1-800-FLOWERS.COM社がこの事例で活用した製品: SAS® Customer Intelligence 360(SAS® 360 Engageを含む)(実行基盤はSAS® Viya® on Microsoft Azure)
1-800-FLOWERS.COM社、SAS® Viya® on Microsoft Azureで顧客の愛情表現、つながり合い、祝意伝達を支援
誕生日、記念日、祝祭日、あるいは「ただ何となく」など理由は何であれ、愛する人にプレゼントやフラワーアレンジメントを贈るにあたり、今日の消費者は以前にも増して多すぎるほどの選択肢を手にしている。eコマース小売企業がライバル集団から抜き出る一つの方法は、唯一無二で気の利いたユーザー・エクスペリエンスを提供することだ。そして、1-800-FLOWERS.COM社は、まさにこの領域におけるイノベーターである。
1976年にニューヨークで一軒の花屋として創業した1-800-FLOWERS.COM社は今や年商22億1,000万ドルの企業へと成長しており、その事業ポートフォリオにはHarry & David、PersonalizationMall.com、Cheryl’s Cookiesなど、十数種類のギフト関連ブランドやシェアリング・ブランドが含まれる。過去3年間だけを見ても、同社の事業規模は実質的に倍増している。
花とギフトを扱うこの小売企業の歴史で一貫しているのは、顧客たちの次の動向に常に目を光らせながら、新しいテクノロジーを取り込み続けてきたことだ。当初の店頭販売事業が、やがてその名を冠した花屋ブランドへと進化し、買い物客は電話で花を注文できるようになった。次に登場したのはWebで、その後モバイル時代が到来。そして現在の同社はチャットボットと会話型コマースの領域で革新的なアプローチの開拓を進めている。
「SASのチームはこれまでも常に、当社におけるデジタル・トランスフォーメーションの達成度を理解することに全力で取り組んでくれていましたし、当社がトレンドの一歩先を進めるように支援してくれます」と、1-800-FLOWERS.COM社のCIOであるアーニー・リープ(Arnie Leap)氏は言う。
以前の同社はSAS Analyticsのプラットフォームをオンプレミスに展開しており、当時はそれが良好に機能する戦略だった。しかし、労働力の散在化と事業規模の急拡大に起因するニーズを満たすために、1-800-FLOWERS.COM社はSAS Viya on Microsoft Azureに移行することを選択した。
Azureの上にSASポートフォリオを重ねることができる機能は、想定外の状況でも柔軟性を発揮できる能力をもたらしてくれます。当社はかつてない方法で適切にプロセスをガバナンスできるようになっています。 Arnie Leap CIO 1-800-FLOWERS.COM, Inc.
AIとカスタマー・インテリジェンスを用いたパーソナライズ・マーケティング
過去2年にわたり、1-800-FLOWERS.COM社は自社のアナリティクス能力とカスタマー・エクスペリエンスをさらに強化するべく大規模な取り組みを進めてきた。Viya on Azureを採用したことで、このeコマース小売企業は今や、成長中のビジネスを下支えする基盤として、モダンかつスケーラブルでクラウドベースの「アナリティクス/人工知能(AI)/データ管理のための総合プラットフォーム」を手にしている。
すべてのアナリティクス活用事例はデータから始まるが、1-800-FLOWERS.COM社の場合は自社のデータベース群を整理統合した上で、その結果をクラウドベースのデータウェアハウスである「Snowflake」へとフィードする。そしてその時点で、データはアナリティクス向けの準備が整う。
「当社のデータレイクはSnowflake環境内にあり、当社がSASで実行する取り組みのすべての側面に対して、その情報をリアルタイムで提供します」と、リープ氏は言う。「当社は非常に大きなデータセットをすぐに利用できる状態にしていますが、それはeコマース小売業者という業態に関連しています。そして我々は、以前よりも格段に高い速度と頻度で、適切なデータが適切なタイミングで、適切なプロセスや適切な人々に届く様子を目にすることができています。1-800-FLOWERS.COM、Snowflake、Azureの間のパートナーシップは素晴らしく、とても大きな前進を遂げてきています。」
50名以上のメンバーで構成される1-800-FLOWERS.COM社のアナリティクス・チームは、SASの各種AIソリューションとSAS Customer Intelligence 360(SAS 360 Engageを含む)を利用している。
