AIでマーケティング・キャンペーンを革命
SASは、生産性とモデル実効性の劇的な改善に貢献しています。
85%高速化
データ処理にかかる時間
この成果に貢献した製品/ソリューション • SAS® Visual Data Mining and Machine Learning(実行基盤は SAS® Viya®)
Alliant社、機械学習を活用して顧客企業向けに有望なマーケティング対象者データを生成
マーケターにとって、有望な潜在顧客を特定することは、消費者にリーチする上で極めて重要だ。しかし、多くの企業は、効果的な対象者を割り出すためのデータベースやアナリティクス・エンジンを保有していない。それらの企業は結局、自社のマーケティング環境における高い需要への対応ペースを維持するためだけに、漠然とした対象者層に対し、一人ひとりの好み(あるいは反応確率)を考慮せずに大規模なキャンペーンを実行することに終始する。
それこそが、データドリブンな(=データ駆動型の)対象者データ生成企業であるAlliant社が、顧客企業のマーケティング・アプローチの大々的な変革、そして成果の達成に貢献できている領域である。顧客企業がキャンペーンで数百万人の潜在顧客をターゲットにしたいと考えているか、あるいは、効果の薄いターゲットしか提供しない自社生成のデータを一掃したいと考えているかを問わず、Alliant社では、SAS® Viya®を実行基盤とする機械学習アルゴリズムを活用して、2億7,000万人の消費者データベースから特注仕様のマーケティング対象者データを素早く生成する。
「我々はスピードを必要としていましたので、SASに声を掛けたのは当然の流れでした。Viyaへの移行が完了した今では、巨大なデータセットを格段に高速に処理できる十二分なコンピューティング・パワーを手にしています。」 ビル・アダム(Bill Adam) データおよびテクノロジー担当シニア・バイスプレジデント Alliant
超高速のデータ準備
Alliant社の場合、顧客企業向けのハイパフォーマンスなマーケティング対象者データを生成する取り組みは、データ管理から始まるという。同社のデータおよびテクノロジー担当シニア・バイスプレジデントであるビル・アダム(Bill Adam)氏は、この点から話を始めてくれた。アダム氏とそのチームは、同社における全てのデータ資産に対する責任を担っている。
「当社のデータは、人間が想像できるあらゆるフレーバーに対応できます」と、アダム氏は言う。
Alliant社の共同データベースには、巨大なマーケティング・パートナー・ネットワークからのデータが統合されている。各パートナーが月次で自社の顧客データを更新するので、アダム氏とそのチームはそれをHadoopにロードした上で、ETL(抽出/変換/ロード)プロセスを用いて予測子(予測変数)を洗い出し、その結果を「アナリティクス用の構造化されたデータセット」としてSAS Viyaに引き渡す。各データセットには、モデリング・プロセスに利用するための予測子の候補が10,000~14,000個ほど含まれている。
SAS Viyaの導入前は、このプロセスが面倒だったという。共同メンバー数の急速な成長に伴い、大量のデータソースを追加していったことで、データ量は数百万レコードから数十億レコードへと膨れ上がりつつあった。しかし以前のデータ環境は、単純に、この新しい現実を処理するのに十分なパワーを備えていなかった。それと同時に、顧客企業は、より一層の短納期を求めるようになっていた。
「我々はスピードを必要としていましたので、SASに声を掛けたのは当然の流れでした」と、アダム氏は言う。「Viyaへの移行が完了した今では、巨大なデータセットを格段に高速に処理できる十二分なコンピューティング・パワーを手にしています。」
「Viya以前の環境では、例えば1つのキャンペーンに1億人という規模の処理の場合、顧客と交わしたサービス内容合意書(SLA)を順守するために、ワークロードを3,000万人へと減らす必要がありました」と、アダム氏は説明する。「Viyaの環境では、実行速度が10倍も高速化していますから、データ全体を用いてセグメンテーションを実行し、より質の高い対象者データを生成することができます」。この環境の導入後、Alliant社では、データ準備作業の効率化の結果として、コスト削減も実現しつつあるという。
Alliant社に関する事実と数字
2002
設立年度
数十億
集積されている消費者トランザクション
2,000以上
対象者のセグメント数
機械学習による予測モデリング
同社の作業は続いており、データサイエンス担当バイスプレジデントのマルコム・ハウツ(Malcolm Houtz)氏が率いるデータサイエンス・チームは、大規模なデータセットをセグメントおよびスコアリングして価値の高いマーケティング対象者データを生成するための、予測型の機械学習モデルを構築している。
