リアルタイムの制裁スクリーニングにより、金融犯罪やテロ資金供与に対抗
高度なアナリティクスとAIテクノロジーが、銀行の俊敏性とリスクへの即応性を改善しています。
誤検知の削減により、
パフォーマンスと業務効率が改善
Orange Bankがこの事例で活用した製品 • SAS® Visual Investigator
Orange Bank、SASとNeteriumによるクラウドベースの制裁スクリーニング・ソリューションで、新たなリスクや変化する規制の一歩先を進む態勢を確立
2017年11月にシーンに登場したとき、Orange Bankはモバイル・ファーストかつ完全デジタルのバンキング・エクスペリエンスを顧客に提供することで、従来の銀行業モデルを破壊した。このフランスの銀行の革新的なモバイルアプリは、当座預金/普通預金口座、融資、保険に加え、リアルタイム残高確認、即時送金、財務相談も提供しており、顧客がより多くのことを素早く効率的に行うために役立っている。
創業以来、Orange Bankはフランスでのリーチを拡大しながらスペインへの進出も果たしており、オファリング・ポートフォリオの進化と強化に取り組み続けている。同行の革新的アプローチは、両国のデジタル・バンキング環境におけるキープレイヤーとしての立ち位置に同行を押し上げた。
成長を続けるなか、Orange Bankは行内のリスク管理/不正対策ツール群を合理化/効率化しようと模索した。そして最終的には、リスクをリアルタイムでモニタリングしたいと考えるようになった。
SASとNeteriumを基盤とする当行の新しいAML/CFTプラットフォームは、既にゲーム・チェンジャーとなっています。私は、このソリューションが当行の実効性と効率性を大いに向上させると確信しています。同様に、当行の統合コンプライアンス・プラットフォームを継続的に改善していくための最良のテクノロジー・パートナーを選択したと確信しています。 Véronique McCarrol Deputy CEO Orange Bank
マネーロンダリングやテロ資金供与に対する防御策を強化
同行がリアルタイムの制裁スクリーニングに移行する狙いは、マネーロンダリング対策(AML)およびテロ資金対策(CFT)に関する防御策を強化しながら、それと同時に、行内の分析担当者が利用・管理している多様なツールの合理化/効率化も達成することにある。
制裁スクリーニングは、地域的/国際的な規制に関するコンプライアンスを維持管理するためのカギだ。絶えず変化するさまざまな制裁の量、スピード、複雑さは金融機関に対し、定常的な警戒態勢に留まり続けることを要求する。
これらの要件を満たすために、Orange Bankは次世代の制裁スクリーニング・ソリューションをSASおよびNeteriumと一緒に開発した。このソリューションは、「政府/世界レベルの主要なウォッチリストおよびPEPsリストに照らしたエンティティ/トランザクション・スクリーニングを自動的に実行する機能」を提供する(PEPs=politically exposed persons、政治的に重要な地位にある公人)。
「AML/CFTの改革プロジェクトを立ち上げたとき、当行には3つの異なるツールがありました。1つはトランザクション・モニタリング用で、2つは顧客および見込客のトランザクション・フィルタリング用でした」と、Orange Bankのコンプライアンスおよび金融セキュリティ担当ディレクターであるモニカ・クィアートニア(Monika Cwiertnia)氏は言う。「第一に、我々は分析担当者向けのプロジェクト管理およびアラート管理に関してツールを一本化できるソリューションを見つけたいと考えました。第二に、“革新的でモダンかつ強固であることに加え、当行がマネーロンダリング・リスクやテロ資金供与の進化に適応すること ── また、それと同時に、アルゴリズムとシナリオに対する内部統制を確立すること ── を可能にしてくれるソリューション” が欲しいと考えました。SASは両方の期待を満たしてくれました。」
SASユーザー企業向けの補完テクノロジーを選定
Orange Bankのリアルタイム制裁スクリーニング・エンジンとしてSASが選んだのはNeteriumだった。「Orange Bankに必要な俊敏性と即応性をもたらす補完テクノロジーを検討したとき、すぐに目に留まったのがNeteriumでした」と振り返るのは、SASのFraud and Security Intelligence Practices担当シニア・バイスブレジデント、スチュ・ブラッドリー(Stu Bradley)だ。「SASがリアルタイム制裁スクリーニング・エンジンとしてNeteriumを選んだのは、そのソリューションが実効性、効率性、拡張性に優れているだけでなく、AIを活用した意思決定の説明可能性も優れているからです。」
SASとNeteriumは9ヶ月にわたる協働作業により、Neteriumのクラウドネイティブかつリアルタイムのウォッチリスト・スクリーニング・サービスとSAS Visual Investigatorとの連携を確立した。また、Neteriumの2つのAPIベースのオファリング(JetscanとJetflow)をSASプラットフォームにシームレスに統合した。
「常に変化している世界の地政学的環境には、“エンティティやトランザクションに対するリアルタイムの洞察” なしでは対処できないリスクがあふれており、膨らみ続ける制裁ウォッチリストが関わる状況では特にそうです」と、ブラッドリーは言う。「リアルタイムの制裁モニタリングにより、Orange Bankは誤検知の削減、パフォーマンスの改善、業務効率の向上を通じて、これらの課題に対処できるようになるでしょう。」
Orange Bankに関する事実と数字
200万
顧客
890
従業員数
第1位
フランスの銀行として(顧客レビューサイトのTrustpilotによる)
イノベーション文化の継続
Orange Bankにおけるリアルタイム制裁スクリーニングへの移行は、バンキング・イノベーションの最前線に立ち続けることへのコミットメントの一環である。SASとNeteriumによって開発されたソリューションにより、同行のコンプライアンス・チームは、金融犯罪に対する防御策を強化すると同時に、より効率的で合理化されたツールを行内の分析担当者に提供できるようになる。
「SASとNeteriumを基盤とする当行の新しいAML/CFTプラットフォームは、既にゲーム・チェンジャーとなっています」と、Orange Bankの副CEOであるベロニカ・マッキャロル(Véronique McCarroll)氏は言う。「私は、このソリューションが当行の実効性と効率性を大いに向上させると確信しています。同様に、当行の統合コンプライアンス・プラットフォームを継続的に改善していくための最良のテクノロジー・パートナーを選択したと確信しています。」
本記事に掲載された導入効果は、各企業によって異なる状況やビジネスモデル、入力データ、業務環境に固有のものです。SASの紹介する顧客体験は、各企業に固有のものであり、業務面や技術面の背景もそれぞれ異なるため、各事例に掲載されたあらゆる証言は、導入の典型例を示すものではありません。導入にともなう金銭的効果、導入結果、ソリューションのパフォーマンスなどの特徴は、個別の顧客のコンフィグレーションや使用条件に左右されるものです。本事例は、すべてのSASの顧客が当該事例と同じ導入効果を得られるとするものではなく、そうした効果を保証するものでもありません。SAS製品および提供サービスの保証内容は、各製品・サービス向けに締結された契約書内の保証条項に記載された内容に限られます。したがって、本事例に掲載された内容は、それらの保証内容をなんら補足するものではありません。事例に掲載された顧客は、各事例をSASとの契約にもとづいて提供しているか、SASのソフトウェアの導入成功にともなう体験を共有しているものです。