「当社では1日に数百万件のクエリーを実行します」と、リープ氏は言う。「それらは月次のモデルから、2分間隔のモデル、複数回の反復実行、Customer Intelligence 360のキャンペーンと各種機能、グリッド・レポーティング、さらには、ビジネス上の意思決定の根拠となる標準レポートに至るまで、多岐にわたります。」
1-800-FLOWERS.COM社にとって、パーソナライズ・マーケティングはリップサービスではなく、クラス最高水準のカスタマー・エクスペリエンスを提供し続けるための手段だ。
例えば、1-800-FLOWERS.COM社が実行する各種の日次モデルは、多数のデジタル・マーケティング・チャネルを横断して「ネクストベストオファー」(次に提示するべき最良オファー)を算定する処理など、各種のデジタル・マーケティング活動の原動力として機能する。事実、1-800-FLOWERS.COM社におけるアナリティクス利用の大半は、パーソナライズ・マーケティング活動を目的としたものだ。
この取り組みには、かなり多くのAI、特に機械学習の利用が伴う。このテクノロジーはSAS Platformに内蔵されており、1-800-FLOWERS.COM社がユースケースに基づき最良モデルを自動選択するために役立っている。例えば、顧客がWebサイトを訪れたときに、その顧客の既知の嗜好情報や購入履歴に基づきパーソナライズされたギフト商品を提示するために、Webセッション内でモデルをテストおよび実行することができる。
「それぞれのモデルにはスコアリング・メカニズムがあります」と、リープ氏は説明する。「算出されたスコアは次のモデルへとフィードされ、そこで別のスコアリング・セットが処理され、その結果がWebサイト上でパーソナライゼーションを駆動します。モデルを高速に反復実行できるキャパシティなしで、それを行うことはできません。そのキャパシティを当社にもたらしてくれるのがクラウド上のViyaです。」
“アナリティクスに基づくアクション/行動” を支援する機能も、1-800-FLOWERS.COM社におけるパーソナライズ・マーケティングの取り組み全般に貢献している。
「SAS Customer Intelligence 360は、カスタマー・エクスペリエンスというパズルの非常に重要なピースです。我々の目的は、以前は不可能だったレベルでマーケティング・キャンペーンを実行および維持管理できる状況を確保することです」と、リープ氏は言う。「クラウド機能の一環として、我々はキャンペーンを全く異なるレベルで実行できる機能を手にしており、より複雑、より高頻度、より大量なデータを余すところなくキャンペーンの取り組みに提供することができます。」
SASは、当社の全ブランドにわたる一致団結した取り組みに役立っています。また、新しいブランドを追加する際も、新しい顧客を理解したり、マーケティング・キャンペーンで的確にコミュニケーションを取ったりするために、同じ実証済みのアナリティクスおよび方法論を適用することができます。 Arnie Leap CIO 1-800-FLOWERS.COM, Inc.
Viya on Azureにより、従業員や顧客のニーズに対応するための柔軟性が向上
1-800-FLOWERS.COM社がデジタル・トランスフォーメーションに着手したのはCOVID-19のパンデミックが始まる前のことだったが、世界的な健康危機がこの取り組みを加速した。多くの企業と同様、1-800-FLOWERS.COM社では、労働力の大部分をオフィス勤務ではなく自宅からのリモート勤務へと素早く調整する必要があった。
「クラウドは、従業員が職務の遂行に必要なツールに即座にアクセスできる環境をもたらします」と、リープ氏は言う。「会社のオフィスに座っているか、自宅の仕事場に座っているかに関係なく従業員の目的は同じであり、同じ方法でツールにアクセスできます。」
従業員が勤務環境の変化に順応していったように、顧客も小売環境の変化に順応にしていった。
「パンデミックが始まって以降、お客様の当社との関わり合い方や、自身が消費している商品との関わり合い方に、非常に大きな行動変容が生じています」と、リープ氏は言う。「当社が日々利用するSASのアナリティクスは、その場でほぼリアルタイムに調整を行える能力をもたらしてくれます。当社の仕入担当者たちは、適切なトレンドを適切なタイミングで狙い撃ちしている状況を確保し、物事の順番を適正化し、その結果として最終的に素晴らしいエクスペリエンスをお客様に提供する、という素晴らしい仕事をしています。」
「Azureの上にSASポートフォリオを重ねることができる機能は、想定外の状況でも柔軟性を発揮できる能力をもたらしてくれます。当社はかつてない方法で適切にプロセスをガバナンスできるようになっています。SASは当社の日々の業務の不可欠なピースです。当社では、マーケティング・チームと事業運営チームにオンライン・レポーティング機能、クラウド機能、機械学習機能、モデル構築機能を提供することで、お客様とのエンゲージメント方法に関連した新たな機会を毎日発見しています。」
