事前対応的)に新たな可能性を特定している。
「もし、“誰かがWebサイトに毎週ログインし、所属リーグの試合結果や順位を手動操作で探していること” が分かったとすると、我々はそのユーザーに対し、お気に入りのチームを登録する機能を紹介できます。すると、そのユーザーは、関心のある情報が載っている適切なページに自動的に行き着くようになります」と、ファン・デル・コーイ氏は言う。
このようなパーソナライズされたレコメンデーションは、ユーザー体験を改善し、Voetbal.nlプラットフォームでの滞在時間の増加を促進する。
「場合によっては、ユーザーの行動に反応して送信される複数のEメールで構成されたフルセットのカスタマー・ジャーニーを作成することもあります」と、ファン・デル・コーイ氏は言う。「我々は個々のチーム内、クラブ内の総ユーザー数を増やしたいと考えています。なぜなら、“チームの大部分がVoetbal.nlを利用しているときにのみ価値が得られる機能” をたくさん用意しているからです。例えば、試合に向かう移動手段を計画するための交通機関機能は、チーム全体が参加しているときに最も効果を発揮します。」
Voetbalmedia社に関する事実と数字
140万
ユニークユーザー数
2億~2億6,000万
アプリの月間スクリーンビュー数
2,000万
パーソナライズされたメールの年間送信数
適切なタイミング、適切なアプローチ、適切なコンテンツを判断
Voetbal.nlが収集したデータをKNVBも利用するケースがますます増えているという。
「新しいトレーナーやレフェリーの募集・採用といったテーマを考えてみてください」と、ファン・デル・コーイ氏は言う。「例えば、ファーストチーム〔≒一軍〕の選手が(キャリアを)ステップダウンしていくとき、我々のデータベースではそれが分かります。トレーニング量が減っていきますから、その選手は時間的余裕が増えていることが分かります。そういうときは、トレーナーやレフェリーへの転身話を持ちかける良いタイミングです。」
広告主も、ターゲット・グループの選択が正確である点に価値を見いだしている。このプラットフォームのターゲット・グループ向けのメディア環境は非常に細分化されているため、広告主が「アマチュア・フットボーラーにリーチするのは難しい」と感じる可能性もある。しかし、Voetbal.nlは、的確性の高いパーソナライズされたコンテンツを提示するという方法で、この問題に対処している。
ファン・デル・コーイ氏は言う。「広告主がフットボール・ファンのグループ全員に大量のEメールを送信することはありません。代わりに、的確かつ有意義な方法で一人ひとりをターゲットにすることができます。」
道を先導し、将来を見据える
Voetbalmedia社では、フットボーラーたちにリーチする革新的で斬新な方法を見つけるために、Voetbal.nlの発展状況を継続的にモニタリングしている。また、国内および国内のスポーツ団体も同社の業績に注目し続けている。
「KNVBは、パーソナライズされた方法で会員にアプローチする、という方向性を国際的に先導しています」と、ファン・デル・コーイ氏は言う。「我々は、アマチュアの試合を取り巻くすべてを円滑化することによって、アマチュアのフットボール選手が最大限にこのスポーツを楽しめる状況を確保します。パーソナライズされた統計情報およびコンテンツを提供することによって、フットボール・エクスペリエンスを改善します。KNVBのパートナーや広告主のために生み出す大規模なリーチのおかげで、当社は何年にもわたり経営の独立を維持しながら、ユーザーの積極的な参加とVoetbal.nlのさらなる発展を確保してきました。そして、そのことを我々はとても誇りに思っています。
本記事に掲載された導入効果は、各企業によって異なる状況やビジネスモデル、入力データ、業務環境に固有のものです。SASの紹介する顧客体験は、各企業に固有のものであり、業務面や技術面の背景もそれぞれ異なるため、各事例に掲載されたあらゆる証言は、導入の典型例を示すものではありません。導入にともなう金銭的効果、導入結果、ソリューションのパフォーマンスなどの特徴は、個別の顧客のコンフィグレーションや使用条件に左右されるものです。本事例は、すべてのSASの顧客が当該事例と同じ導入効果を得られるとするものではなく、そうした効果を保証するものでもありません。SAS製品および提供サービスの保証内容は、各製品・サービス向けに締結された契約書内の保証条項に記載された内容に限られます。したがって、本事例に掲載された内容は、それらの保証内容をなんら補足するものではありません。事例に掲載された顧客は、各事例をSASとの契約にもとづいて提供しているか、SASのソフトウェアの導入成功にともなう体験を共有しているものです。