ノルウェー最大の通信/メディア/テクノロジー・プロバイダー、ハイブリッド・クラウド・アプローチを用いて顧客の期待の急速な変化に適応
高度なアナリティクスとAIで、迅速かつ的確な意思決定を推進
パーソナライズされたカスタマー・エクスペリエンス
=成長とロイヤルティの創出源
Telenor社がこの事例で活用した製品 • SAS® Visual AnalyticsとSAS® Visual Statistics(いずれも実行基盤はSAS® Viya® on Azure) • SAS® Customer Intelligence 360 • SAS® Intelligent Decisioning
Telenor社、SAS® Viya® on AzureとSAS® Customer Intelligence 360を活用して、リアルタイム・アナリティクスに基づきパーソナライズされた顧客サービスを迅速に提供
世界中の通信業界では以前よりも頻繁に通信サービスを再定義するようになっている。COVID-19のパンデミックは、根本的かつ加速的な再創造・再構築に取り組む緊急性を増幅させた。人間のやり取りの多くの側面がオンラインに移行したことで、テクノロジー・サービス・プロバイダー各社は戦略をステップアップさせる必要性に直面している。
最近のMcKinsey & Companyのレポートによると、COVID-19によって顧客の行動は5~10年ほど前倒しで急変したという。人々がリモート学習、ビデオ会議、ショッピングなどのオンライン活動にシフトしたからだ。
既に極度の圧力にさらされており、新しい収益源で成長を創出するべく顧客価値を捕捉しようと奮闘しているデジタルサービス・プロバイダーにとって、この加速的変化は難題であることが判明している。
しかし、こうした厳しい情勢の下、欧州や世界各地の通信業界が収益を失ったなかで、Telenor Mobile社は何とか収益を拡大させることに成功している。同社はデータ、アナリティクス、人工知能(AI)を活用して「顧客にとって有意義な存在」であり続けることによって、この成長を達成した。
Telenor社とSASには、20年以上にわたる協働の歴史がある。現在、Telenor社はSAS Viyaを利用しており、SAS Viya on Azureへの移行にも着手済みだ。また、急速に変化する顧客需要を満たすために、強化された顧客サービスを提供し、データドリブンかつスケーラブルな意思決定を実行する目的でSAS Customer Intelligence 360も利用している。
「もし分析的かつデータドリブンなアプローチを取らなければ、成功は望めないでしょう」と、Telenor Norway社のモバイル・ディビジョンでアーキテクチャ/チャネル/アナリティクスの責任者を務めるニコライ・ペルミノウ(Nikolai Perminow)氏は言う。「SASは、意思決定の迅速化と的確化に役立つ多大な価値をもたらしてくれます。」
当社は、必要なことをハイブリッド・アーキテクチャで実現するにあたり、クラウド、オンサイト・クラウド、SaaS(Software as a Service)、オンプレミス・ソリューションに対するSASのアジャイル・アプローチからメリットを享受しています。 Nikolai Perminow Head of Architecture, Channels and Analytics, Mobile Division Telenor Norway
データは、有意義な存在であり続けるためのカギ
ペルミノウ氏は、スマートかつサステイナブルな方法で世界最高水準のカスタマー・エクスペリエンスを提供することを目指し、約30名のチームを率いている。チームの全員が成長計画にコミットしており、彼らの中核的なフォーカスは、主軸の通信サービス群と追加的なサービス群の全体にわたり、顧客にとって有意義な存在であり続けることだ。
モバイル・ディビジョンでは成功モデルの一環として、同じデータをさまざまな分析目的に使用しており、単純なレポーティング、複雑な分析、スマートで自動化されたカスタマー・エンゲージメントかを問わず、すべての分析は “学習プロセスを加速する方法” を用いて実行される。これが転じて、Telenor社に市場での競争優位性をもたらしているのだ。
アナリティクスの民主化
ペルミノウ氏のミッションは、アナリティクスを民主化して組織の全員が利用できるようにすること。そうすれば誰もが、情報に基づく意思決定を迅速に行えるようになる。この目標の達成を促進するため、Telenor社ではデータをクラウドとオンプレミスの両方に配置するハイブリッド・アプローチでSASを利用している。このハイブリッド・アプローチは、Telenor社が顧客データをどこで保管・管理・保守できるのかに関してノルウェー政府やEU(欧州連合)が定めている、厳格で複雑な規制要件を満たす上でも役立つ。
「当社は、必要なことをハイブリッド・アーキテクチャで実現するにあたり、クラウド、オンサイト・クラウド、SaaS(Software as a Service)、オンプレミス・ソリューションに対するSASのアジャイル・アプローチからメリットを享受しています」と、ペルミノウ氏は言う。
Telenor社では、SAS Viya上で世界最高水準のモデルを用いてデータを編成および分析することで、最適な顧客サービスを提供する機会を特定している。同社は今回のクラウド移行を利用して、顧客中心性、俊敏性、革新性を高めたいと考えている。また、ハイブリッド・クラウド・アプローチのおかげで、同社はリアルタイム・アナリティクスに基づき、顧客需要の変化に素早く対応し、パーソナライズしたカスタマー・ジャーニーを提供することができている。
