ジム・グッドナイト(Jim Goodnight)
共同創業者および最高経営責任者(CEO)
ビジネス・アナリティクス・ソフトウェアのリーディング・カンパニーであるSASのCEOとして、ジム・グッドナイトは1976年の創業以来、会社を牽引し、業界でも他に例を見ない、継続的な成長と高い収益性が途切れることのない経営を実現しています。そのリーダーシップの下、SASはイノベーションと企業文化で高く評価される存在となりました。グッドナイトがワークライフ・バランスにも熱心に取り組んできた結果、SASは世界の「働きがい」のある職場ランキングで上位の常連となっています。例えば、米国ではFortune誌の米国内ランキングで第1位、Great Places to Work Instituteの国際ランキングでも第1位を獲得しています。
最初のSAS®ソフトウェアは、グッドナイトとノースカロライナ州立大学の同僚たちが、農業研究のデータを分析する目的で開発しました。それから40年を経た今、イノベーションに関する揺るぎない評価により、SASは世界を代表するソフトウェア企業の中でも確固たる地位を確立しています。グッドナイトは画期的なテクノロジーへの取り組みを続けるため、年間収益の約4分の1を研究開発に再投資していますが、これは他の大手ソフトウェア企業と比べて2倍近い割合です。
「従業員がピーク・パフォーマンスを発揮できる職務環境を提供する」というSASの戦略は、ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)でも紹介されています。グッドナイトは著述家のリチャード・フロリダ(Richard Florida)博士と共同執筆したHBRの論考「Managing for Creativity(創造性の管理)」で、クリエイティブ資本(創造性に優れた人材)を最大限に活用する企業こそが繁栄すると主張しています。「ソフトウェア業界ではイノベーションこそが成功の鍵であり、イノベーションの源となるのが創造性です。…(中略)…ソフトウェアとは知性の産物であるため、SASでは創造性が特に重要です。私の大切なスタッフの95%は、夕方になると退社していきます。私の仕事は、翌朝には出社することをスタッフが心待ちにするような職場環境を維持することです」
1943年1月6日に米国ノースカロライナ州ソールズベリーで生まれたグッドナイトは、故郷のノースカロライナ州に強い愛着を抱いています。応用数学の学士号と統計学の修士号は、いずれもノースカロライナ州立大学(NCSU)で取得しました。統計学の博士号もNCSUで取得し、1972~76年には同大で教鞭を取っていました。グッドナイトは、教育に対する情熱からNCSUにいくつかの教授職を寄付しており、SASの慈善事業でも教育は重点項目になっています。1997年には、6~12年生(訳注:日本の中学・高校にほぼ相当)が大学入学に備えるための独立の私立学校として、Cary Academyを共同で設立しました。その目標は、教育のあらゆる側面にテクノロジーが組み込まれたモデル校を生み出すことです。
教育改革の推進者でもあり、早期学習と3年生の読解力を向上させるための取り組みを支援し、提唱するようビジネスリーダーに呼びかける全米ビジネスラウンドテーブルレポートの作成を主導しました。ノースカロライナ州では、最高経営責任者(CEO)たちを集め、より多くの子どもたちが質の高い幼稚園に入園できるよう資金拡大に貢献しました。その指揮の下、SASは革新的なプログラム、パートナーシップ、テクノロジーの提供を通じ、学生、教育関係者、一般の学習者が求められるスキルを開発できるよう集中的に支援してきました。
グッドナイトは、この数十年間でSASをアメリカ人の生活、仕事、コミュニティに大きな変化をもたらすビジネスへと成長させた功績により、ハーバード・ビジネス・スクールから「Great American Business Leader」の称号を授与されました。また、Inc.誌による「アメリカの最も魅力的な起業家25人」にも選ばれました。さらに、CEOが世界的な問題やビジネス課題について意見交換する場であるBusiness Roundtable(ビジネス円卓会議)やBusiness Council(ビジネス協議会)にも積極的に参加しています。