以前、ハウツ氏とそのチームは、良質なマーケティング・ターゲットを特定する目的に、ロジスティック回帰のみを利用していた。しかし、顧客企業は更に多くの潜在顧客を求めるようになりつつあった。しかも、より短納期で──。ハウツ氏の説明によると、データセットに対するロジスティック回帰の適用回数を増やしても、特定のキャンペーンに関する潜在顧客の数が減るだけである。より大きな網を張るために、別のアルゴリズムを実行する必要があった。
現在のAlliant社では、SAS Visual Data Mining and Machine Learningにより、複数の機械学習アルゴリズムを同時に実行できるようになっている。従来のロジスティック回帰の適用も続けている一方で、Alliant社は、同じデータセットに対してニューラル・ネットワーク、サポート・ベクター・マシン(SVM)、勾配ブースティング、ランダムフォレストといったアルゴリズムを同時に適用するという方法によって、自社のモデリング業務を変革済みである。
Alliant社は今では、各アルゴリズムから生成された有望な氏名の全てを含めることで、より大規模な対象者データを生成することも、あるいは、5つのアルゴリズムの全てにおいて “有望” と評価された “トップ・パフォーマー” の潜在顧客だけを含めることで、より質の高い対象者データを生成することもできる。また同社は、顧客企業のKPI(例:反応率や顧客生涯価値など)に関する要件を満たす目的に特化したアルゴリズムを適用することも可能だ。
「SASのおかげで、当社では従来のワークフローの4分の1の時間でモデルを提供すること、および、処理時間を85%も短縮することができています。」 マルコム・ハウツ(Malcolm Houtz) データサイエンス担当バイスプレジデント Alliant
カスタマー・エクスペリエンスの向上
Alliant社では、1,200以上のモデルを収録するライブラリ(その規模は今も拡大中)を利用して、日々、様々なマーケターに対象者データを提供しており、その用途は、ダイレクトメールやEメールから、プログラマティックTVやアドレサブルTVに至るまでの、あらゆるチャネルに及ぶ。これらのモデルは、キャンペーンの最適化、データセットのリアルタイム・スコアリング、あるいはブランド認知度の向上といった目的に役立つように、あらゆる業種の顧客企業のためにオンデマンドまたはカスタムで構築されている。
「これほどのデータ量でも、(SASの)スピードは驚異的です」と、ハルツ氏は指摘する。「SASのおかげで、当社では従来のワークフローの4分の1の時間でモデルを提供すること、および、処理時間を85%も短縮することができています。これが生産性を大幅に高め、顧客エンゲージメントを向上させ、より多くの収入を生み出しています。」
ハルツ氏は一例として、大規模な顧客企業が2億人の潜在顧客のスコアリングについて納期短縮を必要としていたケースを紹介してくれた。「以前の当社なら、そのニーズに対応できませんでした」と、ハルツ氏は言う。「しかし、SAS Viyaとそれによって実現した当社の機械学習アルゴリズムでは、そのプロジェクトを1日で完了させることができました。お客様は大いに喜んでくださいましたし、それが当社のビジネスで何より嬉しいことです。」
競争優位性の維持
「データとマーケティングのテクノロジー業界は、高速なペースで進化してきています」と、ハウズ氏は言う。「ですから当社も、ますます強力なモデルを提供していく必要があります。そしてSASは、その遂行に役立つのです。」
SAS Viyaと関連製品を導入したことは、Alliant社が業界の進化の最先端を進み続け、より高速かつスケーラブルなアーキテクチャを開発するために役立っており、その結果として、同社が競争優位性を維持することを可能にしている。そして、恐らく最も重要な点として、これらのアップデートにより、同社は「カリフォルニア州消費者プライバシー法(California Consumer Privacy Act)」のような新たなデータ・コンプラアンス要件を遵守および超越する目的でデータ資産を準備および管理するための構造も手にすることができた。
本記事に掲載された導入効果は、各企業によって異なる状況やビジネスモデル、入力データ、業務環境に固有のものです。SASの紹介する顧客体験は、各企業に固有のものであり、業務面や技術面の背景もそれぞれ異なるため、各事例に掲載されたあらゆる証言は、導入の典型例を示すものではありません。導入にともなう金銭的効果、導入結果、ソリューションのパフォーマンスなどの特徴は、個別の顧客のコンフィグレーションや使用条件に左右されるものです。本事例は、すべてのSASの顧客が当該事例と同じ導入効果を得られるとするものではなく、そうした効果を保証するものでもありません。SAS製品および提供サービスの保証内容は、各製品・サービス向けに締結された契約書内の保証条項に記載された内容に限られます。したがって、本事例に掲載された内容は、それらの保証内容をなんら補足するものではありません。事例に掲載された顧客は、各事例をSASとの契約にもとづいて提供しているか、SASのソフトウェアの導入成功にともなう体験を共有しているものです。