Viyaによるソリューションは、アナリティクスを用いた業務遂行の方法を大きく改善したが、特にこのツールのビジュアル機能は、社内のアナリティクス・チームと他の部門の間の整合性・連携性を強化するために役立っている。
「以前は、ビジネスとは別個の機能としてアナリティクスが存在していましたが、今やアナリティクスは、課題解決や成功促進のために当社が行うすべてのことに関して、会社の中核にあります」と、ペルミノウ氏は言う。
「モバイル・ディビジョンでは、高度なアナリティクスの実行、お客様に対するエンゲージメント、およびレポーティングや類似のアナリティクスのためのアナリティクス・プラットフォームとして、SAS Visual Analytics on Viyaを利用しています。1つのアナリティクス・ソリューションだけを利用して理解およびエンゲージメントに取り組むことで、“当社が2つの異なる真実を抱え込まない状態” が確保されます。なぜなら、どれほど徹底的な姿勢で臨んでも、複数のシステムには差異が生じうるからです。」
SAS Visual Analyticsはレポーティング、データ探索、アナリティクスを単一のアプリケーションで提供するため、アナリティクスの民主化というペルミノウ氏のビジョンは実現しつつある。対話操作型のレポートとダッシュボードは、統計担当者やデータサイエンティストではないスタッフでも容易に理解および利用できる。
「我々が目の当たりにしてきたのは、“アナリティクスに基づく洞察や利用中のソリューションから真の価値を生み出したければ、組織内の人々が超シンプルな方法でそれらの洞察にアクセスできるようにしなければならない” ということです」と、ペルミノウ氏は言う。「我々は、役員室から営業マネージャー、顧客対応担当者に至るまで、Telenorで行うすべての取り組みの中に、データとアナリティクスに関する共有ビジョンを吹き込む必要があるのです。」
Telenor Norway社に関する事実と数字
第1位
ノルウェー最大のデジタルサービス・プロバイダー
280万
モバイル契約数
3,400
従業員数
成功にはスケーラビリティが不可欠
ほかにも複数のSASソリューションが、Telenor社のデジタル・トランスフォーメーションの構成要素となっている。同社は今、マーケティングの刷新を進めており、SAS Customer Intelligence 360を活用して、カスタマー・エクスペリエンスのパーソナライズ、エンゲージメント戦略の定義と実践、一部の複雑なエンゲージメント課題の解決を促進している。また、SAS Intelligent Decisioningを活用して「リアルタイム・インタラクション」と「全社規模でのアナリティクス駆動型の意思決定」を大規模に推進しており、この取り組みも同社がビジネス上の意思決定を向上させ、顧客ニーズに継続的に適応していくために役立っている。
「今日成功するためのカギは、『それはスケールしますか?』と質問することです。私は今、この質問にハマっています」と、ペルミノウ氏は言う。「(ソリューションが)スケールしないのであれば、時間の浪費が生じますから、成功することはないでしょう。」
今やTelenor社のアナリティクス・チームは、アナリティクスを用いた業務遂行に関して、より構造化された方法を手にしており、そのことはプロセス/手法/ツールの整合性を確保するために役立っている。
「SASは、当社が好奇心旺盛な組織となり、洞察、意思決定、成長を推進することを可能にしてくれました」とペルミノウ氏は言う。「このソフトウェアの組み合わせは膨大な量のデータを迅速かつ効率的に処理することができ、極めて大きな価値があります。」
モバイル・ディビジョンの変革を目指す同氏の取り組みは今も進行中だ。彼のチームは今、“疑問への答えを提供する役割” から、“社内の誰もが自力で疑問への答えを導き出し、それらの答えを活用してビジネスを前進させることができるようにする役割” への移行を進めている。そして、その移行の中核を支えているのがSAS Visual Analytics on Viyaだ。
「本当にチャレンジングな疑問に取り組もうとすること ── そして、解決不能な問題の取り組み方や解決の仕方を改善する方法を見つけ出そうとすること ── 、それこそが私のモチベーションの源泉であり、私を仕事へと突き動かす原動力です」と、ペルミノウ氏は結論付ける。「どこに向かって進むにせよ、何をするにせよ、最大の推進力となるのは好奇心です。我々は自身の考え方や現状に疑いの目を向け、どうすれば物事をより適切に行えるのかにフォーカスする必要があります。そして、それこそまさに、我々がTelenorで実践していることです。」
本記事に掲載された導入効果は、各企業によって異なる状況やビジネスモデル、入力データ、業務環境に固有のものです。SASの紹介する顧客体験は、各企業に固有のものであり、業務面や技術面の背景もそれぞれ異なるため、各事例に掲載されたあらゆる証言は、導入の典型例を示すものではありません。導入にともなう金銭的効果、導入結果、ソリューションのパフォーマンスなどの特徴は、個別の顧客のコンフィグレーションや使用条件に左右されるものです。本事例は、すべてのSASの顧客が当該事例と同じ導入効果を得られるとするものではなく、そうした効果を保証するものでもありません。SAS製品および提供サービスの保証内容は、各製品・サービス向けに締結された契約書内の保証条項に記載された内容に限られます。したがって、本事例に掲載された内容は、それらの保証内容をなんら補足するものではありません。事例に掲載された顧客は、各事例をSASとの契約にもとづいて提供しているか、SASのソフトウェアの導入成功にともなう体験を共有しているものです。