オーストラリア税務局

複雑な税制をより親しみやすいものに 高度なデータマイニングで"CRM"を実現する

納税者のニーズを理解して、その期待に応え、また税収を確保するために、Australian Taxation Office(オーストラリア税務局、以下、ATO)は、SASのデータマイニング・ソリューションの利用に踏み切った。オーストラリアの税制を国民のために、より簡単に、より安く、よりパーソナライズし、政府機関版のCRMとも言うべき"Citizen Relationship Management"を実現している。

NEEDS:税務処理を効率化し より親しみやすい組織をつくる

ATOはオーストラリア連邦政府の主要な国税徴収機関である。2001年から 2002年には、徴収額はオーストラリアにおける全税収の約93%である1,650億豪ドル(1,285億米ドル)以上にも達した。現在は、オーストラリア人のための社会経済政策やファンド・サービスを支える歳入システムの運用や構築を目的として税法を管理しているが、さらなる改善が期待されている。ATOは現在、ふたつの課題に直面している。

ひとつは、税法の適用や管理の効率性を改善すること。人々がインターネットや他のチャネルを通じて明細書や申告書を提出できるように、コンピュータ上でのやりとりを行ない、また、納税者が確実に期限どおりに払戻しを受け取ったり、滞納を支払ったりすることができるように、明細書や申告書をタイムリーかつ迅速な方法で処理したいと考えている。もうひとつの課題は、ATOが納税者の自らの権利や受給資格、また納税義務を果たす方法の理解を助けるような、より親しみやすい組織になること。

このような言わば「クライアント(顧客)」との関係について、ATOはさらなる重点を置いており、「より簡単で、より安く、よりパーソナライズされた」サービスを提供しつつある。こうした課題に取り組むには、クライアント・インテリジェンスが必要不可欠なのである。


組織が大きくなればなるほど、"標準"が必要です。SAS はデータ処理と分析の標準となってくれました。

Warwick Graco 氏
Manager of Analytics in the Change Program, Australian Taxation Office

CHALLANGE:パーソナライズされたクライアント対応のために SAS を導入

ATOは、担当者がクライアントに的確に、そして手際よく対応するためのインテリジェンスを生み出す仕組みをつくった。結果として、あらゆる人や組織に対しても助言できるコールセンターを設立したのである。SASの提供するクライアント・インテリジェンスによって、コールセンターのオペレータは、クライアントの特性を理解した上で、個々の事情に適応した税制を説明できるようになる。

オーストラリアの税制も「基礎的原則」のために詳述され非常に複雑であるが、重要なのは職員が技術と情報をうまく利用し、納税者の負担を緩和することである。納税者は、果たすべき義務や控除について、さまざまな疑問を投げかけてくる。そこで ATOは、SAS® Text Minerを活用して、人々が何を求めているのかをより深く理解できるように、内容に基づいて税法規の要項を分類し、判例の有無を調べ、特殊な要求に応えるために必要な情報を設定している。

さらに、納税者それぞれの状況への対応方法をカスタマイズするためにもSASは使われている。今日の電子政府の時代では「ワンサイズですべてにフィットする」よりも、「テーラーメイド」での対応が可能になる。納税者や他のソースから収集されたデータによって、よりパーソナライズされた迅速なアプローチを実現しているのである。

BENEFIT:世界標準の分析ツールで適切な分析を実行し、インテリジェンスを獲得

SASは、ATOにいくつかの重要な効果をもたらした。ひとつは、スケーラビリティ。アナリストは通常、サンプル・データではなく全人口データを扱うため、大規模データを処理できる性能が不可欠である。次に、幅広い分析ツール群。さまざまな業務に対して、最適なツールを選んで実行することができる。

最後に重要なのは、SASの使いやすさ。SAS®9 のGUI機能により、多くの操作がポイント&クリックやドラッグで実行できるため、生産力はさらに押し上げられる。
「SASにはそのまま使えるアルゴリズムのライブラリがあり、コーディングに多くの時間を費やさずに済みます。仕事に必要なアルゴリズムを呼び出せば良いのです。期限内で結果が求められるプレッシャーの下でも、より良い分析を迅速に得られます」
(Warwick Graco 氏、Manager of Analytics in the Change Program、ATO)。

また、SASが世界中で多くの人々に利用されていることも重要な点である。大組織で大切なのは、標準を保持すること。SAS はデータ処理と分析の標準であり、そのスキルを持つ人々は数多く存在している。
「SASを扱える人材が広範囲にわたるおかげで、万一の場合でも私たちはすぐに後任を探せます。自信を持って、計画を前へ進められるという確信を与えてくれたのも、SASなのです」(Graco 氏)。


PRODUCTS & SOLUTIONS:
大量データから価値あるパターンを探すSASのデータマイニング・ソリューション

データマイニングとは、組織に蓄積された膨大なデータを活用して、データ選択、探索、モデル構築を行ない、以前には認識されていなかったパターンを明らかにするプロセスです。組織には、将来を見据えたアクションをとるために、不正行為の削減、リソースの需要予測、獲得顧客の増加、および顧客減少の抑制が求められています。

SAS の統合データマイニング・ソリューション、SAS Enterprise Miner™および SAS Text Minerにより、組織はデータの持つ潜在能力を解き放ち、新しい知識によってビジネス上の課題に取り組み、期待どおりの成果を得られるようになります。データマイニングのテクニックを応用すれば、顧客の購買パターンや行動に関するデータをフル活用して、顧客の購買意欲をさらに促進することができます。
※ 英語版のみ。

SAS の優れたデータマイニング・ソリューションは、以下のメリットをもたらします。

  1. 優良顧客の模索および保持
    市場機会にあわせた投資とリソース整備を立案
  2. ターゲットを絞るための市場セグメント化
    最大の利益を生み出す適切な顧客、チャネル、タイミングの決定
  3. 将来を予測し、望ましい結果を確保するための要因を識別
    マーケティング目標の達成に適した、効果的なキャンペーンの実現
Australian Taxation Office
Warwick Graco 氏 Manager of Analytics in the Change Program, Australian Taxation Office The Australian Taxation Office

課題

オーストラリアの納税者へのサービスを改善

ソリューション

SAS のアナリティクス機能を利用して、納税者に関するさまざまなデータを分析し、よりパーソナライズされた迅速なアプローチを実現

利点

大容量のデータ処理を可能とするスケーラビリティ、幅広い分析ツール群、ユーザーフレンドリーなGUIによる生産性の向上

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