Viya on Azureを実行することで、1-800-FLOWERS.COM社は各種のビジネス要件を満たすために必要な柔軟性を手にしている。このソリューションは、クラウドにおけるAIとアナリティクスの未来を形成することを目指した、SASとMicrosoftの戦略的協業から生まれたものだ。
クラウドへの移行は、1-800-FLOWERS.COM社にとって切迫したニーズだった。「過去18ヶ月の成長スピードを考えれば、当社が最高レベルでオペレーションするために必要なスケーラビリティは、クラウドなしでは実現不可能でした」と、リープ氏は言う。「SASはクラウドへの移行において素晴らしいパートナーであり続けており、そのプラットフォーム自体もすべての期待を上回っています。」
1-800-FLOWERS.COM社は数々のブランドを買収してきており、過去5年間でも3つ買収している。同社ではデータとアナリティクスをクラウドに置いたことで、新任アナリストのオンボーディングが容易になり、彼らを素早く実戦力化できるようになっている。
「SASは、当社の全ブランドにわたる一致団結した取り組みに役立っています」と、リープ氏は言う。「また、新しいブランドを追加する際も、新しい顧客を理解したり、マーケティング・キャンペーンで的確にコミュニケーションを取ったりするために、同じ実証済みのアナリティクスおよび方法論を適用することができます。」
Azureは1-800-FLOWERS.COM社に対し、必要に応じてスケールアップ/スケールダウンするための無限に近いキャパシティをもたらしている。バレンタインデーや母の日のような特別な日に追加の計算処理パワーが必要となるときも、リープ氏はボタンをクリックするだけでキャパシティを追加できる。
「キャパシティを上げ下げできることは、CIOの観点からすると大きなプラス要素です。なぜなら、コストを維持管理したり、他の領域での価値提案を加速したりするために役立つからです」と、リープ氏は説明する。
1-800-FLOWERS.COM社に関する事実と数字
16
花、グルメ食品、パーソナライズされたアイテムを扱うブランドの数
3,000万以上
年間に配送されるギフトの数
22億1,000万ドル
年間売上高
継続的改善を追求し、素晴らしい成長を達成
継続的改善はリープ氏と彼のチームの目標であり、これは、1-800-FLOWERS.COM社とその傘下ブランドの上質なユーザー体験に反映されている “エクセレンスの文化” でもある。
「真実の唯一の情報源 ── これがここでの “聖杯” です ── が手に入るかどうかは、ガバナンス次第です。しかし、それには試行錯誤も必要であり、実際に試行錯誤をやり抜かなければなりません」と、リープ氏は説明する。
リープ氏にとって、データで実験することは単なる奨励事項ではなく、不可欠な成功要因である。
「継続的改善とは、単にすべての答えを把握することではありません」と、同氏は言う。「継続的改善とは、実験、一定レベルのアナリティクス、経験的データ、レポーティング機能などを通じて、それらの答えを体得することです。SAS ViyaをAzure上で実行することで、当社には、“頻繁にテストし、短期間で失敗し、自分たちの間違いから学びながら継続的にカスタマー・エクスペリエンスを改善していく機会” がもたらされるのです。」
リープ氏は、会社の革新力と進化力に関して、自社のデータドリブン・アプローチに信頼を置いている。
「SASのワンレベル上のアナリティクスと専門知識は、当社が明日の課題に向き合うために役立ちます」と、リープ氏は言う。「それは当社にとって魅力的な時間であり、私は当社が次に何を成し遂げるのかを早く見たくて仕方ありません。」
本記事に掲載された導入効果は、各企業によって異なる状況やビジネスモデル、入力データ、業務環境に固有のものです。SASの紹介する顧客体験は、各企業に固有のものであり、業務面や技術面の背景もそれぞれ異なるため、各事例に掲載されたあらゆる証言は、導入の典型例を示すものではありません。導入にともなう金銭的効果、導入結果、ソリューションのパフォーマンスなどの特徴は、個別の顧客のコンフィグレーションや使用条件に左右されるものです。本事例は、すべてのSASの顧客が当該事例と同じ導入効果を得られるとするものではなく、そうした効果を保証するものでもありません。SAS製品および提供サービスの保証内容は、各製品・サービス向けに締結された契約書内の保証条項に記載された内容に限られます。したがって、本事例に掲載された内容は、それらの保証内容をなんら補足するものではありません。事例に掲載された顧客は、各事例をSASとの契約にもとづいて提供しているか、SASのソフトウェアの導入成功にともなう体験を共有しているものです。